集英社。22年刊。74年生まれ。朝日新聞記者。
22年、盛岡在住。東日本大震災の本を何冊も書き、賞を受賞。
これまでに読んだノンフィクションでは、一番と言ってもいいほど
驚愕した。全く知らなかったアフリカ、コンゴ共和国。
始まりは半世紀前のできごと。
丹念な取材で書き進められていた。
色々書きたいが・どう書いていいか・・
不可解なメッセージが、三浦のTwitterに投稿は2016年3月
「朝日新聞では1970年代コンゴでの日本鉱業の鉱山開発に伴い
千人以上の日本人男性が赴任し、そこで生まれた日本人の子供を
日本人医師と看護婦が毒殺したことを
報道したことはありますか?」
その時、三浦は特派員として、南ア、ヨハネスブルクに駐在していた。
投稿にあるリンクをクリックすると、
フランスの国際ニュースチャンネル、
フランス24の英語サイトが立ち上がった。
タイトルは「カタンガの忘れられた人々」
2010年3月のもの。すでに6年経過していた。
三浦は考えこんだ。
後にBBCも同じようなメッセージを発信していたと知る。
BBCからは8年後、18年、事実とは違うという釈明メールがき、
その後メッセージは削除された。
日本鉱業とは鉱物資源企業、日立、日産を生み出した元企業だ。
1966年社長が巨大プロジェクトを立ち上げ、日本の鉱山で
解雇された男性たちをコンゴへ数年契約で派遣した。
三浦が取材した元幹部は70年頃から砂漠に町ができたという。
コンゴ人、幹部の家族、コック、医師などを入れ、4千人以上の町。
学校、幹部の宿舎などもあった。
娯楽はない。若い男性たちとコンゴの18歳以下、
少女たちの間に子供は生まれていて、公然の秘密だった。
本には途上国アフリカが民族闘争が絶えず
この日本人の話し以外に、驚きのことが書かれている。
歴史もかなりある。ちょうど「アレクサンドリア四重奏」を
よんでいて、舞台のエジプトも少し書かれていた。
コンゴでエイズにかかった男性は、
幼児とSEXすれば、完治すると信じている!異常な信仰。
鉱山近くの病院200人の性加害被害者のうち、25人は
10歳未満!
4、5歳の女児とのSEXもある、これは現実かという箇所が
幾つかあった。
児童への拷問、虐待では、お尻から何か長いものを突き刺す。
それを喉まで通し、串刺しにして殺害する。
人とは思えない、惨忍すぎることが行われていた。
三浦は何年にもわたる長い取材をした。コンゴで生まれた
日本人との混血児の写真も8人くらい載っていた。
鉱山に来た男性、千人位は、日本に妻子がいるが、
15歳前後の女児と関係を持ち、100人以上
出産させていた。その子供たちは・・
今もスーダンで武力闘争。2年経過している。
アフリカのできごとは、遠い世界のことで、
一瞬ニュースになっても消えてしまう。
半世紀位前に、鉱山で女児にしたことは・・日本人医師は・・
本書の宣伝は見たことがなく、イメージが壊れるので、
載せないのだろう。私はXで知ったような気がする。
カタンガに長く在住の日本人男性。田邊氏。
日本カタンガ協会の代表。71歳、
パリ大学でアラブを勉強、商社勤務後、その後アフリカに
行きたくなり09年からコンゴ在住。
日本人では、かなりコンゴを知り尽くしている田邊が
取材の方法を考え、三浦は彼と多数の地をあるいた。
もう一人、コンゴに長くいる教会のシスター、
フランシスコ修道会宣教師、佐野氏の協力も大きかった。
興味がある方は読んでほしい。事実はどうだったか・・
痛ましく残酷な部分もあるが、アフリカ再認識だった。
古い本ではない。Amazonで本は買える。
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