世の中ではノーベル化学賞の日本人二人受賞で大変な賑わいですね。
本当におめでとうございます。
私も書きたいことがあるんですが週末にあずけて、このブログではとりあえずベトナム紀行の続きを。
カット・ティエン国立公園は、サイゴン(ホーチミン)市から北に車で4時間ほど離れたところにある。
ロンリー・プラネットに載っていたけど、「歩き方」とか日本のガイドブックにはどこにも載ってないんですよね。
だからなのか、日本人は野生動物の研究者を除いて殆ど来ないそうだ。
でもすごく良かった。
だから行きたい人のためにブログで詳しく書いておく。
カット・ティエン国立公園はジャングルの真っ只中にある。
ベトナム戦争のころは、米軍による空爆や枯葉剤散布で荒廃していたが、ようやく自然が戻ってきた地域だ。
それで、この地域を自然保護の対象とすると同時に、自然に興味がある人が訪れても良い地域、として国立公園として指定された。
だから観光客はガイド(レンジャー)を雇う必要があり、観光客からは金を取る。
アメリカ的な国立公園の考え方だ。
ガイドと一緒に乗った車が、漸く国立公園に着く。
ちなみにダラットの方向に向かう道路を140kmほど進み、左折して23kmで到着だ。
左折地点で標識が出ているので間違えない。
到着地点で、ドンナイ川を渡る。
雨季の今は、多少増水して、川の色が茶色になっている。
とりあえずやったツアーを一通り紹介。
1. ジャングル8km徒歩ツアー
担当のレンジャーは、ベトナム人で非常に博識な方だった。
ベトナムのジャングルには、紫檀や黒檀、マホガニーなど家具やボートなどに使われる樹がたくさん生えている。
それから、巨大な溶樹、そしてそれに寄生する樹。
アメリカの空爆を受けても生き残った巨木がたくさんあった。
中には樹齢300年なんて溶樹もあった。
私が行った9月半ばは雨季の真っ只中だったし、(ちなみに行くなら乾季のほうが良い)
ちょうど雨が降っていたので、野鳥などはあまりいなかったのだが、
それでもいくつかの熱帯らしい野鳥に出会った。
Jinさんが、野鳥を見つけるのがまたすさまじく上手なのだ。
ジャングルの中を下を向いてごみを拾いながら歩いていたと思ったら、ふと上を見上げて
「あそこに鳥がいる」と言う。
雨季ではあったが、Jinさんのベテランぶりのおかげでエコツアーは楽しめた。
寄生するつたが美しく絡まりあっている。
樹液が溶け出して、白く染まるジャングル内の川。
雨の中歩き詰めで疲れたので、帰りにジャングル内にある素敵なロッジに寄っていただいた。
いかにも「ベトナム風」に作られた洗練された建物で、ついつい寄りたくなる雰囲気だ。
2階のテラス席からはドンナイ川を臨むことが出来る。
このロッジ、実はオーストラリア人の事業家がベトナム政府と交渉して、30年間のリース契約を結んで
始めたロッジなのだそうだ。
2階のテラスで紅茶をいただいたとき、そのオーストラリア人とお話できた。
カットティエン国立公園は、今後徐々に観光客も増えて、発展していくだろうから、投資対象としても良いだろうと判断してリースしたのだそうだ。
もともとベトナムが好きなので、成功しなければ、自分の別荘として使えばよいという判断らしい。
彼の中には、ベトナムの自然保護を支援したいという思いもあるようだ。
で、彼なりの「ベトナム」の雰囲気が出るように立て直したのだという。
だから、日本人の私が見ても「洗練されたベトナム」の雰囲気になっていたのか。
ベトナム政府と交渉して30年リースする、というのがヨーロッパ人的な発想だなぁと思った。
自然保護と投資という金儲けを両立するというのもうまいな、と思った。
2. ナイトサファリ
午後7時ころからの45分間のツアーなのだけど、これは単に車に乗ってるだけで楽しかった。
国立公園のウェブページに「TOYOTAの車でナイトサファリを行う」と書いてあったので、
ランドクルーザーにでも乗っていくんだろうか、と漠然と考えていたら、甘かった。
これがTOYOTAの車。
確かにトヨタである。
しかし馬鹿にしてはいけない。
この車の荷台の上のいすに乗っていくのだが、風を切って進むのがとても気持ちよく、まるでジェットコースターに乗っているように楽しいのだ。
その上、野生動物も見える。
写真は漸くフレームに納まってくれた鹿。
雨季だったので、草の背丈が高く、小動物が殆ど見られず残念だった。
行きたい人は、是非乾季に行ってください。
ナイトツアーが終わった後は夕食。
伝統的ベトナム庶民料理がいろいろ出てくる。
後は333(バーバーバー、南ベトナムの地ビール)ね。
ちなみに朝食は結構おいしいPho Bo(牛肉のフォー)で、頼むとVietnamise Coffeeもついてくる。
普通のミルクの代わりにコンデンスミルクを使った甘くて濃厚なベトナムコーヒーだ。
3. バウサウ(クロコダイルの池ツアー)
朝7時すぎに出発して、まずは昨日のTOYOTA車に乗って10km北上。
そこからジャングルの中に入って行き、クロコダイルの池を目指すというものだ。
バウサウのほうのジャングルは、国立公園の入り口付近にある昨日のジャングルと異なり、
圧倒的だった。
10分も歩くと、自分の汗で体中がじっとりとぬれてくる。
湿気が高すぎて、汗が全く蒸発しないからである。
途中、サルの鳴き声が聞こえる。
ガイドのJinが、またしてもすばらしい勢いで「あそこにサルがいるぞ」と見せてくれる。
確かに熱帯雨林の20メートルはある樹の上を、悠々と飛び交っている動物が見える。
望遠鏡で見ると、サルの顔立ちもはっきり見える。
どうしてそんなにすぐにわかるの?と聞くと、なんと排泄物の匂いでわかるんだそうだ。
真似して、くんくん匂いをかぎながら行ったのだが、確かにサルがいる近辺は動物園みたいなにおいがして、「あ、誰かいるぞ」という気分になる。
縄張り争いをする動物たちって、こういう気分で暮らしているのかと、ちょっと実感できた。
約1時間半で5kmを歩ききると、クロコダイルの池につく。
余りに美しい光景なので、ここに40分くらい滞在して、テラスでゆっくりしたり、猫と遊んだりした。
旅の途中でであったスイス人のバックパッカーは、こっちのクロコダイルのほうに宿泊した、と言っていた。
「クロコダイル見えたの?」と聞くと、「見えた見えた、とっても良かったよ」と言っていた。
なので、クロコダイルが見たい人は是非こっちに泊まってください。
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