ひとり井戸端会議

主に政治・社会・法に関する話題を自分の視点から考察していきます。

一票の格差是正と同時に

2010年12月23日 | 国政事情考察
参院比例区9ブロック分割案を提示 格差解消へ西岡議長(朝日新聞) - goo ニュース

 7月の参院選で最大5倍の「一票の格差」に対する違憲判決を受け、西岡武夫参院議長は22日午前、都道府県単位の選挙区を廃止し、非拘束名簿方式の比例区を全国9ブロックに分けて全議員を選出する制度を導入して、格差を1.2倍以内に抑える抜本改革案を参院各会派に提示した。
 議員定数は、廃止する選挙区分を合わせ、現行と同じ242を維持し、北海道、東北、北関東信越、南関東、東京、中部、関西、中国・四国、九州・沖縄の9ブロックに12~44議席を配分。3年ごとに半数を改選する。最大格差は1.153倍となる。



 一票の格差是正は急務である。そのことに異論はない。しかし、このことと同時に進めなければならない対策がある。投票率の低さの改善である。


 思うに、現在の投票制度は時代に即したものではないのではないか。すなわち、現在では各人のライフスタイルは昔と比べ変化し、職業も日曜日が休みというものばかりではなくなってきた。

 それにもかかわらず、投票制度だけが昔のままというのでは、投票したくても時間的都合等により行けない人は、せっかくの機会を逃してしまうということになりかねない。

 たとえばイギリスでは、先日の保守党が勝利した選挙において、投票所が開いている時間内に投票所に行くことができずに、投票ができなかった人が続出していた。日本以外でも同じような問題を抱えているといえる。


 そこで、いっそドラスティックな改革を試みるのもアリではないか。

 たとえば、サラリーマンの中には日曜出勤のために投票に行きたくても行けない人がいるだろう。そういう人のために、駅に投票所を設けてもいいのではないか。

 駅に設置するならば、利用者数の多い駅がいいだろう。東京でいえば新宿駅や、大阪ならば梅田駅に投票所を設置して、サラリーマンをはじめとした電車通勤者たちに、気軽に立ち寄ってもらえるようにする。もちろん、終電が終わるまでは投票所は開いている。



 このようにして、普段投票に行きたくてもなかなか都合がつかずに行けない人たちの投票の機会を確保することにより、政策も変わってくると思われる。

 というのは、現在のような投票制度では、日曜日が確実に空いている人、そして時間的余裕のある人ばかりが投票の機会に恵まれて、それ以外の人は投票の機会になかなか与れない。これは一票の格差どころか、投票の格差に等しい。

 上記のような条件に当てはまる層といえば、高齢者と主婦層だろう。実際、投票に足しげく通うのはこういった層に多いという。

 となれば、政治家もしくは政党の掲げる政策も、こうした層にとって都合のいいものになってしまうだろう。したがって、マスコミが年金問題や子ども手当に焦点を当ててワイドショーでこれらを垂れ流してくれるのは、実に都合のいいことなのである。

 私が聞いたところによると、民主党はこうした有権者の投票行動を観察し、足しげく投票に行く層を調査し、この層に受けのいい政策を全面に押し出したのだという。


 そうなると、政治には日本国民の多数の意見を反映したものではなく、一部の層の意見を反映したものばかりが俎上に上がることになる。これでは、一票の格差と相まって、ますます国会は日本国民の代表者によって選挙された者の集まる場所ではなくなってしまう。



 よって、一票の格差是正と同時に、投票の機会の平等も確保しなければ、真の民主主義政治は開花しないだろう。

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