ひとり井戸端会議

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竹原落選は当然

2011年01月17日 | 国政事情考察
鹿児島・阿久根市長に西平氏 3選目指した竹原氏は落選(朝日新聞) - goo ニュース

 住民投票で市長が解職された鹿児島県阿久根市の出直し市長選は16日投開票され、養鶏会社経営の新顔西平良将氏(37)が、3選を目指した前職竹原信一氏(51)を破って初当選した。「市役所・議会改革」を唱え、議会に諮らずに専決処分を繰り返した竹原氏の行政手法が否定された。当日有権者数は1万9715人、投票率は82.39%(前回は82.59%)だった。
 得票差は864票。先月の住民投票は398票差だった。



 法を無視し、独裁手法により市政を恣にしたのだから、落選は当然であってこの結果に異論はない。ただ、投票数には注目しなければならない。

 両者の得票差はわずか864票である。したがって、西平氏が当選したからといって阿久根市民が竹原氏に「ノーを突きつけた」と解釈するのは尚早である。

 思うに、ここまで接戦だったのは、竹原氏の手法はともあれ、彼の目指した方向性である「住民至上主義」について、市民の間で一定程度の支持が確実にあったことを意味している。よって、西平氏には一定程度竹原路線を継承することが求められるだろう。そうしなければ市民からの支持は得られないと考えるべきだ。

 しかしながら、いくら目指す方向性が良いとしても、その目的に向けたプロセスのなかで定められたルールを守れなければならないのは言うまでもない。いくら納得がいかないといっても、裁判所の判決を無視することなど論外である。ルールに従えない者が組織のトップになってはならない。



 ところで、竹原氏を支持するネウヨが意外にも多いが、私には理解しがたい。彼の思想を知っての支持なのだろうか。

 彼は2007年6月7日、自身のブログにおいて「天皇家はどこの馬の骨とも分からない家系」などと書いているのである。そして昭和天皇について、「終戦時に国民を配慮した気配は全くない。ひたすら私財の保全にだけ心血を注いだ」と述べ、皇室蔑視の感情を剥き出しにしている。

 上記の記述は、先日秋篠宮両殿下に対し罵声を浴びせた民主党のクズ議員と同じ、いやそれ以上のものであり、皇室を崇敬する立場からは到底是認できないものであると思うのだが。


 また、憲法9条に対する彼のスタンスも保守のそれとは全く異なる。

 彼は憲法9条について、あの極左の天木直人のブログを引用しつつ、「憲法9条を掲げて非戦を誓う外交こそ唯一、最強の安全保障政策であり、対米自主、自立の日本を実現する途であることがわかる。誰が何と言おうがこれこそが最善の選択なのだ。私が憲法9条を変えてはいけないと主張する理由がここにある。」と述べている。


 さらに、先述したような法を無視したり裁判所の決定に従わないスタンスというのは、尖閣事件において法治主義を歪め中国人船長を釈放した民主党政権と同列のものであり、したがって尖閣事件において民主党政権を批判するのであれば、このような竹原氏に対しても当然批判的でなければならない。


 このように、彼のスタンスというのは極左のそれとほぼ同じであり、よって彼の独裁手法は保守が嫌悪すべき左翼的発想に基づく手法であると言ってもいいだろう。 少なくとも保守思想とは相いれないものである。

 にもかかわらず、どうして一部ネウヨの間で根強い支持があるのか、私には皆目見当がつかない。

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