ひとり井戸端会議

主に政治・社会・法に関する話題を自分の視点から考察していきます。

「数の暴力」の理屈は何処へ?

2007年09月20日 | 国政事情考察
 安倍首相の辞任に伴い行われる首相指名投票において、毎日新聞に気になる記事が掲載されていました。以下当該本文。



 民主、共産、社民、国民新の野党4党の国対委員長は20日午前、国会内で会談し、25日に予定されている参院の首相指名選挙で民主党の小沢一郎代表に投票することで一致した。参院では小沢氏が首相に指名されることが確実になった。
 共産、国民両党は、1回目の投票ではそれぞれ各党の党首に投票するが、決選投票になった場合は民主党の小沢代表に投票する。社民党は決選投票だけでなく、1回目から小沢氏に投票することも検討している。
 首相指名選挙は過半数を得票した候補者を首相に指名するが、最初の投票で誰も過半数に達しない場合は、上位2人の決選投票になる。参院で民主党は単独では過半数に達しないが、野党3党が加われば過半数となる
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20070920k0000e010038000c.html



 しかしながら、国民新党に関しては読売新聞の記事によれば、小沢一郎とは書かない方針のようですが、野党は先の通常国会でしきりに与党を批判する際に用いていた「数の暴力」という言葉を忘れてしまったのでしょうか。

 首相指名は参院と衆院で指名された人物が分かれた場合、衆院で指名された人物が首相に就任するので、ほぼ間違いなく麻生氏か福田氏が首相になります。よって参院でマジョリティーを占めているとはいえ、「小沢内閣」が誕生することはありえないのです。これは過去にも土井たか子、菅直人両氏が同じ結果になっています。

 話の趣旨がややずれてしましました。

 結局は野党も数の力に頼るということでは、今回野党3党(?)が行おうとしていることは、先の国会で与党がやったことと同じ「数のごり押し」に他ならないのではないでしょうか。
 しかも、与党の場合はまだ一つの政策に向けた統一性のとれた数の押し出しであったのに対し、民主党や共産党、社民党では互いに批判し牽制し合っているように、政策などの面でもかみ合っていないのは明白ですし、その溝はそう簡単には埋められそうもありません。
 共産党など、あれほど民主党を「自民党と変わらない」などと批判していたのに、小沢一郎に投票するとは、どういう風の吹き回しでしょうか。「たしかな野党」の名が聞いて呆れます(笑)

 とにかく自民を政権から追い出そう。こればかりに固執した結果だと思います。自民でなければとにかくよし、と言わんばかりの小沢ごり押し論のように見えて仕方ないですね。野党は烏合の衆と化したのでしょうか。

 社民党なんぞ、最初から「小沢一郎」と投票するつもりなら、もはやいっそ民主に合流しなさいな。民主には社民OB・OGもたくさんいるじゃありませんか(苦笑)。

 与党には数の暴力と批判しておきながら、自分たちが(参院ではとはいえ)多数を得たら、数の暴力に便乗するのだから調子がいいものです。自分たちの数のごり押しはよくて、与党の数のごり押しはダメというのであれば、それはもはやテロリストが自身の暴力を正当化するときの言い訳のようなものです。

 そもそも、このような野党の動きを見ていると、自分たちの確固たる政策や主張はないのか、と嘆きたくなります。「アンチ自民」で仮に政権を取ることができても、そのツケを支払うのは他ならぬ国民であるというのに。そういう意味では近々行われるであろう衆院選は、国家の存亡がかかっていると言っても過言ではなさそうです。

 反自民で政権を取っても、細川内閣の二の舞になるだけでしょうね。こんな「烏合の衆」に国政を任せても、まさに船頭多くして船山登る状態になると思いますが・・・。

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