My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

「MBA後は転職すべき」幻想の罠

2009-09-19 20:09:22 | MBA: アメリカでの就職

コメント色々いただいてますが、お返事できなくてすみません。
何かまだ、本調子じゃない・・・。
大事を取って早めに寝ます。

とはいえ、今日はボストン界隈の日本人の学生・研究者が集まるイベントがあり、行ってきた。
そこで話していて気が付いたこと。
何か「MBA後は、転職してステップアップするのが美徳だ」と思っている人、多くないか?

私など、「MBA卒業したらどうするんですか?」といろんな人に問われるが、
「○○○○○○(会社名)の日本オフィスに戻るつもり」と答えると、「えー、意外と保守的ですね」と残念がられる。

私の性格や行動パターンなどから、何か面白いことをやって欲しい、という期待が先方にあるらしい。
(アメリカで起業する、と言ったら喜ばれるのかも)

更に、こんなことをおっしゃる人もいた。
「○○大学のMBAは社費で来ている人も転職する人が多い。
MIT Sloanに行った人は社費で行った人は会社に帰る人が多い。(それ自体事実なのか不明だが)
MITはリスクを取れない人が多くて、ダメじゃないの?」

私は、転職したい人はすればいいし、もとの会社に戻りたいなら、別に戻ればよい、と昔から思っている。
アメリカでの就職について色々書いてるが、あれは、転職したいとすでに心を固めている人に向けて、コツを書いてるだけで、転職自体を勧めてるつもりは全くない。

リスクは、勝算のあるリスクをとるべきだ。
そして、「MBA後は転職すべき」などというのは、ビジネススクールのマーケティングに乗せられてるだけじゃないか、と思っている。

ちなみに、ビジネススクールにいると、学校でも、転職が善しとされる傾向がある。
アメリカだから、転職は次のステップアップにつながることが多い、というか
転職しないとステップアップできない業界もある、という理由もあるのだろう。

しかし、それ以上に、ビジネススクール(以下Bスクール)というビジネスの性質上、
学生が転職をするのは、学校にとってメリットがあるから、言ってるだけじゃないか、と思っている。

Bスクールの収益源は、主に学費と寄付金の二つだ。
このうち、企業や個人からの寄付金は通常、収益源の大きな割合を占める。
それを得るためには、寄付金の好循環につながる、優秀な人材を確保するのが重要になる。

米国のBスクールは、今苛酷な競争環境にある。
そもそも米国内にBスクール自体が増えている。
欧州のBスクールが強くなり、日本・中国・シンガポールなどにも増えてきた。通信制のMBAもある。
こういうところに、寄付金のパイを奪われつつある。

また、昔は米国企業も、「社費」でMBAに人を送り込んでいた時代もあったが、今では社内にMBAと同じようなプログラムを短期間で行う仕組みを持った企業がたくさんある。
そういう企業は、MBAに人を送らないし、寄付もしなくなりつつある。

この厳しい競争に打ち勝ち、優秀な学生や企業をアトラクトするには、
「うちのMBAは、来た学生を圧倒的に成長させてます(=インプットに対するアウトプットが高いです)」
ということを強力にアピールする必要がある。

そのためには、「学生が、前職に比べ、どのような職にステップアップできたか」といったわかりやすい指標が必要になってくる。
学生が、転職してどんな良い職を得たか、というのは重要なアピールポイントなのだ。

私のように、MBAに行く前に、すでにMBA後のポジションにいたうえ、MBA後も同じポジションに戻ることになるのは、大学から見たら、つまらないの極致なのだ。
学校側が転職を勧めてくるのは当然だ、と思っている。

もうひとつは、この厳しい競争の結果、MBAの目的が、「転職予備校」となってしまっている、ということも大きい。
多くの学生が、経営について学び、研究する目的でMBAに来るよりも、転職のための手段として来ている。
彼らが、重視するのは何か?
「そのMBAに行ったら、ちゃんと志望の業界の良いポジションに転職できるか。給料は上がるか」といったことだ。
だから、MBAが出している報告書には、詳しく、どの業界に行ったひとが、どれくらいの給料をもらっているか、ということが詳しく報告されている。
MIT Sloanの報告書はここ

だから、学校側が、転職を勧め、現職より給料の高い職に行くことを進めるのはある意味当然なのだ。
(もちろん、個々の就職アドバイザーは、本人の希望に沿ったアドバイスをくれるのだが、)

スタンフォード大学MBAの応募者向けパンフレットを見たときは驚いた。
紹介されている12人の卒業生すべてに、どこからどこに転職したのか、ということが大きく書かれていた。
ここまではっきりと転職人材を求めてられると、面食らうが、どこのMBAもそういう傾向はある。
応募するほとんどの学生が、そこを重視するからだ。

MBAというのは、ゆっくり学生に戻り、今後の10年、20年をどう生きていくか、ということを考える良い機会だ。
だから、当然、会社から派遣で来ているような人だって、転職の可能性も考えて活動し、それに向けたインターンをやるのもよいと思う。
そして、本当に、今の会社に残るのが、自分にとってメリットがあるか、をよーく考えるのが良い。
今の会社に自分を賭けていいのか、あるいは日本という国に賭けてもいいのか。

更に言うと、いろんな会社からこんなに引く手あまたになるのは、MBA後くらいなのだから、一回くらい転職してみても良いかも知れないしね。

そんなわけで、ビジネススクールのマーケティングや、それにすでに踊らされている人に、踊らされないように、人生設計しましょうね、という話でした。

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コネが重要な国・アメリカ-就活でのネットワーキング

2009-09-06 02:34:27 | MBA: アメリカでの就職

アメリカに暮らし始めて一番びっくりしたのは、この国ではコネが非常に重要だ、ということ。
何か、公明正大で機会均等の国だと思っていたイメージが全く覆された。
日常生活でも、「知り合いからの紹介」だと、提供されるサービスの質や早さが全く違ったりする。

就職活動でも同じ。
就活の最初の面接で会ってもらえるか、から、最後に誰を採用するか、というところまでコネは重要な役割をもたらす。
その会社の人たちがたくさんいるコミュニティに出入りして知られている、とか、
MBAの出身校が同じ、とか、
パーティであったことあるとか、
そういう理由だけで、普通は会ってもらえないものも会ってもらえたりするし、「実はこのポジションが空いてるよ」情報を教えてもらえたりするし、最終的な採用にも影響する。
知り合いの知り合いの知り合いが、狙ってる企業の採用担当者だったりして、わらしべ長者的に内定ゲットすることだってまれじゃない。

驚くことに、これってスタートアップやベンチャーキャピタルみたいな中小企業だけじゃなく、IT企業や製薬業界などにある、大企業・有名企業への就職でも同じだということ。
(ただし、アメリカでもAT&Tとか商業銀行とか航空会社みたいな、昔から確立した大企業だと別かも。このあたりに就職を試みる人が少ないので良く知らず)

日本だと、「研究室採用」やわずかに縁故採用が存在するくらいで、例えばOB訪問が採用の可否に大きく影響したりってことは余りないだろう。

何でアメリカでこれだけコネが重視されるのか。

ひとつは、それだけ多民族・多文化の国であり、同じ学歴・職歴でも、仕事に対する価値観、それに伴うスキルなどが全く異なるからじゃないだろうか。
これは、ビジネススクールにいると実感する。
すごくいい大学出身で、一流企業に勤めて、履歴書はピカピカなのに、
「仕事の責任の考え方」とか「仕事の進め方」が全く違い、全く一緒に仕事できない人、というのは存在する。
(別にその人が悪い、って事じゃなく、文化の違いかもしれない。向こうも同じことを思ってるだろう)
以前のエントリで書いた、「○○大卒」「○○会社勤め」という情報だけで、大体どのような考え方やスキルを持つ人かわかってしまう日本とはかなり違う。

ある意味で、私たちが、良い歯医者や病院を選ぶときに、自分の知り合いが薦めるかで選ぶのに似ている。
この国では、仕事の能力に「○○大卒」「○○勤め」などの情報は余り役に立たない。
かといって他に選択する基準がない。
だから口コミ・紹介が、より重要になるんじゃないか。

もうひとつは、特にIT・ハイテク、製薬、メディア、新エネルギーなど、この10年・20年で大きくなった業界では、業界人たちが持っているコミュニティっていうのがある。
コミュニティって言っても、「○○の会」みたいな明確な線引きがあるのではなく、業界の重要人物を中心としたゆるいつながりである。
で、業界人は、このコミュニティでの評価や人脈を大切にするのだ。
だから、そのコミュニティの知り合いから紹介された学生には会ってくれるし、時には採用につながることもあるのだ。

例えば、Googleの割と偉い人とかベンチャーキャピタルなどが参加してるシリコンバレーのコミュニティがあるよ、と言われれば、想像できるんじゃないか。
で、実際にそういうコミュニティは存在し、そういうところで、新しい会社が起業されたりするのだが、このコミュニティに属する人に高く評価されれば、その人の紹介というのは非常に意味がある。

他にもいろんなコミュニティがある。
例えば、ノバルティスやジェンザイム(遺伝子治療薬大手)など、有名製薬企業が集まっているボストンには、製薬コミュニティがあるそうだ。
そういう企業の中堅以上の人たちや、大学や病院の教授・研究者、製薬に関するベンチャーキャピタルや法律事務所、アントレプレナーなどがゆるくつながっている。
学生は、大学の先生や卒業生でこのコミュニティにいる人の紹介を通じて、ここに入り込んでいくことができる。
具体的には、そういう人たちが開く立食パーティに参加したり、セミナーに参加したり、単にメールで紹介してもらったり。
こういうコミュニティでネットワークを広げると、米国企業への就職できる確率は高くなる。

大学卒業生のコミュニティも大きい。
MITの場合、スローン単体より、MIT全体の卒業生コミュニティの影響力が強く、MIT卒業だというだけで、就活の際に会ってくれる担当者がいる。(人にもよるが)
米国では「MIT卒はネットワーキングが弱い」という悪評があるが、日本の大学なんかよりよっぽどつながりが高い。
ボストンだけでなく、シリコンバレー、シアトルなどさまざまなに存在し、IT、エネルギーその他いろんな業界につながっている。

そんなわけで、エントリが前後してしまったが、米国における就活において最初に進めるべきは、ネットワーキングだと思っている。

じゃあ具体論。
渡辺千賀さんがブログで何度も何度も書かれているように、アメリカで就職したいなら、前提としてまずは留学をするのは王道だ、と私も思う。
その上で、日本人留学生がどうやって狙っている業界のネットワークに入り込み、就職を有利に持っていくか。
色々書くけど、全部やると大変なので、自分の性格にあった方法で入り込むのが良い。

1) 業界関連のセミナー・パーティ・トレックには積極的に参加 (影響度:中~大、難易度:小~中)
大学にいると、この手の機会はたくさんある。
多くは、大学の先生が知り合いの業界人を呼んでセミナーを開いているとか、学生主催のセミナーとか。
その手のセミナーのあとは、立食パーティがあったりして、そういうところに、業界の要人が結構いたりする。
そういう人に会ったとき、自分の興味や能力を短時間でアピールできるよう、事前に多少練習しておくのが良い。
そこで相手が興味を持って、話が盛り上がれば、15分以上話をして、自分の興味やスキルをアピールできることもできる。
必要に応じて他の人を紹介してくれたりもするし、いきなり面接に呼ばれちゃうこともあるのだ。

私の場合、今年の1月に学校の授業の一環で行った、「シリコンバレートレック」の夜のパーティで、今年の夏のインターン(自分がやったのも含めて)先候補を複数見つけた。
うちひとつは(結局ここでは仕事をしなかったのだが)、日本の企業や大学との連携を模索しているところだった。
私と話して興味を持ってくれ、1週間後に会社に呼んでくれた。
この会社は、もともとサマーインターンを取ることは全く考えていなかったのだが、検討したい、ということで早速面接。
結局予算がつかなくて、誰も採用しないことになり、私も別企業で働くことが決まってしまったので、そこで終わりになってしまった。
けれど、こういうパーティに参加していると、本当に就職につながるような機会がある、と実感した。

ちなみに、この手のパーティでの「礼儀作法」については、以前書いたこちらのエントリが面白いと思う。

2)大学の先生を活用する(影響度:大、難易度:中~大)
研究室で担当教授がいる場合は、教授のネットワークを活用すべし。
でも、つながりは複数あったほうが良い。
MBAの学生も同様だけど、授業で「この先生は業界に影響力もあるし、いい先生だな」と思った先生には積極的にアプローチすべし。

まずはその授業の課題は、必要以上にしっかりやり、授業も積極的に参加して、先生に良い印象を持ってもらうことが大切。
あと、自分から先生のオフィスアワーに質問に行ったり、相談をしに行ったりする。
そうやって先生と仲良くなると、先生がやってるセミナー企画に混ぜてくれたり、重要人物を紹介してくれたりする。
自分の担当教授がいる場合は、カニバラないように注意が必要だけど。

日本でもそうだけど、業界に影響力のある教授の推薦は強力なパワーを発揮する。

3)大学の業界関連のクラブで、自分でセミナー・パーティを企画する(影響度:大、難易度:大)
日本もそうだけど、大学には「○○業界研究会」的なノリのクラブがたくさんある。
そういうところに入ると、自分と同じ興味を持った人と、業界人を呼んでのセミナーやパーティを企画することになるので、重要なつながりがたくさんできる。

例えば、私は100KというMITのビジネスコンテストの主催を今年の6月までやっていた。
ここでは、ボストン周辺のベンチャーキャピタル(VC)やシリアルアントレプレナー(複数企業を起業してる人)など、主要人物を呼んでのセミナーやパーティを企画。
そういう人たちにスピーカーなどをお願いするので、当然知り合いになれるし、イベント以外の自分の興味などについてアピールできる機会がある。
私は、別にボストンで起業やVCに興味があるわけじゃないって気づいたので、やめちゃったが、
本当に起業しようと思っている人なら、自分のアイディアをVCにアピールして起業につなげる一番の近道だろう。
VCに勤めたいなら、直接VCの重要人物にアピールできる。

すごい影響力のある手段だけど、ネイティブの学生と対等に仕事をしていかないとならないので、語学・文化の壁は結構大変。
あと、イベント企画とかが好きな人じゃないと続かない。

4)学会やビジネスコンテストに参加する(影響度:大、難易度:中~大)
研究してる人なら、学会に参加して、そこで業界人に自分の研究をアピールすることで、就職につなげるチャンスは多いだろう。
そうでない、ビジネススクールの学生や学部生も、大学で多々開かれているビジネスコンテストに参加して、自分のアイディアや能力をアピールすることができる。

ちなみにビジネスコンテストは、本当に起業したいひとだけでなく、その業界の大手企業に就職したい人にも意味がある。
例えば、私がやっていた100Kビジネスコンテストには、ジェンザイム、マイクロソフト、フィリップスなど、バイオテック、エネルギー、IT、コンシューマプロダクトなどの分野でたくさんのスポンサー企業がいる。
この人たちはベンチャーへの投資目的ではなく、その分野の優秀な学生を採用したい、と思って来ているのだ。
学生が考えるアイディアなんて、余程の物を除いて、事業化は難しいことを彼らは知っている。
けれど、そういうことを考えて、ビジネスモデルを作ることができる能力を持った優秀な学生がほしいのだ。

こういうコンテストでは、別に優勝しなくても、ノミネートしただけで、こういったスポンサー企業の採用担当者がたくさん来るパーティへの参加権が手に入る。
相手も、難しいコンテストを潜り抜けた人だと知っているから、最初からある程度の信頼を置いて付き合ってくれる。
ここで出来たつながりは、就職だけじゃなく、非常に大きなネットワーク財産になるだろう。

5)大学の卒業生を活用する(影響度:小~大(人による)、難易度:小~中)
卒業生の性格などによって違うけれど、OB/OG訪問は、一般に日本よりも威力を発揮する、と思ってよいと思う。

例えば今年みたいに景気の悪い年は、大企業でも「サマーインターンをやるかどうか」すら決まっていないということが多々ある。
大学の卒業生に会いに行くだけで、この手の情報が手に入ったりする。

直接採用権がある人につながればラッキーだが、そうでなくても、OB/OG訪問(別に本当に訪問しなくても、電話やメールで話すのでも良い)がきっかけで、重要人物につないでくれたり、そういう人たちが集まるパーティとかに呼んでもらえたりする。
そういうところでちゃんと自分をアピールすれば、「こういう人材がいるよ」と紹介してもらえる。
こういうのの積み重ねが重要。

6)日本人で米国企業への就職した人を活用する(影響度:中、難易度:小~中)
彼らが直接採用権を持っているわけではないが、就職に成功した人なら、それなりのネットワークは築いてきているはずだ。
こういう人たちに、自分の興味のある業界の人を紹介してもらったり、コミュニティに呼んでもらったりする方法は常にある。

日本人同士なら、こういった日本人を呼んでのセミナーを開いたり、パーティを企画したりっていうのは、そこまで難しいことじゃないだろう。
就職するに当たってのコツなんかも直接聞けるので、米国企業へのネットワークへの足がかり以上の意味がある。

ポイントは、「日本人のよしみ」だけを頼りにして甘えないこと。
中には「日本人だ」と言うだけで協力してくれる親切な人もいるかが、皆さん忙しいわけで、タダ日本人だからという理由で会ってくれる人は少ないと思う。
その人にとっても自分とつながるメリットをちゃんとアピールし、日本のビジネス常識はちゃんと守ること。

7)ネット上のコミュニティを活用する(影響度:小~中、難易度:小)
私自身は余りちゃんと使ってないけど、Linked InやFacebookのようなネット上のつながりがきっかけで、コミュニティに入っていくこともできるらしい。
Facebookよりは、ビジネス上のつながりを重視したLinked Inの方が影響力大。

Linked Inの人がMITで説明していたところによると、
・自分が本当に尊敬している、ネットワーク上意味があると考えている人とだけ友達になること。
 (きびちーが、たいしたこと無いと思っている友人は自分のネットワークに入れない)
・相手が自分を知らない重要人物に送る場合は、どこであったか、自分は何者かを端的にアピールする文章を添えること
・セミナーやパーティであったら、その日のうちに礼状を送るとともに、Linked Inへの登録願いを出す

これで、Linked Inを使って就職をゲットする確率は5割増しだそうだ。

以上、米国での就職に大きく影響する「業界コミュニティ」に入るための7つの方法でした。

要約すると、
・アメリカでの就職活動では、事前に業界の人たち複数とネットワークしておくことが重要。
・理由はアメリカ人は日本と違って、仕事能力を測る共通物差しがないので、採用において同僚や自分が属している業界コミュニティの意見を重視するから
・日本人学生が、このコミュニティに入る(複数の重要人物に推薦してもらえるくらいのつながりを作る)には次の方法があり、自分の性格や好みでやれるところをやればよい
 1) 業界関係のセミナー・パーティ・トレックに積極的に参加する
 2) 大学の先生を活用する
 3) 大学のクラブなどで、自分でセミナー・パーティを企画する
 4) 学会・ビジネスコンテストに参加する
 5) 大学の卒業生を活用する
 6) 日本人で米国企業に就職した人を活用する
 7) ネット上のコミュニティツール(Linked Inなど)を活用する


Two by twoにしたものの、あまり軸が切れてないのう。(意味なし)。
まあ「世の中近道は無い」「負担が大きいけど影響力小さい方法は書いてない」ってことで。

すごく長くなっちゃった(書くのも3時間近くかかった)けど、役に立てばいいなぁ。

米国就活シリーズ

1. 2009/08/05 MBA生が夏のインターンを獲得するには
2. 2009/08/10 アメリカ就職面接を突破する-MBA面接のコツも含めて
3. 2009/08/12 アメリカ就職面接その2-想像力を働かせて準備する
4. 2009/08/13 アメリカ就職面接その3-自分の能力を論理的に説明
5. 2009/09/04 アメリカ就職面接を突破する その4-雑談力の重要性
6. 2009/09/06 コネが重要な国・アメリカ-就活でのネットワーキング

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アメリカ就職面接を突破する その4-雑談力の重要性

2009-09-04 10:22:48 | MBA: アメリカでの就職

この2日ほど、急にアクセス数が増えたなあ、と思っていたら、渡辺千賀さんのブログから、8月に書いていた「MBA生がインターンを獲得する」シリーズ記事にリンクを張っていただいたのでした。
千賀さんの該当記事はこちら

このシリーズ、まだ途中だったのですが、ちといろいろなことが起こり、結果として続きをサボっていました。
こうやって有名ブログからリンクを張られたら、続きを書かないわけに行かない、ので、がむばります。

今までのエントリ
2009/08/05 MBA生が夏のインターンを獲得するには
2009/08/10 アメリカ就職面接を突破する-MBA面接のコツも含めて
2009/08/12 アメリカ就職面接その2-想像力を働かせて準備する
2009/08/13 アメリカ就職面接その3-自分の能力を論理的に説明

本記事は「日本人がアメリカで就職ゲットするのに、こういう工夫をするだけで、断然良くなる」ポイントに絞ってます。
もちろんこれ
以外にも「折れない心」とか、そもそも本人の仕事上の実績とか、色々大事なことはあるけど、それは日本の就職活動でも大切。
「アメリカ人に比べて経歴だって悪くないはずなのに、何で・・・」という人、こういうことに気を配ってみてはいかが?

最初のエントリで書いたのは、アメリカでの就活の際にポイント。3つある。
1. 事前のネットワーキング(知り合い作り)
2. 履歴書を、受ける会社に合うようカスタマイズ
3. 「米国式の」面接を突破する
この3つは、日本の就活とかなり異なってる点。

その中で、3の「米国式の面接を突破する」という話に絞ったとき、まずは、準備が非常に大切。

何故なら、アメリカ人に「東大卒」です、とか「○○銀行で5年働きました!」と言っても、
東大や○○銀行が何たるかを彼らは知らないので、何がすごいのか全く通じないから。
そうじゃなくて、相手がほしいと思ってる能力を、「ずばり私は持ってます。事実、私のこういう能力を生かして、こういうことを成し遂げてきたのです」と説明できなきゃダメ
そのためには、正しく準備することが必要なわけです。

正しい準備とは、
A) 相手はどんな人材がほしいと思っているか、この仕事をやるにはどのような能力が必要かを明確に描写でき、かつ自分の能力のどこがフィットするかを説明できる
(詳しい例は過去記事ご参照→想像力を働かせて準備する)
B) 履歴書に書いてあるAchievementを、自分のどのような能力によって出来たのか、という視点で説明できる
(詳しい例→自分の能力を論理的に説明

もうひとつ大切な3割とは、「面接時に相手のエネルギーレベルを上げること」。
それは相手がわくわくして、「この人に会えてよかった」と相手が思えるような面接にすること。
これについては、コミュニケーションスタイルによって、やり方が違うし、センスみたいなところもある。
静かに説得力がある人もいれば、熱弁で相手を巻き込める人もいるだろう。
一般論で語るのは正直難しい。

でも、ひとついえるのは、「相手がこの瞬間どう思ってるか」を客観的に観察し、自分の態度や発言にある程度フィードバックをかけていくこと。
これは、常に注意して場数を踏めば出来るんじゃないか。
(もちろん相手を気にしすぎると、自分らしさがなくなってしまうので、バランスが重要)

そして、この記事で書こうとしている「雑談力」は面接での印象度アップには重要。
かつ鍛えられるものじゃないか、と思う。ので書きます。

漸く長い前置きが終わりました。本題です。

何故「雑談力」がアメリカの面接で大切か。
それは、日本の面接と違い、アメリカのビジネスコミュニケーションはすべて、雑談 (Small talk)に始まり、中身があって、雑談に終わるから
そして、この雑談で、相手の性格や好み、コミュニケーション能力といったものを見ているのである。

私のコンサルファームのトレーニングの先生が、
「アメリカのコミュニケーションはハンバーガーみたいなものだ。
 バンズ(Small talk)があり、肉(中身)があり、バンズがあって終わる。
 肉の質が一番大事だが、バンズもハンバーガーの味には影響する」
と言っていたが、言いえて妙だと思った。
(ちなみにイギリスのコミュニケーションは、そのハンバーガーのバンズにFrost(皮肉)がかかってるんだそうだ)

就職の面接においては、Small talkは
・人としてそれなりの一般常識があること
・相手の話を聞いてボールを返せる、コミュニケーション能力(英語力含む)があること
を見ている。
加えて、分析力や業界知識など、自分の能力の片鱗を自然な形で見せられれば素晴らしい。
(無理に見せるのは、空気が読めてないからNG)

また、自分がアピールするだけじゃなくて、ちゃんと相手とキャッチボールしながら、面接官がどういう人となりか、どういう話し方をする人を判断する手がかりとするのが良いと思う。

一般論ばかり書いててもしょうがないので、具体例を。

Small talkの準備は、面接前から始まっている。
MBAの就職面接の場合、面接官は、事前に名前がわかっていたり、さらにその人の経歴が会社のWebに載っている事もざらだ。
こういうのは事前にチェックして、どういう人か知っておくこと。
ニュースの話題などを話すとき、自然とその人に刺さりそうな話題を探すことが出来る。

面接は最初、「How are you doing?」という挨拶から始まる。
ここからがSmall talkの始まり。

ひとつのやり方は自分から仕掛ける系。
「I'm very well」などと言いながら、
「やっぱり今のボストンは天気が良くて気持ちが良いですね」→天気の話
「実は、Boston Red Soxの試合を楽しみにして日本から来たんですよ」→スポーツの話。スポーツが好きなら。
この辺が無難で、一般的なラインか。

気になるニュースの話をしても良いと思う。
ただし、面接官に刺さるかを事前に調べ、更に分析力の浅さが露呈しないよう、ちゃんと準備すること。
それから業界・相手にとってネガティブなニュースは取り上げないこと。当たり前だけど。

正直、経済の話や業界のニュースの話をする必要はSmall talkでは全く無いと思う。
上に書いたように、無理に知識を披露してる感じになって、空気が読めないことを露呈しかねない。
もちろん、相手も「面接だから頑張ってるんだろうな」とさっぴいてくれるだろうが、特にプラスにはならないだろう。

ただし、大統領選とかStimulusパッケージみたいな、アメリカ全土を覆う超ビッグニュースは別。
これは一般常識の範疇だから。
業界に対してどういう意味合いがあるか、くらいは話せるようになっておいたほうが良い。

自分から仕掛けるメリットは、自分が話の方向性を持っていくことが出来ること。
デメリットは相手に全く刺さらない可能性があること。

もうひとつは、自分からSmall talkを仕掛けなくても、相手は90%以上必ず聞いてくる。
「カリフォルニアの気候はボストンとは大分違うでしょう?」→カリフォルニアが良い、と言う答えを求められてるので、そう答え、さらにどう良いと思うか言う
「さっきオバマ大統領が乗ったヘリコプターが上空を通ったんだけど、見た?」→MBA生なら、大切な面接の前にアメリカ人のクラスメートと話したり、Facebook/Twitterをチェックして、みんなが注目してる今日のネタくらいチェックしておくのが良いとは思う。
でも、知らなければ「え、何のイベントのためのヘリコプターなんですか?」「どうやって大統領のヘリコプターだって見分けるのですか?」などと聞いて話をつなげれば別に問題ない。
話がつながることが重要。

Small talkにこまってるのは、日本人だけじゃない。
アメリカ人も常に、Small talkをどうするか、困っているのだ。
だから、そういうネタを提供するサイトも山ほどある。(例:Google検索結果

またSmall talkの練習は、大学の就職相談口(SlaonならCareer Development Office)に問い合わせれば、まじめに相談に乗ってくれる。
(MITの場合: Carrer centerのページ。Interview練習のコツも書いてあって参考になる)

それから、アメリカに留学しているなら、周りのアメリカ人学生を最大限に活用すること。
彼らをSmall talkの情報源として使う、会ったときSmall talkを仕掛けて練習(やりすぎるとウザイが、ニュースのUpdateくらいなら?)、などなど。
普通に「Small talkが出来ないんだけど、どういう話をすればよいかな?」と聞けば、その人のやり方を教えてくれるかも。

しかし、一番大切なのは、「キャッチボールが出来ること」なので、知らなければ、知らないなりに、話をつなげられるような質問が出来ることが大切。
この質問力は場数もあるので、アメリカ人の友人とたくさん話して、慣れるしかないんじゃないか。

そうして慣れてくると、Small talkなんて、結構自然と口をついて出てくるようになると思う。

いじょう、まとめるとこの記事で書きたかったのは、
・アメリカのビジネスコミュニケーションでは雑談(Small talk)は大切なので、馬鹿にしないこと
・ちゃんと相手を調べ、ネタを準備するくらいのことはすること
・ネタサイトや就職相談口、Twitter、Facebook、友人なども活用できること
・何より大切なのは、相手とキャッチボールを続けるための質問・回答が出来ること。これは練習。
でした。

明日は、アメリカの就活で特殊なもうひとつ、事前ネットワーキングの話を書こうかと思います。
(次エントリ→コネが重要な国・アメリカ-就活でのネットワーキング

米国就活シリーズ

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3ヶ月のインターンを終えて

2009-08-31 04:49:00 | MBA: アメリカでの就職

ようやく、3ヶ月間の米国企業でのインターンが終了。
あっと言う間だった。

で、カリフォルニアの家の荷物をまとめ、飛行機で帰り、そのままボストンの新しい家に入居して、引越し作業。
ブログ更新どころか、ネットに接続するのもままならないまま、4日が過ぎてしまった。
まだ家もネットにつながらないのだが、Sloanの校舎の隣のマンションなので、てくてく学校に来て更新。

カリフォルニアの家で引越し作業をしているとき、「この家にいるのも今日で最後なんだな」と思うと、
色々感慨があって涙が出そうになった。
あっという間だったけど、そういう意味では長い3ヶ月間だった。

このインターンをやったことが、私の職業人生にどんな影響を与えるんだろう、としばし考える。

ひとつはやっぱり、スタートアップでの意思決定がどのように行われるか、肌感覚でわかるようになった。
まず、意思決定はとにかく速い。

かなりのことが担当者の裁量で決まる。
もちろん、上司の許可を仰ぐことも多いし、非常に大きな判断は取締役会にかける必要はある。
が、かなりのことが現場ですばやく決定。
意思決定が早いと、自分のやる仕事も最大限効率化しなければならない。
ルーチン化している自分の仕事を見直して、「あ、これは売り上げを上げるには必要ない作業だ」というのを見つけて、効率化していく。
常に頭を使う感じだ。
こういうことは、忙しいコンサル時代に慣れていたつもりでいたが、やっぱり生で事業をやるのとは全く頭の使い方が違う。

それから、大企業と違ってリソースに限界があるので、出来る人材がいるかどうかで、戦略が決定されたりする。
もちろん大企業でも、新規事業など、引っ張っていける人材がいないからやらない、という決定が下されることは多々あると思う。
しかし、ここでは、すべてが常に新規事業であり、常にリソースが足りない。
一人、ひとがいなくなったら、代わりになる人なんてそうはいないのだ。
詳しくは書けないが、いろいろなことが本当に「人がいるかどうか」で決まっていくのを見るのは、非常に新鮮だったし、
頼りにされているのはとても嬉しく、これがベンチャーの醍醐味だと思った。

それから、リソースが無いことに起因してるのだが、本当に一人4役も5役もこなさないとならないのは、とてもハードだった。
社内コンサルタント、営業、クライアントのコンサルティング、技術支援。
仕事を進めると、どんどん新しい役割が必要になるのだが、それを全部自分でやる必要がある。
これは、コンサルタントが、色々やるとはいえ、常にコンサルタントであるのとは大分違うなあ、と思った。

このインターンが始まった初期のころに大分エントリを書いたが、「営業」というのも初めての経験。
色々と自分の価値観や考え方を見直すことになったのは面白かった。

コンサルティングという仕事を4年もやっていたからこそ出来たんだな、と思うこともたくさんあった。
今まで培ってきたものが、別の仕事で役に立つことをはっきり確認できたのは、自信にもなった。

最後に、西海岸で生活する楽しさを教えてもらったこと。
暖かい気候で、夏は毎日青空。
車で気楽に通勤できて、人も親切でゆったりしてて。
ワインも安いし、食事も本当においしくて。
人種も言語も文化も多様で、人々の受容度も高い。

たった3ヶ月、駆け足で生活しただけだったから、いい思い出しかないのかも知れないが、
「将来、日本に何のしがらみもなくなったら、アメリカに移住したい」と考えるようになった。

そんなわけで、まだ終わったばかりで興奮冷めやらないのかも知れないが、とてもスペシャルな夏の経験でした。
インターンにも色々な形があり、私の経験は一経験に過ぎないけれど、
「MBA生がアメリカのスタートアップでインターンする」経験が少しでも伝われば幸いです。

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アメリカ就職面接その3-自分の能力を論理的に説明

2009-08-13 05:05:50 | MBA: アメリカでの就職

前記事
アメリカ就職面接を突破する-MBA面接のコツも含めて
および
アメリカ就職面接その2-想像力を働かせて準備する
の続き。

前回の記事で「クリックして応援してくださいね~、頑張って書きます~」と書いたところ、たくさんのクリックがありました。
だから「この記事は待ち望まれているのではないか!」と勝手に喜んで書いてます。

余談ですが、何故「人気ブログランキング」を設定しているかというと、
自分が書いてる記事が面白いのか、役に立ってるのか、というのを知りたいからです。
アクセス数が増えても、クリックが少ないと、「これはたくさんの人に読んでもらったけど、面白くなかったのかなー」と反省するわけです。
そのようなわけなので、面白い、役に立つと思った場合は、記事の最後にあるブログランキングへのリンクをクリックしていただけると嬉しいです。
余談終わり。

さてさて、A)のところで、想像力を働かせて、どのような環境でどういう仕事をするのかを具体的に想像し、どのような能力が必要になるか、明確に描写するのが重要だ、と書いた。
補足になるが、これって日本語以上に、英語環境では大切な準備だと思う。
これは、英語、という言語の性質もあると考えている。

英語って、すごくDescriptiveな(説明的な)言語だ。
MBAなどに来て、しばらく過ごした人なら感じると思うが、授業中などでも、日本語よりも具体的に事象を描くことを要求される。
TOEFLやGMATのWritingでも、抽象的な表現ではなく、より具体的な事例について書くように言われると思う。

日本語が、同じ文化を共有した人たちのなかで「あうんの呼吸」のように話される言語であり、聞き手に理解してもらうことを求める言語であるのに対し、
英語は、何も共有していない人たちの間で、ゼロベースから積み上げ、話し手が説明することを求められる言語だ。

恐らく、多くの日本人の英語が通じないのは、単語力や文法力や発音力が無いからではなく、具体的に説明的に話さず、抽象的な日本語をそのまま英語に訳しているからではないか、と私は思っている。
英語の面接で相手にわかってもらえず失敗するケースも、授業で「何言ってるか分からない」と言われるのも、ほとんどがこのケースじゃなかろうか。

そういうわけで、英語の面接の場合は、特にこの具体的に想像して、具体的に描写する、という準備が大切になってくると思う。
これを注意するだけで、他の人との差別化がかなり図れるんじゃなかろうか。

補足終わり。

B)履歴書に書いてあるAchievementすべてを復習。特に自分のどのような能力によって出来たのか、という視点で説明する。

そもそも、英文履歴書(CV)って、卒業・入社年度と資格くらいしか書かない日本語の履歴書と違って、
自分が学術上や仕事で何を達成してきたか、実績が具体的に書いてある。

たとえば私だったら、
・ある大企業での新規事業の戦略立案とパイロットのプロジェクトをチームマネージャーとしてリードする。クライアントに知見の無い分野で、具体的な事業戦略を確立し、クライアントの顧客候補を開拓してパイロット運用をサポートした(例です。)
というような文章(Achievement)が10行くらい履歴書に並んでいる。

この実績全てを見直して、自分のどういう能力があったから、こういうことが出来たのか、ということを論理的に説明する訓練をするのがB)だ。
A)で描写した能力を自分が持っている、ということを、過去に自分が達成してきた事例を使って説明するわけだ。

そもそも履歴書を出す時点で、このことはしっかり考えておいて、応募する会社に重要な能力・スキルを説明できる事例を、履歴書に挙げておくべきだしね。

履歴書には一文でまとめてあることも、実際に話し始めると長い話になると思う。
ここを、手短に、自分のどういう能力があったから、これが出来たのか、という視点で語るのだ。

たとえば上の私の例だったら、
・チームマネージャーとしてコンサルタントの一チームの代表としてクライアントとコミュニケーションできるだけの信頼構築力がある
・クライアントが知らない新規の分野でも、ファクトベースで分析し、戦略を確立することが出来る問題解決能力
・クライアントの顧客候補にアプローチして、開拓する営業?コミュニケーション力
などがあったから、上記の実績を達成できた、というところでしょうか。(あくまで例です)

ここで挙げた能力は、確かにA)で描写した仕事をするのに必要な能力たちだよね、となると思う。
こういう形で、実績を、具体的な能力によって説明するという訓練を、準備段階でする。
「自分は仕事に必要な能力を持っている」ということを、実例を含めて論理的に相手に説明することが出来るようになる。

面接準備編はこんな感じです。
次は、コメント欄でも話題になっている「雑談力」について書きますので、クリックで応援をお願いします~
(次エントリ→アメリカ就職面接を突破する その4-雑談力の重要性

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アメリカ就職面接その2-想像力を働かせて準備する

2009-08-12 10:00:40 | MBA: アメリカでの就職

前記事、アメリカ就職面接を突破する-MBA面接のコツも含めて の続きで、面接には準備が重要だと言う話。

「準備が重要なの当たり前じゃん」と思うかもしれないが、英語という慣れない言語で、相手が何にも日本のことを分かっていない状態でゼロから論理的に説明しよう、となると、やっぱり「ぶっつけ本番」では何も出来ない。
普段、その場で何とか出来てしまう「どたんば力」がある人も、英語力には自信があるという人も、油断せずにちゃんと準備をやるべし、と思っている。

特に就職環境が厳しい今年は、数名の優秀な人が一人で5,6社の内定を勝ち取り、取れない人はひとつも取れない、と言うことが起こっていた。
来年も同じだろう。

日本でも「就職勝ち組」「負け組」という言葉があるけど(あんまり好きじゃないけど)、米国でも全く同じ状況だ。
他の人より圧倒的に抜きん出ていないと、勝てない、と言う状況。
私は準備の時にどれだけ深く先まで考えるかで、「圧倒的に抜きん出る」ことが可能だと考えている。

準備の際にやるべきなのは次の二つ。
A) この仕事をやるにはどのような能力が必要か、面接官はどんな人材がほしいと考えているかを明確に描写する。自分の能力のどこがフィットするか、具体例を以って説明できる。
B) 履歴書に書いてあるAchievementすべてを復習。特に自分のどのような能力によって出来たのか、という視点で説明する。

私が今やっているインターンの時の面接を例にとって詳しく書きますね。

A) この問いに答えるためには、どんな仕事内容か、だけでなく、どういう状況で働き、どういう役割を求められるのか、というところまで想像力を働かせて考える必要がある。

このインターンの仕事は、法人向けのソフトウェアであるこの会社の商品の日本事業立ち上げだ
まず、日本での販売戦略を明らかにし、その戦略に沿って、実際に立ち上げを行っていく。
戦略面では、どのような顧客セグメントに売るべきか、というセグメント分析と、
どのように製品に変更を加え、どのような価格で、どのチャネルを通じて、どうやって売っていくか、という4P戦略の構築。
実行面では、パートナー代理店とのネゴシエーションおよびトレーニング。(そのときは「営業」は入ってなかった)

こういう仕事内容だけで考えると、必要な能力は、
日本市場でインタビューをして、必要事項を分析できる分析力、
ネゴシエーション力、コミュニケーション能力、
IT企業だけに、IT関連をやっていた経験・知識
といった表面的な能力しか思いつかないだろう。

もちろん、それも重要な能力なのだけど、平凡だ。誰にでも言える。
それでは、たくさんいる候補者の中から抜きん出ることは出来ないだろう。
本当に相手が何を求めているか、ということを見極めるには一手先まで考える必要がある。

例えば、どんな状況で働くのか。
インターン先はベンチャーだ。
大企業と違って十分な人手もない。
指示だって細かく下せるとは限らないだろう。
たぶん、私一人でいろいろ動かないといけないこともあるだろう。
私が日本に出張しているときに、常に上司がいるわけではない。恐らくひとりだろう。
そうすると、「指示がなくても、自分ひとりで考えて何をすべきかを判断できる自己管理能力」
「何を自分だけで判断してよいのか、何を上司に指示を仰がないとならないことなのか、を見極められる判断能力」
といったものが重要になってくる。

新規事業立ち上げ、というのは市場の状況が分かるにつれ、やるべきことがどんどん変わってくるものだ。
そうすると、「状況がどのように変わっても、新たに何が必要になるかを見極めて、臨機応変に対応していけるフレキシビリティ」
が重要になってくる。

会社には、日本市場が分かるどころか、日本語が分かる人もいない。
そういうところで、今後の事業戦略を作ってくれ、と言われているのだ。
「日本の状況を、特殊なものであっても、理解可能なように論理的に説明できる能力」
「米国のものをそのまま導入するのではなく、日本の状況に合わせて臨機応変に変えられる能力」
といったものも重要になってくるだろう。

ただのインタビューや市場分析も、「インタビュー力」や「分析力」といってはつまらない。
インタビューをするとき、顧客の本音を引き出し、かつ顧客の言ってることに引っ張られすぎずまとめるためにはどんな能力が必要か。
「インタビューをしながら、仮説構築し、その場で検証する、という臨機応変な問題解決能力」
など状況を想像しながら具体化する必要がある。

実際のネゴシエーションやクライアントとのコミュニケーションにおいても、事実上自分ひとりで対応しないとならないことも多いだろう。
そうすると、ただの「コミュニケーション力」ではなくて、
「一人でも十分にクライアントの信頼を得て、対応が出来るようなコミュニケーション能力」
「日本の顧客と、日本語で一人でも価格や要件で交渉できる力」が必要だとわかる。

必要なのは想像力だけ。
自分が実際にその仕事をやっていることを想像しながら、どんな能力が必要になるのか、細かく描写する、のがコツだと思う。

それが出来たら、自分はそういう能力があるか、ない場合はどのような方法で補えばよいかを考える。
全ての能力があるように見せかける必要は全くないと思う。
スキルが圧倒的に不足していると思う場合は、具体的にどう補うか、を話すことで、物事を客観視し、解決できる問題解決能力があることをアピールすればよい。

例えば、私の場合は「一人で日本語で価格などの交渉をする力」は正直やったことがないのでわからない。
ただ、コンサルタントのときに、お客さんの価格交渉戦略を考えたりしたことはあるから、何が起こっているか、何が重要かは、漠然とはわかる。
そのことを伝えて、でも実践はしたことがないので、最初は上司となる人の力を借りる必要があると思う、と答えた。

長くなってしまったので、B)に行く前にココで一回切ろうかと。
(長いエントリーはきらい)

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頑張って続きを書きますので~。

続き→ 2009/08/13 アメリカ就職面接その3-<WBR>自分の能力を論理的に説明

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アメリカ就職面接を突破する-MBA面接のコツも含めて

2009-08-10 11:33:08 | MBA: アメリカでの就職

アメリカでインターンを獲得するの記事の第二弾です。

MBA生に限らず、日本人がアメリカで就職活動をする際にポイントになってくるのが、
1. 事前のネットワーキング(知り合い作り)
2. 履歴書を、受ける会社に合うようカスタマイズ
3. 「米国式の」面接を突破する
の3つだと思っています。

これって良く考えたら、MBA受験するときのコツと全く同じなんだよね。
だから、MBA受験生の方も参考にしていただければ幸いです。

1は、意外かもしれないが、日本以上に「コネ」が大切になってくるということ。
就職先を探す、って意味でも、履歴書や面接を突破するって意味でも。
MBAでもこれは同様。(だからスクールビジットが大事だと切に思うわけです)
これは別記事で書きます。

2は、英語の履歴書って、入学・卒業・入社・タイトルだけ書けばよい日本語の履歴書と違い、
何をやってきたかを詳しく書く必要があるので、そこをちゃんとカスタマイズする必要がある、ということ。
以前書いた、コンサルティング業界を受けるための英文履歴書をご参照ください。
書く事例だけじゃなくて、動詞の使い方一つとっても、カスタマイズするのが重要になってきます。

前置きが長くなったけど、今日は米国での面接突破方法について書く。

米国での面接が、日本の面接と何が違うか、というと、

1. 英語である
2. 日本と違い、文脈や背景を共有するものが少ない
3. 結果として、より論理的な説明が求められる

1も結構大きな問題ではあるが、実は、2のほうが非常に重要なポイントだと思っている。
例えば、日本だと、出身大学名や学部、業界、そして年齢などの履歴書情報だけで、その人がどういう人か、結構分かってしまうと思う。
「慶応法学部出身、財務省で3年」とか「東大工学部修士、三井住友銀行に5年」とかいわれると、
外れている可能性はあるけど、大体どんな人か、仕事のスキルとして何を持っている人か、想像できてしまうんじゃないか。
(わざと具体的な名称を出しましたが、あくまで例です。
具体的な人を想定しているわけではありませんが、もし該当する方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません)
また、受け答えや話し方の文化も同じ日本人なら共有しているわけで、面接でも、自分の能力や長所を明確に言わなくても、その人の受け答えから、人となりや性格がはっきり見えてくる。

ところが、アメリカ人は当然、慶応大学や三井住友銀行という会社がどういうものなのかという感覚がない。
話し方や面接での態度も、「文化の違い」というフィルターがあるから十分に伝わらない。
あるのは、履歴書にある仕事の履歴だけだ。
従って、自分はどういう人間で、どのような能力があり、それを使って何をしてきたのか、ということを、明確に論理的に組み立てて説明できる必要が、日本よりある。
バックグラウンド情報がないのだから、面接だけで、相手に強烈な、良い印象を与えなければ、簡単に不採用になってしまうだろう。

じゃあどうすればよいか、と言うと、私の少ない経験に基づけば以下の通り。

1. 準備をする

どんな場合でも準備は重要。
タダでさえ面接で緊張するし、準備しなければ、自分が過去に考えたことなど、十分に全部出せないで終わってしまう。
英語だということを考えればなおさら。

準備の際にやるべきなのは、次の2つだと思う。
A) 面接官はどんな人材がほしいと思っているか、この仕事をやるにはどのような能力が必要かを明確に描写でき、かつ自分の能力のどこがフィットするかを説明できる
B) 履歴書に書いてあるAchievementを、自分のどのような能力によって出来たのか、という視点で説明できる

ここは具体的に書いたほうが良いかなあ。
時間が無いので、後で別記事で書きますね。

2. 面接時は相手のエネルギーレベルを上げることだけを考える

私は、実は面接は得意だ。
百戦百勝、とは言わないけど、今までの人生でほとんどの面接と呼ばれるものは突破してきた。
何を常に気をつけているか、というと、面接の前と後で、相手のエネルギーのレベルが上がるように話を持っていき、それだけを注意して進める。

エネルギーレベル、ってあいまいな言い方だけど、相手のExcitement、わくわく度といったところか。
相手が自分に興味を持ち、この人と会って良かったと思って、わくわくするように持っていくこと。

どうやるか、というと、まず相手の気持ちになって考える、ということだ。
最初の10分間は、相手が自分の何を知りたいのか、自分が話している内容が相手にささってるかどうか、を相手の反応を見ながら、判断するのに使う。

そして、相手の反応に合わせて、自分の話す内容を変えるのだ。
相手が少しでも、目が輝いてきたり、顔を紅潮させたりするポイントがあれば、何が受けたのかを考えながら、その部分を詳しく説明する。
似たような話で、相手が知りたそうな話を、自分の過去事例の引き出しから持ってくる。

話す内容だけでなく、声のボリュームとか、話すスピードとか、こちらがどれだけ興奮して話すか、というのも相手に合わせて変える。
相手が静かに話すタイプなら、静かに、でも相手の興奮するポイントを逃さず、ゆっくりと話を盛り上げていく。
相手が興奮して盛り上がるタイプなら、同じように合わせて盛り上がればよい

相手の反応を聞く。
「どう思います?」「こういう話もあるんですが、聞きたいですか?」と聞いてみる。
相手が知りたければ、「Tell me more about it」といわれるから、もっと話す。
知りたくなさそうなら、相手の質問に身をゆだねる。

「私はこういう人間だから、こういうことを主張したいです」というのは一切忘れ、
100%相手の知りたいことに答え、相手のエネルギーレベルが上がってくることだけを目的に話すのだ。

もちろん相性もあるので、100%うまくいくとは限らない。
ただ、「自分の主張したいことを忘れて、相手にあわせる」を面接の場で実行している人は意外と少ないんじゃないか。

それでは、次は具体例と共に書きますね。(次エントリ→アメリカ就職面接その2-想像力を働かせて準備する
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MBA生が夏のインターンを獲得するには

2009-08-05 09:12:51 | MBA: アメリカでの就職

そういえば、そもそも何で今、西海岸でインターンをやってるのか、何も経緯を書いてなかった。

このインターンが決まったのは2月の半ば。
周りに比べてかなり早い時期だった。
MBA生は、アメリカ人なんかまだ誰もインターンなんか決まっていない状況だった。
(一番早い投資銀行とコンサルですらまだだった)

そんな時期に、インターンが決まったとか書くのはかなり気が引けたので、書かないでいたら、そのままズルズルと6月になって、インターンに突入してしまったというわけ。
(実は2月半ばにヴァージン・アメリカでカリフォルニアに行き、帰りにサンタナ・ロウに寄ったのは、この会社の最終面接に呼ばれたときだった。)

MBAといえば、3ヶ月以上ある長い夏休みにインターンで働くのはつきもの。
昔は日本人といえば、社費で来て夏は旅行三昧という人が多かったかもしれないが、時代は変わってきている。
最近は、商社からの社費の人はもちろんのこと、金融機関から社費で来てる人ですら、自行の米国支店で働くという働き者もいる。

以下、日本人MBA生がインターンを獲得する方法、4パターンについてご説明。

1)日本人に圧倒的に多いのが、外資系企業の日本支社でのインターン

9割近くのMBA生がこのパターンじゃなかろうか。
コンサル、PEやファンド、投資銀行、それからGEやマイクロソフトといった事業会社。
こういうところは、日本に2~3ヶ月帰って、日本語で仕事をすることになる。
MBAでやってきたことを生かしつつ、自分のホームグラウンドの日本語で仕事が出来る、というのがメリット。

アプリケーションの時期は最も早く、10月くらいから動き始める必要があり、だいたい年末には内定が出る。
「ボストンキャリアフォーラム」などで面接をするケースもあれば、個別に主要な大学がある都市で面接が行われる事もある。
履歴書やエントリーシートは日本語でOKな場合も多く、日本人の採用担当者による、きわめて日本的なやり方で採用が進む。
米国企業とちがって、オンキャンパスでの面接は少ない。
そもそも学校のJobサイトなどに掲載されていないこともあるので、他の日本人MBA生とも連絡を取り合って、日程などを確認するのが良い。

2)それから、日本企業の海外支社で働く、というパターン。

一番多いのは、自社のコネクションなどを生かして、というパターンのようだ。
社費の人にとって、MBA留学の目的には、将来的に自社の海外支店で働くため、というのもあるだろうから、願ったり叶ったり、というところなんだろう。
他でインターン出来ない条件付の人も、これなら働けるしね。
MIT Sloanの私の同期は、この夏休み、9人中2人がこのパターンでインターンをしているみたい。

アプリケーションは、基本的に自社内のさまざまなコネクションを使って、社内就職活動をする、という形のようだ。
海外支店にいる先輩や人事部に掛け合って、会社にもよるが、メジャーな人事異動が終わった4月以降に確定、という感じらしい。

日本企業の海外支店で、日本語が話せる人を求めているケースもある。
ただ、数はかなり限られ、コネがないと見つからないほど。
まだ進出したばかり、などで、人手が足りないのでインターンを雇う、という特殊なケースと思ってよい。
私の知り合いで、一人だけ、このケースで雇われた人を知っているが、その人が勤めていた企業出身の人が始めた企業での仕事だった。

普通、日本から米国に進出してる企業は、日本人が必要なら、駐在で日本から派遣すればよいので、日本人を直接米国で雇うことは少ない。
米国採用は、米国市場・英語の環境で仕事できる人を探しているので、日本人であることは生かせないというわけ。

3)もうひとつは、完全に米国の会社で、日本に投資しているとか、日本進出を考えているので、日本人を雇いたい会社
数はかなり少ないので、このパターンで獲得したいなら、注意深く動く必要がある。

私のインターンはこのパターンに入る。
MITの先輩だと昨年は二人ほど、こういうパターンで米国のベンチャーキャピタルや投資会社で働いていた人がいた。
メリットは、日本市場を知っているという強みを生かしながら、完全な英語環境で働く経験が出来ること。

アプリケーションは、普通の米国企業と同じ形式で行われる。
レジュメ提出、インタビュー、当然全て英語となる。
相手は、英語が通じない、自分が良く知らない、日本市場において、判断を委ねられる人を求めているわけで、単に日本市場の知識をアピールするだけではダメ。
自分が仕事や判断を完全に任せられるに足る人間であることを、過去の事例などを用いて論理的に説明する必要がある。

4)最後は、完全に米国の会社で、日本とは関係ない仕事でのインターン
MBAに来ている日本人は、上記3)までのように、何らかの形で自分が日本人である強みを生かしてインターンを獲得するケースが殆ど。
しかし、中にはMKさんみたいに、帰国でも海外勤務でもないのに、自分の専門分野を生かして、日本とは全く関係ない分野でインターンを獲得する強者もいる。

このような完全米国の仕事を獲得するには、やっぱり専門知識が重要。
米国人と同じ土俵で、英語というハンディキャップがある中で戦うわけだから、それらの米国人よりも、その分野に精通していることを示す必要がある。

獲得するコツは、きっとMKさんがコメント欄で解説してくれるんじゃないか?と勝手に期待。

以上、この4パターンがMBAならではのインターン。
その次のエントリでは、じゃあどうやって面接その他、を突破するか、という具体的な記事を書こうと思います。→次のエントリへ(アメリカ就職面接を突破する-<WBR>MBA面接のコツも含めて

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アメリカでの就活と永住権

2009-01-31 02:00:15 | MBA: アメリカでの就職

ちょっと、ええぇっーと思うことがあったので、書いておきます。
アメリカ国内で、今年就職活動をしてる日本人で、永住権(グリーンカード)を持っていない人は必読。
永住権がないと応募できない、と言ってる企業も、実は可能性があるかもしれないって話です。

実は、私もいまご他聞に漏れず、就職活動もしている。
うちの会社は、日本国外の企業で経験できるならインターンやって良い、ということになっている。
それにフルブライトも渡航費援助のみなので、インターンの許可が出ている。
ので、サマーインターンくらい何かやろうと思っているから。

今年のサマーインターンの状況は厳しい。
E&Iのトレックのときも、訪問した企業からサマーインターンの可能性について話が出るのは例年は普通だってのに、今年は違った。
学生から質問して、漸く話が出る、という感じ。
それもしぶしぶ。

普段なら色んな分野でインターンを募集してる大企業の採用枠が少ない。
インターン自体のポスティングが遅れに遅れてる企業もある。

極めつけは、「US市民権か永住権を持つ人じゃないと応募できません」という制約を設けてる企業が増えてること。
それも、航空機の会社とか軍事関係ならまだしも、製薬とか消費財とか、さては半導体まで、普通の多国籍企業がそういう制約を設けているのだ。
留学生には大打撃。
米国籍はともかく、グリーンカードすら持っていないが、米国内で就職をしようと考えている人は多い。
特にインド人とかカナダ人、南米人など。

米国籍を持たない先輩たちの情報では、去年はそんなことなかった、というから、恐らく採用の手間を省くため、事実上制限しちゃってるんだよね。
ひどいよなあ。

わたしもMIT SloanのJob Postingをチェックしていて、「あ、面白そう」と思った仕事が、US Citizenship or Permanent US Work Authorization Required (US市民権または永久就労権が必要)だったりすることは良くある。
この前も、某米国籍の多国籍企業で、面白そうな仕事があったのに、市民権・永住権が必要とかで、あきらめていた。

ところが、である。
今朝、フルブライトからメールが届き、その企業がフルブライターのMBAからサマーインターンを募集してるというのだ。
しかも、Job Descriptionをみると、MIT Sloan経由のと全く同じ。
どうゆうこと?

フルブライターには明らかに米国籍の人はいない。
米国籍を持っている人は放棄しないとフルブライターになれないのである。
そして、VISAだってほぼ全員F-1で、しかも2年間の自国滞在をしないとUSでの就労ビザは下りない。
(ちなみにF-1でサマーインターンが出来るのは、私のように渡航費しか援助を受けてない、という人のみ。生活費援助が出てる人はダメ)

MIT のJob Postingにある、US Citizenship or Permanent US Work Authorization Required ってなんだったんだー!!

考え得る理由を考えてみた。

  1. この企業は特に国籍を指定する気はないが、MIT Sloanの就職課が留学生の世話が面倒のため、多国籍指定が無かった企業は出来るだけUS Citizenship or Permanent US Work Authorization Requiredにして仕事を減らそうとしている
  2. この企業は特に国籍を指定する気はなく、またMIT Sloanの就職課もそれなりに頑張っているが、応募フォームが分かりにくい、Defaultでそうなってしまうなど、間違って指定してしまった
  3. この企業が、MIT Sloanの就職課経由で募集する場合は国籍指定したが、フルブライターは学力や英語力がある程度保証されているので、特別扱いしている。
  4. この企業がフルブライトに送ったのが間違え。米国籍にしか興味は無い。

正直、いままでの経緯を考えると、2が一番Possibleな気がする。または3もあるかも。
3だって、MIT Sloanの就職課が頑張っていれば、本来は特別扱いしても良いような学校じゃないのか。

大体、MIT Sloanの就職課経由の情報だと、US Citizenship or Permanent US Work Authorization Required となっているけど、その企業のホームページだと特に国籍指定などしていない、というところは他にもあるのである。

そういうわけで、US Citizenship or Permanent US Work Authorization Required だけを見てひるまずに、興味のある会社には関係なく応募してみる、という手があるとおもう。
(今頃言うな、と思う人もいると思いますが、私も今頃判明したわけで...)

採るか採らないかは、国籍じゃなく、本人を見て決めてくれっちゅーの。

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