ひとり井戸端会議

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小保方晴子さんについて

2014年05月23日 | 倫理・道徳関係
STAPまた疑義…小保方氏側「理解できない」(読売新聞) - goo ニュース

 理化学研究所の調査委員会が研究不正があったと認定した STAP スタップ 細胞の論文問題で、理研内の一部の研究者から「調査委が調べなかった新たな疑義がある」との指摘が5月上旬、理研本部に寄せられていたことが分かった。
 理研本部は「すでに不正ははっきりしている」として、追加調査は不要としているが、外部有識者による理研改革委員会は22日、調査の徹底を求めた。

 理研関係者によると、英科学誌ネイチャーに掲載された2本のSTAP論文に対し、数件の疑義の指摘があった。小保方晴子ユニットリーダーらが所属する理研発生・再生科学総合研究センターの研究者の一部が、自主的に2本の論文を調べ直したという。
 2本の論文のうち、1本はマウスのSTAP細胞の作製を示す論文で、もう1本はその成果を土台にして、極めて高い万能性を持つことを補足した論文だった。
 調査委が4月1日、画像データに 捏造 ねつぞう 、改ざんがあったと発表したのは、土台となった論文だけだったが、新たな疑義の対象には、STAP細胞が胎盤に変化する能力があることを示した補足論文の画像データも含まれている。
 この画像はSTAP細胞がES細胞(胚性幹細胞)など従来の万能細胞よりも、受精卵に近い状態に戻ることを示す重要なデータ。理研はSTAP細胞が存在する可能性を示す根拠として、検証実験で確かめる方針を明らかにしていた。



 
 私は疑義が出てマスコミから批判され出した当初は、小保方さんを応援していました。しかし、今思うと、当初は散々リケジョの星だの持ち上げておきながら、疑義が続出した途端に原口元総務大臣ばりの高速手のひら返しで批判しだしたマスコミに対する反発でしかなかったように思えてきました。以下、自分の考えを整理するために、小保方晴子さんについて少し書いてみたいと思います。


 私の小保方さんへの応援の思いが失望の念に変わったのは、4月9日に彼女が行った記者会見を見てからでした。記者会見を見ての私の率直な印象というか感想は、科学による証明をあきらめて、同情論で世論を味方につけた上で、不正認定を行った理研との法律・弁論による論争に持っていこうとしているな、というものです。

 科学者であるならば、法律家みたいに理屈をこねくり回す(=理研の調査の方法・内容について論理を並べて反論する)のではなく、みんな言っているように、STAP細胞の再現実験に成功してみせればいいのです。もっとも、法律家のように詭弁を弄したのは、件の弁護士の入れ知恵でしょうが。

 誰も頼んでいないのに、あれだけ威勢よく記者会見で断言したんです。しかも、再現実験が見たいならどこへでも行くとまで言ったのだから、四の五の言っていないでSTAP細胞を作ればいいと思います。そうすれば、下手に法律論紛いに詭弁を弄して理研を非難するよりも、よほど効果的かつ絶対的な反証になります。私を含めた批判者を一気に黙らせることもできますし、小保方さん自身の汚名も晴れます。

 それなのに、どうして彼女は一向に再現実験をして見せようとしないのでしょう。今は体調が悪くてそれどころではない、とか、そういうことは理由になりません。体調が優れないのも、すべて私のような批判者がいるからでしょう。痴漢冤罪のように、ないものをないと立証する悪魔の証明ではないのです。「STAP細胞はある」ということを、口先だけではなく、実験して証明して見せれば問題のすべては春先の淡雪のようにすぐに消えてなくなくのです。

 むしろ、小保方さん側の言動をみていると、悪魔の証明を課しているのは小保方さん側でしょう。これはやり方として卑怯です。いとも簡単に万能細胞ができると意気揚々と論文を公表したのですし、まずもって証明責任を課せられるのは「あると言っている側」です。とはいえ、現在の状況を見ている限り、小保方さんは「限りなくクロに近いグレー」であるのは間違いないでしょう。


 また、厳しい言い方をしますと、実際にSTAP細胞があるかないか以前に、本人も杜撰と認めていますが、こういう非常に杜撰な、否、杜撰では済まされない捏造の類の論文を公表することは研究者として失格なのです。これは、同じ研究者(理系も文系も関係なく)にとって、いい迷惑です。彼女のやったことは、研究者に対する冒涜と言っても私は過言ではないと思います。

 現在の彼女の置かれている状況は、将棋で言えば完全に積んだ状態です。潔く研究者を辞めるべきです。少なくとも今回の研究からは手を引くべきです。それが「研究者」としてのケジメのつけ方です。もっとも、あの程度の研究ノートしか本当に書けないとするならば、研究者の職自体から身を引くべきともいえます。「若手だから」と擁護する向きもありますが、若手といっても30歳です。これぐらいの責任の取り方はするべきです。



 この期に及んで、まだ理研の処分の適否について批判を加える小保方さんサイドを見ていると、みっともない真似はよせと言いたくなります。理研の決定にどうやって反論するべきか。法律論ではありません。何度も言うように、衆目が納得する再現実験をして見せればいいのです。

 もしSTAP細胞が実際にあって再現実験に成功したとしても、杜撰な論文を公表した責任をとって、その上で職を辞する。当然、共著者も責任を取って最低限の身の処し方としてこの研究から手を引く。きついことを承知で書きましたが、これが小保方さんの採るべき道だと思います。

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