ひとり井戸端会議

主に政治・社会・法に関する話題を自分の視点から考察していきます。

今、自民のやるべきこと

2008年12月08日 | 国政事情考察
毎日世論調査:内閣支持21%に激減 「首相に」も小沢氏(毎日新聞)

 毎日新聞は6、7の両日、電話による全国世論調査を実施した。麻生内閣の支持率は21%で10月の前回調査から15ポイント下落、不支持率は17ポイント増の58%だった。「麻生太郎首相と小沢一郎民主党代表のどちらが首相にふさわしいと思うか」という質問への回答は、麻生首相が21ポイント減の19%、小沢氏が3ポイント増の21%で両者が初めて逆転。「選挙の顔」と「党首力」を期待されて就任した首相が今後、厳しい政権運営を迫られるのは必至の情勢となった。



 麻生内閣支持率については、毎日以外の各紙においても同様に支持率の急落が報じられているが、これは致し方ない面がある。マスコミの言葉尻だけを捉えた低レベルな報道を真に受ける国民も国民だが、多くの国民はその報道の裏を確かめるようなことはしないのだから、あれだけネガティブな報道をされればこうなることぐらい政治評論家でない者にだって分かる。

 このような麻生内閣の惨憺たる現状を目の当たりにして、今自民では「麻生おろし」や反麻生で連帯する勢力があるのだという。しかし、小泉から麻生になるまで2年しか経過していないのに、また同じように「首を挿げ替える」ようなことをしたところでその場凌ぎの延命措置にすぎないし、もはや国民もそんな姑息な手段に引っかかってご祝儀的に支持をしてあげるような状態ではないだろう。

 自民がここで総裁を替えたりすれば、長い目で見れば、それは後々のカードを早い期間で切ってしまうことになり、人材の枯渇を早め、自分の首を絞めることにしかならない。内閣改造などまだ早すぎる。そもそも内閣改造ばかりしているから大臣がお飾りみたいな存在になってしまい、いつまで経っても官僚から政治の主導権を捕ることができないのだ。



 今自民がすべきことは、政権を支える与党たる自民内部で対立するのではなく、自分の党の総裁を懸命に支えることではないのか。自民内部で首相の足を引っ張るような言動をすることは、国民に統一感がないという印象を与え、かえって逆効果ではないだろうか。

 失言を窘めることぐらいは構わないし、自身の信念にしたがってときには上司に進言することも必要であろう。しかし、首相に反旗を翻し、野党みたく内閣を叩くような真似は現に慎むべきだ。たとえば、民間の会社で、社内で社の方針で対立があり、社員が社長の辞任を要求したりして会社が正常に営業していなければ、その会社は社会的な評価を下げ、株価は下落するだろう。今の自民は民間でみればこうした状態だ。だから株価に相当する支持率も下がる。



 今自民党は結党以来の危機にあると言っても過言ではない。こうしたときに党内で覇権争いよろしく対立し、目先の選挙のことばかりを考え、短期的な政策しか提言できないという状態は、歴史上数多あった国家の末期における迷走のようだ。こうした迷走をした国家は、そう遠くない将来に滅びるというのは歴史が証明している。このままいけば、間違いなく次の選挙で自民は負ける。

 いよいよ末期症状を呈してきた自民を次の選挙までに立て直すには、麻生氏の素質によるところ大だが、今こそ自民は、党内でつまらない対立をして民主を利するようなことはやめ、選挙対策見え見えのばら撒き政策やおべんちゃらもやめて、一致団結して国民に安心感を得てもらえるような政策を、中長期的ビジョンに立って具体的根拠を挙げて提言し、マスコミに揚げ足とりをされかねない言動を慎み、経済不況で苦しむ国民と「痛み」を共有することだ。



 国民の多くの本音は、積極的に民主を支持したいのではなく、あまりにも自民がだらしなさすぎるから仕方なく民主を支持し、民主にマジョリティーを占めさせることによって閉塞感のある現状を打破したいと考えているのではないだろうか。こうした国民の「空気」をしっかりと読めることも、自民を立て直すには必要だ。

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2 コメント

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Unknown (gunkanatago)
2008-12-08 15:53:48
組織内部で如何なる対立があっても、外に向けては一丸、代表として外に対している人については周りの者は徹底的に擁護していくべきですね。そういう意味では自民党に篤実な人もいると思うのですが、そういう人は目立たず、見苦しい様ばかり見せつけられるのは残念です。小生は民主党には絶対に投票しませんが、それでもこのままでは自民党はボロ負けするでしょうね。
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gunkanatagoさん (管理人)
2008-12-13 00:12:54
コメントありがとうございます。
それからまたしてもお返事が遅くなりすみませんでした。言い訳ですが、ここ最近は色々と忙しく立て込んでいたため、ブログも更新できず、大変でした。

大将を懸命に支えることこそ、今の自民がまずしなければならないことなのに、麻生氏からしてみれば、自軍から弾が飛んでくるようなものでしょうね。

民主は議員ごとに見れば骨のある愛国者もいるのですが、そうした議員を支持してしまうと結局は社会党崩れの時代錯誤までも支持してまうことになり、非常に歯がゆいですね。私は前原時代の民主はまだ好感が持てたのですが、私自身が小沢を嫌いなためでしょうか、今の民主には全く好感が持てません。
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