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地方百貨店の生き残り

2014年09月04日 16時25分13秒 | 学習支援・研究
地方都市の百貨店「ふたつはいらない」 
和歌山市は近鉄、熊本市は鶴屋だけ
相次ぎ閉店

J-CASTニュース
9月2日(火)12時33分配信


地方の百貨店が、続々と閉店に追い込まれている(写真は閉店セール中の高島屋和歌山店 8月中旬撮影)

地方都市の百貨店が続々と閉店している。
百貨店業界は2013年、円安・株高のアベノミクスの恩恵もあって
2年連続で売上高が前年比プラスになった。
ところが、14年4月の消費増税を伴う駆け込み需要の反動減で
7月まで4か月連続で前年実績を下回っている。
少子高齢化の急速な進展も暗い影を落としている。

高島屋和歌山店8月31日で営業終了
高島屋和歌山店(和歌山タカシマヤ)が
2014年8月31日、営業を終えた。
和歌山店は1973年5月、
南海電鉄の和歌山市駅ビルにオープン。
売上高はピークの1991年度には65億円だったが、
2013年度は22億円に落ち込んでいた。

周辺の人口減に加えて、消費増税や
イオンモール和歌山などのオープンで競争が激化。

赤字経営は10年に及んだ。
約90人の従業員は大阪店などに転勤するという。

和歌山市内にはかつて4つの百貨店があったが、
98年に大丸百貨店が撤退。
2001年には丸正百貨店が倒産。
高島屋の閉店で、百貨店は
近鉄百貨店和歌山店だけになる。

その近鉄百貨店も、京都府伏見区の桃山店(愛称「MOMO」)の営業を
9月末で終了する。1996年の開店以来、
営業赤字が続いていた。2007年に閉店した
JR京都駅前の京都店に続く撤退で、
京都から「近鉄」の看板が消えることになる。

首都圏でも、神奈川県を地盤とする老舗の地方百貨店「さいか屋川崎店」が
店舗の賃貸借契約期間が満了となることを理由に、
2015年5月末に営業を終了する。
四国では、高松天満屋(香川県)が3月末で閉店した。
他の百貨店や大型ショッピングセンターとの競争が激化し、
収益改善が困難と判断したという。

長崎市の百貨店「長崎玉屋」は2014年2月末に閉店。
1969年に開業の老舗だが、
2009年に売り場面積を約半分に縮小していた。
施設の老朽化やビルの耐震性の問題から、閉店を決めた。
長崎市では大丸、玉屋、浜屋の3つの百貨店が競ってきたが、
11年7月に大丸が撤退。 
玉屋の閉店で、長崎市で営業している百貨店は、浜屋だけになった。

しかし老舗浜屋も13年3月末に大村店(長崎県大村市)を閉店し、
経営資源を長崎店に集中している。

2014年8月12日、熊本市ではその名も「県民百貨店」が
15年2月28日に閉店すると発表した。
中心市街地の再開発計画が持ちあがり移転を迫られたが、
資金面などで用地が見つからず
営業の継続を断念。廃業を選んだ。

同社は地元企業の出資で02年10月に設立。
阪神百貨店(現阪急阪神百貨店)の支援で
03年に「くまもと阪神」として開業し、
11年に「県民百貨店」に店名を変えた。
14年1月期の売上高は約118億円。
撤退によって、熊本市内は老舗の鶴屋百貨店だけとなる

和歌山、長崎、熊本… 地方都市では、
もう複数の百貨店がいらない状況になっているようだ。
少子高齢化に、消費増税の影響「読み違い」で売り上げ不振
 
近鉄百貨店は2014年2月、
日本一高いビル「あべのハルカス」に入る、
日本最大級の売り場面積を誇る本店をオープン。
なかでも10代後半~20代後半の女性を対象に、
カジュアルやOL層向けなど計105の服飾専門店をそろえた
「solaha(ソラハ)」は行列ができるほどの、
絶好のスタートを切った。

ところが、その「ソラハ」の不振が響き、
本店の15年2月期の売上高の目標を下方修正する。
開業から、わずか半年足らずでの軌道修正だが、
前年度の923億円の1.5倍超という
「強気」が裏目に出たともいわれる。

どうやら、「消費増税」の影響を読み違えたようだ。
3月は開業して間もないことに加えて、
消費税増税前の駆け込み需要もあり、
あべのハルカス前の旧店舗に比べて売上高が倍増したが、
4月からはその勢いが鈍っていた。

日本百貨店協会が2014年8月19日に発表した
7月の全国百貨店売上高は、
既存店ベースで前年同月比2.5%減となり、
4月から4か月連続で前年実績を下回った。
梅雨や台風などの天候不順の影響もあるが、
消費増税に伴う駆け込み需要の反動が続いた。

帝国データバンクによると、
7月の景気DIは46.9。ところが、
小売業に限ると37.3と、
大きなマイナスだった。
「4月以降、とくに高額商品の売れ行きがよくありません。
そのため、百貨店には厳しい状況が続いています」と話す。

さらに、「百貨店の共通の問題として、
少子高齢化があります。人口の減少が最大の問題です」。
たとえば、新たな買い手として期待される外国人旅行者も、
地方の百貨店では思うよう取り込めないのが現実。
「買い手不在」が地方の百貨店を閉店に追い込んでいる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140902-00000001-jct-bus_all