畑とともに過ごす日々

~有機農家の暮らし~

大浦牛蒡

2010-11-01 00:30:00 | 台所しごと

うちの畑では、牛蒡は「大浦牛蒡」という品種を作っています。
太いものは直径10cm位にもなります。やわらかく、風味豊かな品種です。太くなると中にスが入りますが、それがまた煮物などでは、味がしみやすくなるのです。

しかし、立派なものもあれば、又根になるものも多し。

又根でも野菜セットに入れていますが、一番左のようにあまりにも全体的に短く、タコのようになると、うちの台所行きとなります。

又根ばかりだと調理する時にちょっと使いずらそうですよね。でも、牛蒡はよく洗えば皮も食べられます(皮の部分に香りがあって美味しい)。水にさらすと茶色くなるのがアクだと思われがちですが、実際はポリフェノールなので水にさらす必要もありません。そう考えればタコの足をぽきぽき折って、たわしで洗って即切れるので、まあそんな面倒でもないかな、と思います。

牛蒡というのは美味しいなと、つくづく感じます。牛蒡の入った味噌汁を飲むと、本当にほっとしますよね。
発酵学者の小泉武夫氏はきんぴら牛蒡を食べる時のことを、「シャキシャキコリコリとした歯応えの中から、ゴボウのやや土の匂いのような野趣の香りが鼻孔から抜けてきて・・・」と表現されていました。きんぴらを多めに作り、朝昼晩三様の楽しみをされるそうです。朝はご飯にのせて「きんぴら丼」に、昼はうどんにのせて「きんぴら皿うどん」、夜はビールのお供に。私もきんぴらをご飯に混ぜておにぎりにしたりします。

さて、先週は、毎日掘り出されるタコのような牛蒡を、毎日のように調理していました。
ちょっと恥ずかしいのですがほんの一例です。

これは竜田揚げです。にんにく醤油にしばらく漬け込んでから、片栗粉をまぶして揚げました。牛蒡は揚げると香ばしく、甘みを感じます。お酒のおつまみにもなりそうです。一緒にのっているのは、さつま芋のおかか煮、胡瓜とマスタードのサラダです。

それから、こちらの写真の奥に写っているのは、牛蒡とじゃが芋、玉ねぎで作ったポタージュです。自家製の豆乳も少し入っています。

ついでに平皿にのっているのは、やはり畑では「難あり」のため、台所行きとなった野菜。胡瓜とめかぶの酢醤油和え柚子胡椒風味、里芋のつきいもと蕪の葉のお浸し胡麻ソース添え、蕪とピッコロ人参とズッキーニのソテー。いつもこんなに盛りだくさんにしているわけではないのですが、この日は台風で午後から家にいたため、久しぶりに時間に追われず料理したものです。

春が来るまで、しばらく牛蒡とお付き合いできそうです。