南の島で幼稚園の先生になろう!

帰国しました。日本で元気に職場復帰しています。

南の島の幸せ者

2007年12月13日 | ミクロネシアの幼稚園
それは今日の僕のこと。

今日、僕にとっても南の島にとっても初めてのオープンクラス型の幼稚園のワークショップが行われました。

オープンクラス形とは、実際に子どもがいる授業をしながらワークショップをするもので、今まで小学校の算数教育で仲間の隊員と実践してきました。
この算数教育のオープンクラス型ワークショップは、仲間と一緒に1から作り上げてきたものだと、僕は大きな誇りをもっています。

そんなワークショップを行いながら隊員や事務所に「よく手伝っていますね」って言われることがありました。
僕はこの協力隊は、自分の職種で力を発揮すべきだけど、大きな意味で教育として捉え、小学校だ、幼稚園だ、高校だという小さなカテゴリーにとらわれずに、この南の島の教育を少しでもよくしていきたいって思うことをすればいいと信じてきました。

でも僕の本業はもちろん、幼稚園の先生。
だから、決して小さな枠にとらわれるという意味ではなく、自分のやるべきことをしっかりとやり遂げるという意味において、幼稚園でも自分の持っているものをこの南の島に可能な限り、残していきたい。

その思いが幼稚園の日々での活動、隊員と力を合わせた算数ワークショップの中で沸々と湧き上がってきました。

そして、住んでいる村の幼稚園での仕事と並行しながら、町の幼稚園でも働きことにしました。
単に活動先を増やすこと言うことではなく、南の島で井の中の蛙になっていないかを確かめるため。今まで村で活動してきて、僕が感じたことが正しかったのか?南の島の幼稚園の先生が必要としているものはなになのかを自分なりにずっと考えて、幼稚園の授業という形で活動を通して表してきたけれど、それが正しかったのかを見極めるため。

そして町で今までの、村の先生とは違う子どもや教育に対して熱い思いを持っている先生に出会うことができ、この人と一緒にワークショップをして、南の島のみんなの先生に自分の持っているものを少しでも多く、そして確かなものとして伝えたいと改めて思いました。

今日まで、僕のレッスンプランやプレゼンの資料も彼女は一緒に考えてくれて、こんなに長い時間仕事のことをローカルの先生と話したことがないというくらい話しました。

僕一人が考えるのでは、僕の一人歩きになるから、やるならローカル教員と共に、考えをしっかりと共有してしたかったので。

一緒に仕事をしている人が受け入れてくれないものをワークショップとして提案することは僕にはできなかったから。だって、一番身近な人に分かってもらえないことが、ほんの一日で伝わるわけがないし、ローカルの先生がいいって思う確かなものが欲しかった。

その下地があるから、ローカル教員と一緒に力をあわせられるんだと。

そして今日そのワークショップがありました。

10時スタートと言ったのに、9時ごろから先生が集まりだして、予定以外の授業まで見てもらいました。

そして、近くの大学に勤める仲間の隊員、一緒にいつも活動している小学校隊員が応援に来てくれる中、ワークショップを開始。

今回、1時間20分にも及ぶ長い時間の授業展開。

正直無理がありますが、この南の島のワークショップは度々開催するわけにはいかない事情があるので、僕が今まで子どもと一緒に授業をしてきて、これは南の島の先生に伝えたいと思うことをたくさん詰め込みたいと。

合計9つの算数に関するアクテビティーを紹介しました。

いつも南の島では、子どもがいない中でのワークショップだし、理論ばかりが先走り、実践を学ぶ機会がない。それは、今一緒に働いている先生からも切実に言われました。

子どもたちは本当にがんばってくれました。

最高のできです。

やはり、この11月から週二回この町の幼稚園に通い、子どもとかかわってきたからこそできたものだと思います。
やはり幼児教育は子どもとの信頼関係が命。それは、日本でも南の島でも同じです。

子どもなりに今日は先生のためにがんばってやるぞって子どもは子どもなりにたくさんの人が来ていることを感じ取っています。
日本でも昔、園長先生から「研究会や発表会をするときに子どもとの信頼関係が明らかになる」と言われていました。

午後からは午前中の授業を理論的に、そしてより実践的に説明することにしました。

僕は理論は理論で大切だし、でも理論だけが先走らない、そしてまた実践だけが一人歩きしない、理論と実践がしっかりと絡み合ったものにしたかったので。

だから、POWER POINTを使って、思い切り理論や南の島の問題点をはっきり指摘しながら、一方でこうすればそれは解決できる、「じゃあ実際にしてみよう」と先生にも子供みたいになってもらい、体験してもらい「これは楽しい、やってみよう」って心と体で理解して欲しかったので。

そんな思い通りにできたかは、わかりませんが、参加者からじゃあこうすればいいの?って新たなアイデアが出たり、このアクテビティーを私の村の幼稚園に来て子どもに教えて欲しいなどなどうれしい言葉をもらいました。

ワークショップが終わってからも「村の幼稚園に一度で良いから来て欲しい、仕事の時間が無理なら土日でも良いから」ってそれって幼稚園の仕事ではないような気がするけど、お世辞とは分かっていてもそこまでいろいろなところに回って欲しいって思う気持ちを伝えてくれるのは本当に嬉しい。

このワークショップ開催まで計画を始めたのが実は4月。ハワイへのワークショップをまず手始めに、ポンペイの先生を集まるつもりが、なかなか進まず、僕の住む村の幼稚園の職員が病気になって、村の幼稚園から出るのが難しく、町にいくのものびのびになっていて、やっとここまでこぎつけられました。

本当に長い道のりでした。まだ歩いている途中だけど。

ある隊員に僕が「今、町の先生と凄くいい関係で仕事をしている」と話すとそれを聞いた隊員は「それだったら、もっと早くに出会っていたら、もっと活動が広がりましたね」って言われたけど、そのとおりだけど、ここまで時間をかけたからこそ今の喜びがある、そしてこの関係が築けたと思います。そしてそう信じたい。

ある歌に「投げ出さないこと逃げ出さないこと」って歌詞があるけど、ほんとうそう、
一番大切なことは信じぬくこと。

自分が南の島にいることに意味があり、自分の志を信じていれば、いつか願いが叶うって。

人から見れば、凄く小さな願いに見えるかもしれないけど、

そしてここまで僕を支えてくれた、事務所のスタッフ、仲間の隊員、そしていつも一緒に暮らしてくれている南の島の家族に感謝の気持ちでいっぱいです。

明日もワークショップ。

同じ成果を期待してはいけないけど、何かを掴み取りたい。

だって南の島には、あと98日しかいることができないんだから。

一日一日を大切にしないと。

今日は凄く長い文章、ご拝読ありがとうございました。

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4 コメント

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Unknown (みのり)
2007-12-13 18:03:09
長かったケド,深かったデス
ぁと,98日しかナイって寂しいですね
でも,その中でできるコトぉやり尽くして㊦サイ
ブログからじゃないと生活がみれないケド、ここから私ゎ応援してます
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う、うれしい! (maz)
2007-12-14 09:42:38
読んでて涙が出ちゃった。どんだけ私を泣かせるんだっ!良かったね。協力隊って、何でもありだと思うから、やったモン勝ちだよ。それを体現してくれているHiroさんに最高の敬意を表したいです。
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Unknown (hiro)
2007-12-18 20:48:46
みのりさん
がんばります。悔いのないように。

MAZさんへ
泣いてくれました。何度も泣かせてごめんなさい。
泣かせるの好きなので・・・
ここまで来れたのは、間違いなくMAZさんがいてくれたから、支えてくれたからです。やったもん勝ちですよね。残り少ない期間でもきっとまた泣かせて見せます。こうご期待。
返信する
Unknown (hiro)
2007-12-18 20:50:39
mazさんへ
ぼくにとって、MAZさんと出会えたことが間違いなく南の島の、そして協力隊の幸せものですから。
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