銀の人魚の海

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闇の子供たち~映画としては?でも・・

2008-08-23 | 2008年鑑賞新作映画
人間の限りない欲望の映画だ。

あのラストと湘南サウンド、サザンの歌詞クレジット付き
歌で、え!、なんでこの歌が?
邦画だとスポンサーの関係か、合わない歌が
ラスト堂々と入ってくると感じることがあるが、
これは、まさにそう。

苦笑した。

江口洋介だからみた。

阪本監督のは4本位みているが、とくに好きではなく
これで合わないと思ったし、未読の原作の
ヤン・ソギル72歳もDVDで「血と骨」を見、
家族ドロドロ系、
どうのこうの自伝みたいで読んでもいないが
合わない作家だとわかるので、映画ははたして・・

138分、長いが飽きはしないが、移植系悪では
「堕天使のパスポート」の方がずっといい。

子供の臓器を生きたまま移植のことは、知っていたので
内容に関しては驚かない。
以前、もっと凄いこと、つまりそういう子供を
造るために妊娠させ、産ませ移植へ、というのを読んだので
それは!とは感じた。
移植用の子供、人間生産ということだ。

何で読んだのかな・・ここではそれは出ない。
現実にあるかなと思う。
買春で妊娠、その後産ませ移植用にするなどが。

以前NHKスペシャルで、欧米の大人がアジア人から
腎臓移植の実態を見て、普通に行われているのだな、
2つある腎臓だから、生活苦のため売る、かなりの値で。
でもだんだん1つでは体がだるくなる、
移植予後が悪化しても、どうしようもないのだと、
そういう世界も見た。

医療については後にし、まず映画から。
江口は適役だが、いつも昔のTV「東京ラブストーリー」を想い出し、
あのカット、彼の手の~はそういうことだったのだ、
彼も仲間だったのだとわかるラストは唐突ともいえるし
原作とは違うらしいが、まあタイにいたいこと事態、
なんかわかるようなラストだった。
結局、彼はPTSDっぽくなった?
飲酒多も理解。タイ語はすごい!よく練習したのねと。

ラストの江口趣向の意味は見た子供は理解してなかったようで
友人も同様と。ああ、そうか~という。

一番響いた言葉は佐藤の「あなた、子供いる?」
「もう死ぬんだよ」という自宅シーンやりとりで、
これは重い病を持った子の親でないと、なかなか理解できない。
私も12年以上経験があるので、特殊な立場を理解できた。

だからどうのこうのでなく、健康は宝だ。
あのシーンでの宮崎あおいのセリフは、
もう馬鹿以前、論外で礼儀もなにもない。

山ほどあるNGO,NPOは、よい団体もあるが
半分以上はダメとも言われている。
なぜタイへ~タイ人から聞かれるセリフもある。

日本でもいいと思うが、イラクで人質になった
女性のように海外の方が日本より活動してる気になる?
日本だって、いろいろあるとは思うけど
自分探し!(^^)!には海外、ヒデ君、が定番なのか・・

小児病院のボランティアを短期間した経験から感じた。

妻夫木君は無名カメラマンで、同じくイラクでの人質に
自称カメラマンがいたな~あの人は今?と感じたり
アジアなど後進国へ何かを求めてゆく若者は多い。

映画内で西洋人カップルで幼児性愛もでたが、
そういう好み一緒カップルもいるんだな。

音楽はサザン以外は少なく、これでガンガンなったら
さらに低め評価になっていた。

監督はラスト、まとめられなくなってしまって
あのラストを思いついたのか・・?

不法生体移植、買春、幼児性愛、何が一番描きたかったのか
多少混乱している感じ。

裏ぎったタイ人の乱射はアキバ事件を連想。
彼が何を感じていたのか、わかりにくい。
タイ警察だって、悪にそまっている人も当然いるだろう。
いろいろあって、まとめられなかった。
結果、長くなり、あのラストで幕と。

前記したように読んでいないが
ヤンの原作、作風はどちらかというと
日経の「私の履歴書」みたいに大袈裟(^_^)系かなと・・

いつか立ち読みはしよう。

映画を離れて考えたこと。
人の欲望について。
氷山の一角であろう、ここでのタイの子供たちは
どこから来たのか?

まず親が売ったが一番多いだろう、次は誘拐?
警察とグルでなど、親も懸命には探さないので
いなくなってもそれですむ。

貧しいのに多数生み、育てられないから売る。
SEXを我慢すればいいのにできない。
避妊もしない、コンドームを買うお金もない。
中絶も無理、だから売る。
となると、この問題の根本は妊娠でもある。

大人のエゴだ。これはタイに限らず貧しい国、
どこでも同じだろう。
貧乏人の子沢山という言葉は日本だけではない。

お金がなければSEXしか楽しめない、できてしまう。
これでは動物と同じだ。
子供が物となる。

立場は違うが、ここに出る買春をしてる人と
身勝手さでは大きな差はないと思う。

貧困なら多くは生まない、がなく
人の性への限りない欲望、生命への傲慢さがみえる。

臓器移植について、日本はまだ子供への法律がなく
海外へ行かざる得ない。
よく募金活動も出てるが、米へ行き移植したが、
遅くて死亡もある。

とくに子供の心臓移植ケースは、血液、サイズなど
細かな一致がないと難しく、それはセリフにあった。
選別がとても難しい。

医療は進歩しすぎでいると、このところ感じている。
移植などできなければ、こういう売買もなく
死を運命として受け入れるだろう。

出産までコントロールされてきたし、
ほしい方には朗報だが、どんどんエスカレートしている。

薬剤、健診も増え、健康至上主義がまかり通っている。
元国立小児病院通院経験から、死を前にした
悲しい場面にも遭遇した。
子供への正しい移植ならあってもいいのか・・

反面、輸血拒否で死を選択する宗教集団もある。

長寿日本が怖い。昔のように60あたりで
死ではいけないのか・・

医療が進歩し、長生きになり、SEXも多様化し
バイアグラなどの薬、ホルモン剤も増え、人の欲望の
増大化が起きているなと思った。

SEXも寿命も、お金さえあれば解決できる時代がくるのか・・

癌治療1つにしても、お金がない人は先端治療はできない。
私はしないが。

ということを想起させてくれた映画ではあるので
見てよかったとは思うが、そう簡単なことではない。

同時に、2歳くらいで死んでしまうアフリカの子供たちの
顔も浮かぶ。
アフリカではエイズも子供に蔓延。
餓死で死ぬ子たちと
このタイの子とどちらが、幸せなのだろう・・

アジア、アフリカに限らず、南米の貧しい国も同様だろう。

なんだかんだあっても日本に生きていられるだけで
いいのかもしれない。

元、クラブ、冷蔵庫のように効いたエアコン館、
シネマライズで涼しい8月、25度に鑑賞。

出ると、そこにはキャキャと笑いながら
歩く若者とうるさい音楽の街に変わりはなかった。

もちろん、私自身の生活も。

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