My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

フラミンゴの楽園セレストゥン-メキシコ旅行(5)

2009-04-02 21:53:30 | ●メキシコ・中南米

Meridaについて3日目の朝。
早起きして、セレストゥン(Celestun)自然保護区に行くことにした。

Celestun自体は、Meridaから100kmほど西に行ったところにある漁村。
メキシコ湾に面した入り江がフラミンゴの生息地として有名だが、それだけじゃなく、いろんな種類の野鳥が生息している。

今回はツアーじゃなくて、バスに乗って自分で行く。
Celestun行きのバスが出るNoresteのバスターミナルまではホテルから30分程度。
途中に地元民が集う安い食堂や、市場などがあったりして、寄り道しながら向かった。

旅に出ると一番楽しいのが、そこに住んでいる人たちがどんな生活をしているか、どんなものを食べているかを経験してみること。
地元の人が毎日使っている市場や食堂を見て、実際にそこで買ってみたり、食べてみたりする。
そこから文化や習慣、地域経済の成り立ちまで垣間見られるのがとてもたのしい。

Meridaの場合は、ソカロ(町の中心の公園)周辺に集まっているお店やレストランは、日本人の目から見れば普通のものだが、この国ではとてもハイエンドまたは観光客向けのものと思われる。
言ってみれば東京の銀座のようなものに違いない。
バスターミナル周辺にある、小汚い食堂と市場こそが、この街の普通の庶民の生活を支えていると思われる。

バスは一時間に一本しか出ていなかったので、結局朝9時のバスに乗り込むことになった。
ここから2時間ほどバスに揺られていく。

Celestunまでの道のりで、2,3の村があり、バスが停車する。
どの村も、小さく、掘っ立て小屋のような家がたくさん建っている貧しい村が多い。
日本人の目からすると小さな街にすぎないMeridaが、この地域の人にとってはどれだけ大きな都会なのかが感じられる。

2時間強でCelestun村の入り口にある入り江のバスストップに着く。
「歩き方」には、ボートの発着場所が入り江の橋だけみたいに書いてあるので注意。
バスの終点である村の中心に近い海岸からも出ていて、そこからの船のほうが長い旅を楽しむことが出来る。
(詳しくはLonely Planet参照)

というわけで、海が見えるような村の中心部まで乗って、そこからビーチまであるく。

ビーチに着いた。
綺麗な色の海、青い空。

ビーチに着くと、早速遊覧ボートのおじさんたちがいて、交渉を始める。
他の観光客と乗り合い。6人集まったところで、一人200ペソずつでDeal done。

写真のはじのほうに、乗っている小さな船が、私が乗ったもの。
これが、ものすごいスピードで波の上を走るように海を越えていった。
普通ボートとかって法定速度とかあるはずだと思うが、その2倍くらいのスピードではないかと思うくらい。
波があると、船が本当に「飛んで」しまうほど。
風が強いのに、追い風のはずが向かい風に感じてしまうほどなので、風より速いってことだろう。

10分くらい走ると、ペリカンとサギの生息地を通る。

写真の白いのがペリカン。
動物園の熊のおりの前みたいな、すさまじい臭い。
ペリカンって臭い鳥だったんだなあ。

ただ臭いを別にすると、たくさんの白と黒の鳥が一列に並んでいる光景は圧巻。
なぜかみんな同じ方向を向いている。ちょっとかわいい。
風が吹いてくる方向に向いているようである。

さらに進むと、海の青黒い色とはまったく違う白い水が流れ込んでいるところがあり、そこが入り江だ。
ボートはそこに入り込んでいく。

岸にはマングローブが群生しており美しい。
日本の西表島とも似ているが、それよりもマングローブの規模が大きな感じだ。

入り江には小さな船で漁をする漁師がたくさんいた。
人が一人立って漸く乗れるくらいの小さな船で、棒で水底を掻いて進むもの。
それで小さな網を使って漁をしている。
そんな船じゃ、男が一人一日中働いて取れる魚の量だってたかが知れているだろう。
本当に貧しい村なんだ。
とっさに、来る前にマクロ経済の授業でやった、投下資本をあげると生産効率があがるソローのモデルを思い出す。

日本だと、戦後の地方の貧しい漁村はこういうのを使っていたかもしれないが、今はどんなに地方自治体が貧乏でも、こんなものを使ってるところはないものね。
Merida周辺は、メキシコの中でも割と豊かな方であるはずだが、それでもこんなレベルなんだ。

しばらく進むと、遠くにピンク色の薄いものが見える。
船がだんだん近づくと、すさまじい数のフラミンゴが集まっているところだった。

 

取った写真を一部切り取って拡大してみた。
こんな感じでずーっと広がっているので、1,000羽くらいいるんじゃないか、という感じだ。

さらに近づく。
船はエンジンを切り、風の力を使いながらゆっくりと近づけるところまで近づく。
とはいっても、フラミンゴまで500メートル以上離れているような感じだ。

望遠が3倍までしかできない、私のサイバーショットで撮った一番近づいたものがこれ。

実際には、人間の目のほうが解像度が高いくらいなので、もっとよく見えるんだけど。

でも本当に美しい。
ピンクも、サーモンピンクの美しい色。
長くてほっそりとした首。

それがたくさん集まっている。

あ、数羽が飛び立ち始めた、と思ったら、群れの半分近くが羽を広げて他の方向へと飛んでいった。
私の存在が気づかれたのかも知れない。

望遠の限界でぼけてしまっているが、ピンク色のボディに黒い縁取りがされた羽が本当に美しい。

10分くらい、フラミンゴを楽しんだ後、船は入り江近くのマングローブのジャングルの中へと入っていく。
そこは静かな湧き水だった。

同じ船に乗っていた10代のメキシコ人の女の子二人組が、水に飛び込んで泳いでいた。
その間、私は川の奥まで入っていって、水が沸いているところを見に行った。

水が湧いているそばには、体長20センチくらいの川魚がたくさん泳いでいる。
近くにいた人に聞くと、ティラピアというらしい。
このお魚、その後パレンケなどでたくさん食べた。

約2時間半のツアーだったが、満喫できた。
一行は入り江の桟橋の所まで乗せられて、そこで降りる。
そこから村の中心部まで約2km程度。

おなかがすいてきたので、村の中心部の砂浜にある海の家レストランのひとつで食べることにした。
早速ティラピアのフライをいただく。

お供は当然Cervesa(ビール)なわけだが、ちょっとこのメニューひどくないか(笑)?

魚なら時価なのはわかるが、なぜビールの値段が?。
客を見てぼろう、って魂胆なのか(笑)

店員を捕まえて、Cervesaを頼みたいけど、値段がわからなきゃ頼めないよ、と言って聞く。
結局30ペソ(約210円)。この地域の物価を考えると高いのだがまあいいや。

そんな感じでゆっくり砂浜でビールとティラピアを楽しんで、4時のバスに乗ってメリダへ帰った。

次は→ メリダの夜景 - メキシコ旅行(6)

 

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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
フラミンゴきれいですね (freedom)
2009-04-03 12:33:01
きれいな景色いいですね(臭いは伝わってきませんしね)。
人一人乗れる位の小さな船、日本でも一部地域で「たらい舟」なんてものもあるのでそういうものかな。
お魚さんにはお魚さん自身で再生産していただかないといけないので「The Tragedy of Commons」(共有地の悲劇)とよばれている資源の枯渇が起こらないためには、敢えて投下資本を上げないという選択も考えられるかな。
日本でもかつて投下資本を上げてトロールで根こそぎ獲っていたものを禁止して、刺し網に変えたなんて事例もありますよね。
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エコ漁 (Lilac)
2009-04-06 07:03:59
>Freedom様

そうですね。
ただ、メキシコのその地域は、まだTragedy of commonsが発生するほど人口が集中していないようなので、まずは抑制より成長かな、という気がします。
最悪、お魚さんの再生産を加速する「養殖」技術を移転するとか。

あらゆる環境保全の国際会議で問題になっているように、エコを唱えて発展途上国の資本投下にどこまで口を出してよいものかはいつも悩ましいところです。
先進国としては、環境保全につながる技術は提供したいところですけどね。

セレストゥンはまるで、戦前の水俣を思い出させるような光景でした。
自然と海は美しく、でも人々はまだまだ貧しくて、住んでいる家や漁の様子も当時の水俣の写真に良く似ています。
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