ひとり井戸端会議

主に政治・社会・法に関する話題を自分の視点から考察していきます。

政権交代。

2010年12月05日 | 国政事情考察
菅内閣支持率25%に…仙谷氏「辞任を」45%(読売新聞) - goo ニュース

 読売新聞社が3~5日に実施した全国世論調査(電話方式)で、菅内閣の支持率は25%となり、発足以来最低だった前回調査(11月5~7日実施)の35%から続落した。
 不支持率は65%(前回55%)に達した。尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件など外交の不手際や閣僚の失言に加え、経済対策と「政治とカネ」の問題では国民の不満を解消できず、支持率下落に歯止めがかからない状態だ。
 中国漁船衝突事件で、政府は、神戸海上保安部の海上保安官が流出させた映像とほぼ同じものを国会に提出して公開した。これについて「もっと早く公開すべきだった」と思う人は85%に上った。一連の対応に問題があるなどとして、参院で問責決議が可決された仙谷官房長官の進退を聞くと、「辞任すべきだ」45%と「辞任する必要はない」43%が 拮抗 した。同じく問責決議が可決された、海上保安庁を所管する馬淵国土交通相に関しては「辞任すべきだ」は29%で、「辞任する必要はない」が58%だった。
 沖縄県の米軍普天間飛行場の移設先をどうすべきだと思うかを聞いたところ、日米合意通り「名護市に移す」37%、「国外に移す」28%、「県外に移す」18%の順に多かった。ただ、県知事選で、県外移設を掲げた仲井真弘多知事が再選されたことを受け、菅内閣のもとで普天間問題が「解決に向かう」と思う人は9%に過ぎず、「そうは思わない」が85%を占めた。
 北朝鮮による韓国砲撃をめぐる政府の対応を「評価しない」は53%で、「評価する」30%を上回っている。
 閣僚の失言では、国会軽視と受け取れる発言をした柳田稔前法相の更迭を「当然だ」と思う人は76%に達した。
 菅内閣が今の経済情勢に適切に対応しているとは思わない人は83%(前回79%)を占めた。
 民主党の小沢一郎元代表の「政治とカネ」について、民主党の対応が不適切だと思う人は86%(同84%)だった。
 衆院解散・総選挙の時期を聞いたところ、「できるだけ早く行う」は40%で、菅改造内閣発足直後の調査(9月17~18日実施)の20%から急増した。「急ぐ必要はない」は53%で多数だったが、20ポイント下がった。
 仮に今、衆院選が行われた場合、比例選でどの政党に投票しようと思うかを聞くと、自民26%が民主22%を上回り、みんなの党9%などが続いた。
 政党支持率は民主23%(前回28%)、自民20%(同23%)などで、「支持政党なし」の無党派は43%(同37%)だった。



 タイトルは、渡辺善美の表現から借りた。すなわち、民主党というのは、政権交代をして、「そこで終わりになってしまってい」るのである(渡辺善美『「みんな」の力』41頁)。

 以前、麻生太郎が総理の時、「政権交代は手段であった目的ではない」と述べ、民主党の浅はかさを喝破していたが、まさに麻生の指摘通りであったと、民主党政権を見ていると心底思う。


 なるほど、確かに政権は交代(後退!?)はした。しかし、結局この政党は一体何をしたいのか、さっぱり見えてこない。挙句、あの自他共に認める「愚かな総理」であった鳩山由紀夫にまで、「何をやりたいかをもっと鮮明に出したらいい」と言われる始末である。

 民主党政権を一言で表現すると、「行き当たりばったり」である。また、同時に八方美人でもある。経済界にTPP参加を要請されて突如として参加を表明したかと思えば、与野党から批判が出て取りやめる。誰にでもいい顔したいと思ってる人間は、みんなから嫌われるのである。

 民主党という政党を擬人化するならば、全くといっていいほどクラスに貢献していないのに、やたら学級委員選挙には熱心で、学級委員選挙の対立候補の悪口ばかり一丁前な嫌な生徒である。

 以前、某週刊誌に書いてあった表現を使うが、菅直人という男は、打たれてばかりのピッチャーにヤジを飛ばし「俺に代われ!」と散々言っておきながら、いざマウンドに立つと、相手チームの批判ばかりしていてブルペンで全く投球練習を積んでこなかったから、全く役に立たないのである。



 だいたい、この政党がろくにビジョンも持たずに政権を取ることだけを目標として昨年の衆院選を戦ったのだということは、鳩山が総理就任後の最初の演説で次のように言っていた時点で明らかなのだ。


多分、いろんな試行錯誤の中で失敗することもあろうかと思います。是非、国民の皆様にも御寛容を願いたいと思っております。何せまだ、ある意味での未知との遭遇で、経験のない世界に飛び込んでまいります。政治主導、国民主権、真の意味での地域主権の世の中をつくり上げていくために、さまざまな試行実験を行ってまいらなければなりません。従いまして、国民の皆様方が辛抱強く、新しい政権をお育てを願えれば、大変幸いに思っております。


 要するに、「俺たちは素人だから失敗するかも知れないけど勘弁してね。けれども長い目で見守れよ」と言っているのである。しかも、政権交代を成し遂げた当事者が。

 確かに民主主義は「トライ・アンド・エラー」の制度だと言われる。しかし、民主党政権はそれ以前の問題であって、トライするものの具体的な戦略がないため、発展性のないエラーばかりが記録されていく(ここでの「エラー」は、先ほどの野球の例えで置き換えても、しっくりくる)。

 「長い目で見守る」ならば、それに値するような政党・政権でなければならない。少なくとも、長い目で見守っても日本は大丈夫と思えるようでなければならない。しかし民主党政権というのは、外交を見ていても内政を見ていても、非常に危なっかしく、いつ「事故」を起こすか分からない。もしかしたら、すでに起こしているかも知れないが。



 それもこれも、全ては彼らが具体的なビジョンと、それを遂行するための戦略を緻密に構成してこなかったからである。民主党は一度下野してブルペンで投球練習を積んできなさい。

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