ひとり井戸端会議

主に政治・社会・法に関する話題を自分の視点から考察していきます。

ひぐらしのなく頃に解

2007年09月30日 | 教育問題関係
 今さらだけど、マンガ「ひぐらしのなく頃に解」(報道されるまで知らなかったが・・・)が、斧で親父を襲った事件のために、放送中止になった、という一件を取り上げてみたい。

 結論から言えば、どう考えても放送中止なんておかしいし、事件が起こった後に放送を中止したところで、一体何の意味があるのかと思ってしまう。

 そもそも、仮にこの事件の少女が、この番組に影響されて犯行に及んだとしても、他大多数の視聴者はこの番組を見て、斧で人を襲いたいという衝動に駆られるようになるわけではない。というか、この番組だけを放送中止にしたところで、何の効果も期待できないし、逆に、事件をセンセーショナルなものへと転化させ、模倣的な事件の発生を誘発するのではないかとすら思う。

 犯罪学では昔から、「注射針理論」と呼ばれる二つの理論が対立していた。そのうちのひとつは、過激・暴力的な内容の番組を視聴することによって、犯罪が増加するという理論で、今回のマスコミの主張はこちらに近しいと思われる。もう一つの理論は、過激・暴力的な内容の番組を見ることによって、視聴者は溜飲を下げているという理論(カタルシス説)だ。
 結論は、どちらも半真理である、といったところだと思う。

 自分自身に関しての話だが、画像にもある「多重人格探偵サイコ」のマンガを読んだことがあるけど、別に植木鉢に人の腕をいけようとは思わなかったし、他にも残虐な描写は多々あったけど、それによって人を殺してみたいとは思わなかった。バイオハザードもやったことがあるけど、殺人欲求に駆られることはなかった。

 こういう人たちの理屈を敷衍させれば、テレビでボランティア活動や、マザーテレサの奉仕活動などを見せれば、視聴者は慈善的になる、ということになりそうだが、そんなのどこで証明されているのだろうか。

 今やネットをはじめとした様々な手段で殺人を誘発するような情報など容易に手に入ると思う。したがって、この番組を放送中止にしても、そんなのは頭の造りの単純な人たちの自己満足以外の何ものでもないと思うのだが。
 しかもマスコミには、こういうことを主張するということは、報道機関として自殺行為だという認識はないのだろうか・・・。

 まだまだ全然言い足りないけど、これぐらいにしておこう(笑)

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