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銀の人魚の海

日々の思いを好きに書いています。映画、海外ドラマ、音楽、本。
スヌーピー、ペコ、NICI、雑貨グッズ画像。

洞窟おじさん 加藤一馬著

2022-08-05 | 本、雑誌

新聞に載った記事を読み、本もあるというので借りた。

46年8月、群馬生まれ。15年刊。面白かった。

中学1年の夏、13歳で群馬の自宅から家出、親の虐待が原因。

43年間、新潟、福島、茨城、栃木、山梨を転々とし、野菜、魚を売り生きた。

人とのコミュニケーションはとらず、字も書けず、読めず、お金もわからない。

人の生活を知らずに一人で何とか生きた。一人だとこういう感覚になるのか、

読み感じ、切なさ、強さを感じたり、複雑な思いをえる本。口述筆記か?

かなり編集されているだろう。読みやすい。

初めは、足尾銅山の洞窟で、愛犬シロと3年くらい過ごす。

何でも食べた、蛇、マムシの血、イノシシ、昆虫、魚、コウモリ、兎など。

蛇などのさばき方は、子供の時、父のさばき方を見て覚えた。

本に獲物の図、さばく方法のイラストもある。

食べ物を探すことが日課。13歳、極貧、8人兄弟、風呂は週に1度だけで臭かった。

身体も小さい。お米はほぼ食べたこともなく麦飯。中学に入りお弁当も麦、

服靴もお下がりでボロボロ、いじめにあった。

自分だけがなぜか折檻され墓石に縛り付けられ、一晩、雪が降っても雨でも。

親は放置。このままでは死んでしまう。近くに家もなく誰も知らないので

助けを呼べない。家出しかない。食料と塩、お醤油をもった。

3年シロと洞窟で過ごす。

病気になった時はシロが助けてくれたが、シロが急死、もうここへはいたくないと

各地を転々とする。そこが新潟とは知らずに山を放浪、

土を掘り眠る。ある時、老夫婦に出会い、家に迎え入れられ白米を初めて食べた。

とても良くしてくれた。戦争で息子を亡くした夫婦。数年ぶりにお風呂に入り、

湯がドロドロになった。散髪をし、綺麗な服、靴をくれ、お金もくれたが

使い方がわからない。嬉しかった。温かい布団で初めて寝た。

いつまでもいていいと言われた。手伝いをしていたが・・

山へ戻るという。リュックにジャケットセーターなど用意してくれ、そこを去った。

人の中に長くいることはできない。山菜、キノコをとり、

人に売ることを覚え、お金がたまったが、価値がわからない。

見えたドライブインで、初めて人が買うのを見て、お菓子を買った。

「おつりですよ~」と追いかけてきた。おつりがよくわからない。

お金を出して、またお金がもらえるの?食堂でカレーを初めて食べた、からかった。

飲料を見まねで買い山に戻る。ある日甘い黄色い長い、いい香り、

鼻がいい。とてもおいしいい!バナナ。皮をむかずに初めは。

むいてたべた方がもっとおいしい。

昭和の時代背景も載っている。

加藤さんは、やっとお金お札の種類もわかるようになる。

お金でしか買えないものがあると知り、使わないように、

少なくなると食べ物は山でとって食べた。

変わらず山を何日も歩きすごし、タヌキの親子と出会い、亡きシロを想った。

ついてきた。ただとても臭い、臭くてたまらないので、走り、

おえないようにまいた。クマの襲撃をうけたこともある。

何で生きているのかわからず樹海を知り、トラックでいく。

中に死んだ男性、女性を見て怖くなった。穴を掘り埋めた。ここで死にたくはない。

やっと出られたが、あとでよく出られたと言われた。たばこはもらってすい、

後に、愛煙家に。飲酒、頭痛でおかしくなり、飲まない。

偶然、工事現場で兄と出会う。兄が一馬?と顔を覚えてくれていた。

過去を話した。兄は子供、妻もいるのでわかれた。

東京、山谷へいけばと言われ行った。

ごみ置き場、捨てたお弁当をとったら、縄張りがある、ホームレスになぐられた。

河の近くで生きる、魚をとるのが一番と思った。街はダメ。

ホームレスの学のある男性と知り合い、字を習う。これは大きかった。

自分の名が書けるようになり、やっと看板なども読めるようになった。

ひらがなをしっかり覚え、漢字も勉強した。

お金もなくなり、食べるものがない、魚も天候の影響でつれず、

自販機の下の小銭を盗もうとして、2003年逮捕。

これがきかっけで、普通の社会に戻る事になった。

他にも多数のエピソードが書かれている。性、初体験は、知らない水商売女性

家の中に入れられ、強引に女性から迫られた。いい気持ちはしなかった。

ソープランドにも誘われたが楽しくない。逃げた。

文明文化と離れて暮らすと、狼少年?のようにしか生きられない。

学習しないと町では生きられない。エレベーター、エスカレーター、

スーパーでの買い物の仕方、携帯など。

いろいろありすぎて混乱、すぐに自然に戻りたくなる。

土のアナの中でいい。寒くても落ち着くなど、普通の暮らしでは

感覚がつかめない事がたくさんあった。人懐こさはある加藤さん。

逮捕後、縁あり群馬の介護施設長にここでくらしたらといわれ、

今はそこで作業をしつつ生活をしている。自分で小さい小屋も立てた。

広いと落ち着かない。電話の扱いも習う、パソコンのキーボードは

四角いチョコレート?と思ったと。

良い職員に恵まれ慣れ、手作業をしたり、ブルーベリーを育てている。

職員の年下女性には何でも話せる、母のような存在となった。

心筋梗塞で倒れ手術、他の病もあり、今は無理はできないが、生活は安定した。

良かった。7月半ば、新聞に掲載、この夏もお元気でいるかな・・

 



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