海抜4700メートルに広がる無人地帯ココシリ。ここに棲息するチベットカモシカは、毛皮目当ての
密猟で数が激減、絶滅の危機に瀕していた。そのため地元では有志による山岳パトロール隊が
結成され、密猟者を取り締まる命懸けの活動を続けていた。ある日、隊員の一人が密猟者に
殺される事件が発生する。その調査のため北京からココシリへとやって来た記者ガイ(チャン・レイ)。
彼はパトロール隊のリーダー、リータイ(デュオ・ブジェ)に取材を申し込み、密猟者を追撃する
パトロール隊の旅に同行することを許される。しかしそこには、ガイの想像を遥かに超える
厳しい現実が待ち受けていた。
BS2でやっていたのを録画して鑑賞。
全く前知識なしで見たんですが、こんな話だったとは!
それに実話を基にしてたってことも知らなくて、この話が実話を基にだなんて
あまりにも過酷で壮絶でビックリ・・・。この民間パトロールの人たちの命がけの
活動に頭も下がり、心動かされました・・
心動かされたなんて生やさしいものじゃなかったですが。
実話を基にだからなんでしょうが、余分なドラマ的な部分がそぎ落とされてる感じで
大げさなドラマを作らなくても、当時の現状と彼らの活躍と行動を見せるだけで
これだけすごい力があるんだなって、映画の力を見せつけられた感じ。
密猟者は本当に非人道的で、絶滅の危機にあるチベットカモシカを大量に
それもマシンガンで(!)殺しては毛皮を取る・・・そしてそれを取り締まろうとする
民間のパトロールの人たちをも簡単に殺してしまう。なんてことだ・・・って思ったけど
完全に彼らを悪者として描いていない部分もあって、実際こうなんだろうなぁって
思えたところもこの映画の良さの一つでした。
でも、なんといっても壮絶を極めるこの任務を果たす民間パトロールの彼らの
命がけの行動が、とても普通じゃ理解できないほど。
その任務に当たるに当たって、もちろんお金をもらうでもなければ
軍資金すらない、ほぼ全部自腹。
さらにその間仕事もしてないわけだから、入ってくるお金もない。
なのにこのボランティアのような事を、このココシリを守りたいから
ということだけで続ける・・・。これは誰でもできることではなく、
ほぼ誰にもできないこと、といってもいいくらいの彼らの行動でした。
その彼らにピッタリと思える俳優さんたち。これまた素晴らしかったです。
無骨なんだけど男らしくて、根は優しく素直で・・・という彼らを余すところなく
演じていたと感じました。
特にパトロール隊の隊長リータイを演じたデュオ・ブジェという俳優さん、とても素敵でした。
そしてその隊長の取る態度と行動は、確固たる信念と現実的なところもあって
このチベットカモシカを守るため、ココシリの地を守るためには手段を選ばない・・という
毅然とした態度も良かったです。質実剛健。
どうしても軍資金がなくなってしまったとき、密猟者から摘発したカモシカの毛皮を
闇で売るという行動も、記者のガイは責めるような目でそのことを知ったときに
隊長を見てましたけど、私は理解できるなって思いました。
命を長らえるため、この地を守るためには綺麗事だけじゃ済まないでしょうから。
最初の頃は、パトロールの仲間とちょっと行動を別にするとき、別れの時などに
いちいち抱き合いながら大げさな別れをするんだなぁ、って思ってたけど
とんでもない、本当にそうせざるを得ない、そういうウェットな別れをして当然だったんだと
わかったときはショックでした。あのココシリの場所でいったん別れると言うことは
もう二度と会えないかもしれないということに直結してるんだなぁ~・・と
心の底からなにか苦いものがこみ上げてきそうでした。
海抜4700m。みんなそこに慣れているとはいえ、密猟者を追いかけて
走る・・・ということだけでも命を落としかねない。(当然密猟者も
その危険があるわけですが) そして途中隊員が言う言葉の中で、
「この一歩は、地球上の誰もまだ足を踏み入れたことのない場所かもしれない」
というのがあったんですが、確かにそうかも・・と思えました。
ココシリのあの砂漠のようなところ、山の中などなど、自分の足をついた地面を
それ以前に誰一人として足をついたことがないかもしれない・・と
素直に思えるくらいの広大な、そしてあまり人の入ってこないような場所でしたから。
この一歩、自分の足を置いたその地面に、これまでまだ誰も足を
置いたことがないかもしれない・・・なんて思ったこと、これまで一度もなかったんですが
この映画を見て、そういう場所もあるんだなぁ~・・って改めて考えました。
ココシリ・・という場所があることも今回初めて知りましたし、意味は
「美しい山と女」だって隊員の一人が言ってましたが、それも
当然初めて知りました。2000mを少し超えたくらいでも、
高山病にかかりそうになったくらいなので、高地に弱い私は
ココシリに実際に行ける日はこないと思いますが
できればこの目で見てみたい場所の一つとなりました。
あと、隊員の一人リウ(キィ・リャン)に起こった出来事には
絶句・・・。あのシーンはしばらくは目に焼き付いて離れそうにありません。
その後、この地は保護区となり、彼らの活動も終わった・・と
ラストテロップで流れ、チベットカモシカも3万頭まで数が戻った・・
ということもわかり、ちょっとは救われましたが
救われない現実をも見せてもらったし、骨太で素晴らしい映画でした。
個人的お気に入り度4.5/5
密猟で数が激減、絶滅の危機に瀕していた。そのため地元では有志による山岳パトロール隊が
結成され、密猟者を取り締まる命懸けの活動を続けていた。ある日、隊員の一人が密猟者に
殺される事件が発生する。その調査のため北京からココシリへとやって来た記者ガイ(チャン・レイ)。
彼はパトロール隊のリーダー、リータイ(デュオ・ブジェ)に取材を申し込み、密猟者を追撃する
パトロール隊の旅に同行することを許される。しかしそこには、ガイの想像を遥かに超える
厳しい現実が待ち受けていた。
BS2でやっていたのを録画して鑑賞。
全く前知識なしで見たんですが、こんな話だったとは!
それに実話を基にしてたってことも知らなくて、この話が実話を基にだなんて
あまりにも過酷で壮絶でビックリ・・・。この民間パトロールの人たちの命がけの
活動に頭も下がり、心動かされました・・
心動かされたなんて生やさしいものじゃなかったですが。
実話を基にだからなんでしょうが、余分なドラマ的な部分がそぎ落とされてる感じで
大げさなドラマを作らなくても、当時の現状と彼らの活躍と行動を見せるだけで
これだけすごい力があるんだなって、映画の力を見せつけられた感じ。
密猟者は本当に非人道的で、絶滅の危機にあるチベットカモシカを大量に
それもマシンガンで(!)殺しては毛皮を取る・・・そしてそれを取り締まろうとする
民間のパトロールの人たちをも簡単に殺してしまう。なんてことだ・・・って思ったけど
完全に彼らを悪者として描いていない部分もあって、実際こうなんだろうなぁって
思えたところもこの映画の良さの一つでした。
でも、なんといっても壮絶を極めるこの任務を果たす民間パトロールの彼らの
命がけの行動が、とても普通じゃ理解できないほど。
その任務に当たるに当たって、もちろんお金をもらうでもなければ
軍資金すらない、ほぼ全部自腹。
さらにその間仕事もしてないわけだから、入ってくるお金もない。
なのにこのボランティアのような事を、このココシリを守りたいから
ということだけで続ける・・・。これは誰でもできることではなく、
ほぼ誰にもできないこと、といってもいいくらいの彼らの行動でした。
その彼らにピッタリと思える俳優さんたち。これまた素晴らしかったです。
無骨なんだけど男らしくて、根は優しく素直で・・・という彼らを余すところなく
演じていたと感じました。
特にパトロール隊の隊長リータイを演じたデュオ・ブジェという俳優さん、とても素敵でした。
そしてその隊長の取る態度と行動は、確固たる信念と現実的なところもあって
このチベットカモシカを守るため、ココシリの地を守るためには手段を選ばない・・という
毅然とした態度も良かったです。質実剛健。
どうしても軍資金がなくなってしまったとき、密猟者から摘発したカモシカの毛皮を
闇で売るという行動も、記者のガイは責めるような目でそのことを知ったときに
隊長を見てましたけど、私は理解できるなって思いました。
命を長らえるため、この地を守るためには綺麗事だけじゃ済まないでしょうから。
最初の頃は、パトロールの仲間とちょっと行動を別にするとき、別れの時などに
いちいち抱き合いながら大げさな別れをするんだなぁ、って思ってたけど
とんでもない、本当にそうせざるを得ない、そういうウェットな別れをして当然だったんだと
わかったときはショックでした。あのココシリの場所でいったん別れると言うことは
もう二度と会えないかもしれないということに直結してるんだなぁ~・・と
心の底からなにか苦いものがこみ上げてきそうでした。
海抜4700m。みんなそこに慣れているとはいえ、密猟者を追いかけて
走る・・・ということだけでも命を落としかねない。(当然密猟者も
その危険があるわけですが) そして途中隊員が言う言葉の中で、
「この一歩は、地球上の誰もまだ足を踏み入れたことのない場所かもしれない」
というのがあったんですが、確かにそうかも・・と思えました。
ココシリのあの砂漠のようなところ、山の中などなど、自分の足をついた地面を
それ以前に誰一人として足をついたことがないかもしれない・・と
素直に思えるくらいの広大な、そしてあまり人の入ってこないような場所でしたから。
この一歩、自分の足を置いたその地面に、これまでまだ誰も足を
置いたことがないかもしれない・・・なんて思ったこと、これまで一度もなかったんですが
この映画を見て、そういう場所もあるんだなぁ~・・って改めて考えました。
ココシリ・・という場所があることも今回初めて知りましたし、意味は
「美しい山と女」だって隊員の一人が言ってましたが、それも
当然初めて知りました。2000mを少し超えたくらいでも、
高山病にかかりそうになったくらいなので、高地に弱い私は
ココシリに実際に行ける日はこないと思いますが
できればこの目で見てみたい場所の一つとなりました。
あと、隊員の一人リウ(キィ・リャン)に起こった出来事には
絶句・・・。あのシーンはしばらくは目に焼き付いて離れそうにありません。
その後、この地は保護区となり、彼らの活動も終わった・・と
ラストテロップで流れ、チベットカモシカも3万頭まで数が戻った・・
ということもわかり、ちょっとは救われましたが
救われない現実をも見せてもらったし、骨太で素晴らしい映画でした。
個人的お気に入り度4.5/5
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この間、BSのメニューに載ってました。
でも、二回見る気にはなりませんでしたよ。
私も中身は、よく知らずに見に行ったのですが
これほどまでに凄い映画だと知らず、かなり打ちのめされました。
壮絶でしたね。
生きるのが大変だとか、辛いとか、・・まあそれも本当に辛いのですが、これみると、まだまだ甘い!!そんな気にさせられました。
あの隊長が良かったですね。もそ凄い意志を感じた。
チベットとか、モンゴルとか、あの辺の映画は傑作が多いので、ぜひお勧めです。
アジアンフェアー(?)かなんかで、アジアの映画ばかりやってるときに、全作(?)録画して後で見たんですが、これを一番最後に見たんですよね。
なんか題名だけじゃよく内容がわからなかったし(^_^;)
でもです!とにかくすごくてすごくて絶句絶句と驚愕の繰り返しでした~。
ほんと打ちのめされますよね~・・この映画には。
そうそう、生きるのが大変だとか、辛いとか
彼らの行動に感銘するとか、ここ老後かされるだとか、もうそのレベルじゃなかったですよね。
言葉ではとても言い表せない、言葉を超えた凄さがありました。
隊長、良かったですよね~。
彼のあの意志の強さと思い入れの凄さがひしひしと伝わって来ました。
役者さんも素敵だったなぁ♪
チベットとかモンゴルあたりの映画は
私も大好きなので、よく見ますが、傑作が
多いですよね。先日見た「トゥヤーの結婚」だけは、期待し過ぎたのか、まぁまぁといったところでしたが、大体全部といっていいくらい好きです、あのあたりを舞台にした映画は^^
でも、見てないものもきっとたくさんあるだろうなぁ、と思われ、sakuraiさんの過去記事など
時間があるのきにまたボチボチ読ませてもらって参考にさせていただきますm(__)m
TBに感謝!
まさにそうですね。
生涯のベストテンに入る力作です。
もうビックリと驚愕と震えるくらいの内容で
これはもう絶対に絶対に忘れられない映画となりました。
仰るとおり、私も生涯のベスト10に入りそう。
これだけ余分なものをそぎ落としても
映画としてこれだけのものができるんだ、と
本当に映画の力と素晴らしさを見せつけてくれました。
見て、本当によかったです。