直江実樹 naoe-miki / Radio Perfomer 's Blog

短波ラジオ奏者直江実樹のライブスケジュール活動報告等のブログ

中川一郎インタビュー vol.2

2006-09-09 18:22:13 | Weblog
Q:(vol.1の続き)
塚原さんの写真はモノクロ、映像はカラーというシンプルなスタイルがとても鮮明でした。
映像についてですが、どこか1箇所での撮影なのでしょうか?
それともランダムなのでしょうか?
海中の重力感が効果的です、映像自体が照明になっていると思います。

及川さんは映像とのリンクでは、先人です、アプローチとしては、コントロールの面において、違いがありますが、意識というのは、ありました?それ以外のアーティストなども含めて。

江古田サバンナはまた、魅力的ですね。
楽しみです!!

中川一郎:
(塚原さんの映像作品について)

多分、複数箇所で、撮りためた映像の組み合わせだと思います。最近、スキューバダイビングはすっかりご無沙汰なのですが、モルディブ等々のダイバーとしては垂涎物の世界的スポットで撮影されたものだと思います。

塚原さんには、昨年のDMF以来、ライブに来てもらったり、ぼくのオーディオCDを聴いてもらったりして、イメージを持ったうえで、音楽素材を編集したと聞いています。

ダイビングでは、海中で中性浮力になるように、調整した分量の重りを付けて海に入ります。塚原さんが撮影されたのも、その中性浮力の状態・・まさに宇宙遊泳をしているような状態であります、で撮影していると思います。

その感覚が、江古田FLYING TEAPOTで上映した時にも、うまく現れたのだとすれば、企画した甲斐があったというものであります。

どこかで、故キューブリック監督が、映画撮っていない時には、スキューバダイビング三昧であったという話を聞いたことがあります。あの映像の感覚が生まれてきそうな体験だなと確かに思います。ダイビングは。

「2001年宇宙の旅」で、宇宙船の外で作業か何かをするところで、遊泳状態で、自分の呼吸の音だけが聞こえるというシーンがありますが、その話を聞いてから、「2001年」を見た時、「あ、これ、ダイビングの時の感覚、そのものずばり!」なんて思ったことがあります。

(映像とライブと、及川禅さんと・・)
映像が流れながら、そこでライブを・・というのは、ピンクフロイドの「パルス」のビデオで見たりとか、モンタレー・ポップフェスティバルのジェファーソン・エアプレイン(だったか、ジャニス・ジョプリンだったか・・)が細胞の映像を流しながらライブしているのをビデオで見たりとか。あるいは、81年11月に見た「裸のラリーズ」であったりとか。

また、中野富士見町に住んでいた時に、近所の「plan B」でやっていた「オリジナルサウンドトラック」(大南 匠さん(ピアノ)、黒川芳朱(映像)、佐々木柾(打楽器)の、黒川さんの映像作品を流しながら、ライブをするのを見たりとか。

あるいは、90年代半ばに、「Moon Age」というテクノのパーティで、VJとDJの映像と音の関わりを体験したりとか。

また、96年にユニットで、ライブをやった時に、VJを「Moon Age」のVJをなさっていた御手洗大祐さん http://www.huis.gr.jp/~mitarai/profile.html にお願いしたりとか。

そういう諸々が自分の中に沈殿していたというのはあったと思います。

「この場所で、たとえば、こういうやり方で、素敵な時空を示現できるんだ!」みたいなことを、ガツンと示しくださったのが、昨年の「世界先端音楽家集会」の時の及川さんでした。「ああ、このフライング・ティーポット」でこういう風にできるんだと。

その時の及川さんの時のステージでは、音にリアルタイムで映像が反応するというエフェクトを使っていらっしゃって、実にダイナミックな映像と音楽との相互作用が展開されていました。

ぼくは、ただ、塚原さんの海の映像が流れて、そして、即興があると。それがいいなあと感じておりまして。

ライブに来てくださった方、お一人お一人が、きっと融合させて、それぞれの在り方で音と映像の相互作用をその場でリアルタイムで、体験するということだというつもりでありますが。

Q:
中川さんはWEB上での楽曲配信に際して、ゼロストレート、著作権フリーということを続けていらっしゃいます。何度も説明されてきたこととは思いますが、あらためて、教えていただけないでしょうか?

中川一郎:
■Open Creation Movementとの接点

自分が自分の楽曲・音源とかの著作権上の扱いをどうするか。それを考えるきっかけとなったのは、Open Creation Movementを興し、OCPLを作った相川祐典さんが、友人であり、また、活動再開後のぼくのオーディエンスであったこと。

そこにつきると思います。身近なところで、相川さんがOCM、OCPLを始めるというので、一人の自分の音楽・歌をやる人間としてどうなんだろうってことで、参加していました。

■OCPL00000(ゼロスト)、著作権フリーの選択

2002年の3月に、OCMがOCPLをリリースしました。その基本の作りは、相川祐典さんが、鎌倉の材木座海岸の近くの宿で三日三晩で著作権法を参考にしながら、作ったというものなのです。鎌倉との間接的な接点ですね。


著作者・著作権者が、自らの作品の著作権の扱われ方について五桁の数字で表現できるようにした仕組みです。そのファーストユーザとなる僥倖に恵まれました。

OCPL00000では、複写、再送信等について、著作者・著作権者としての許諾を要することを予めすべて許諾します、連絡とかも不要です。と言うフリーな状態にしますということを表明するというものであります。

当時、まあ、数時間ほど、いろいろと考えましたが、中川が音楽をやっていることがどういうことか、それを突き詰めると、結果として録音されたものとか、楽曲とか、そういうものにつ
いてはフリーにするべきなのだというところにたどり着きました。

日本のロックの先人たちの・・

「形あるものは、形なきもののたかだか効果音にすぎない。」(早川義夫)
「私たちの望むものは、荒々しくはかない、一つの音楽。」(岡林信康)

というような言葉に思いが至ったということがあります。

音源、楽曲については、今もOCPL00000(ゼロストレート)ということにしていて、それを表明するようにしています。

自分としては、録音された楽曲・音源を聴く時間を割いてくださり、興味を持ってライブに来てくださるということが最もありがたいことです。

楽曲・音源は、どんどん、ブロードバンド・ディジタル環境で流通していってくれて、複写される、ダウンロードされる、送信されればされるだけ、ライブに来てくださりそうな方との接点が広がります。

■ブロードバンドネット環境とipod革命とpodsafe

その2002年の状況から考えますと、現在はずいぶんと状況が変わりました。ブロードバンド化、ディジタル化が進み、日本にITMSも上陸し、DRM(著作権保護)フリーの音源の無償配信がなされるサイトもずいぶんと増えてきました。

一方、ipodの普及、podcasting(ipodで聴けるようなラジオ番組のようなものの制作)が普及するにしたがって、podcastingにどんどん使ってくださいねという音源・楽曲をダウンロードできるようにするサイトも増えていまして、そのようなところにも楽曲・音源をアップロードするようにしています。

海外のpodsafe music networkというサイトは、自分の音源ファイルが、どのpodcasting番組で利用されたのかということを確認できるようになっていまして。

ウィスコンシン州の学生さんの緩いアンビエント音楽紹介の番組とか、香港でラジオドラマを作っている人がバックグラウンド音楽に使うとか、あるいは、アメリカのベンチャー企業のトップへのインタビューという番組のテーマ曲に使われるとか。思わぬBGMのような使い方が海外でされていて、面白いなあと感じたりします。

というような具合で、これからも楽曲・音源は著作権フリーで公開します。

■有料配信は、浄財をいただく手段として・・

一部有料配信もするのですが、自分の運用の仕方としては、ある楽曲を無償ダウンロードサイトに登録して、一定期間が経過してから有料配信サイトにアップロードするようにすると決めております。

篤志家の方が、中川の音楽活動を経済的に援助するための浄財を下さるための仕組みとして、有償サイトを活用させていただいています。

日本のrecommuni、mf247というサイトで有料配信もさせていただいています。ダウンロードしていただけると中川が浄財を頂戴して、音楽活動資金に充当するということになります。(^^


これからもブロードバンド化と、ディジタル音楽処理はどんどんコスト性能を上げていくかと思います。それが、少なくともそのベクトルにおいては、中川の音楽活動の追い風になると、そのようなことであるといいなと思います。



関連URL等

Open Creation Movement/OCPL
http://www.opencreation.org/index.html

OCPL00000の世界(OCPL00000推進委員会=実は中川が勝手に名乗っているものです)
http://www.doblog.com/weblog/myblog/1399/1104873

OCMとぼく・・ささやかな決意表明(2002.3.14):楽曲・音源の取り扱いについて
http://www.asahi-net.or.jp/~JQ9I-NKGW/020314OCPLandMe.htm

湯島レコード運営ブログ・よっしー♪さんのエントリー
http://blog.livedoor.jp/yr05/archives/cat_487907.html

Pod Music Street 日本語で、podsafe音源を集積しているサイト
http://music.mycupoftea.cc/

podsafe music network の中川のページ
http://music.podshow.com/music/listeners/artistdetails.php?BandHash=b4fbf4f4e133ab0947d0396729cda6ca

podsafe music network
http://music.podshow.com/index.php

中川が有償配信しているサイト

recommuniさん
http://recommuni.jp/them/index.php/ARTIST/460

mf247さん
http://www.mf247.jp/view/index.php?module=artist&refno=31451

Q:今後の中川一郎の展開をお聞かせください?

中川一郎:根っこのところの、ギター弾いて歌う、それをレコーディングしてダウンロードできるようにする、一人でも聴いてくださる方があればライブをする。これはおじいさんになっても続けていこうと思います。

そうすることで、必然的に興るべきことがきっと興っていくのだろうと思います。

歌にせよ、ギターにせよ、音響にせよ、ライブなどをする場にせよ、興ることに素直に、忠実にということで行きたいです。

自ずから興るといいますか。それが中川の必然性だと。興るということで歌も、ギターも、音響も、ライブの仕方も変化するかもしれません。

それがそう興り、必然であれば、そうなっていくと。楽器や機材で必要なものが目についたら、自分の経済力で何とかなるところで購入して使いこなして、それでまた音も歌も変わっていくかもしれません。

音楽、映像、写真、舞踏、場等々との協働等も、必然的な興ることをしていくと。

行き当たりばったりといえば、そういうことになりますね。

そのようなことを続けていけば、60歳あたりには、夏の大規模な野外フェスティバルとかでライブさせてもらえるような機会がやってくるだろう。・・・という遠大な夢をもっております。

直近の展開ということでは、岡庭さん主宰の「大日本異ろモノフェスティバル」に、9月23日に参加します。(9.23 @鶯谷What's Up 中川の出演は22:10~)

http://s.freepe.com/std.cgi?id=2323232323&pn=02

このフェスティバルは、まだ、年内、まだ何回かあるかもしれません。独特の空気があるのが楽しみになってきています。なるべく最初から最後までいるようにしています。元気をもらえるバンド、そもそもに自分が立ち返らされるようなバンド、そして、のらせてくれるバンド・・いろいろと場として素晴らしいです。


また、来年、年が明けましたら、映像・写真作家の塚原英幸さんや賛同してくれる小西さん、成冨さん、尾上さんなどと、音楽・映像のコラボレーションをします。今度は、海岸ではなく・・、「江古田サバンナ」とか思っておりますが。
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