銀の人魚の海

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ハート・ロッカー~レイフ君は目でわかった!

2010-03-15 | 2010年鑑賞新作映画
初めは見ないつもりだったが、オスカーとったし
「アバター」も見たので1時間前に行くと、もう61番。
こんでいて30分前で売り切れの日曜日。

もっと拡大すればいいのに。立ち見も10人以上いた。

冒頭に出たのは「戦争は麻薬である」だったか・・もちろんそうだ。

「戦争は生か死への休暇のない強制労働だ」と思う。

見てよかった。というのも評にドキュメンタリーに近いとあったが
意外とドラマの映画だったこと、個の戦争映画であることなどが理由だ。

戦争物は好きではない。それは集団、組織が表に出ている事、
戦いを見ていても楽しくないから。

だからといって、これが作品賞は、どうか?

アカデミーもその時々で、政治などもからんでいるから、米軍も頑張っているし
イラク人もこういう目にあい、両面から撮っていると思うから
そいう事での受賞+初の女性監督にか・・

03年開始、来年、撤退するとオバマは言ったので8年間続いている。
米軍お疲れ様で賞もあるのか。

まずレイフがどこでが気になり、目をこらしていたが、すぐ分かった。
あの青い瞳で。

ターバンまいて眼だけが見えた時点で、あ、レイフ、その後声で判明。

2分位と思ったら多分数分以上は出ていて殺される、砂漠の偵察隊みたいな
イラク人の格好をした役で「イングリッシュ・ペイシェント」を想う。

監督とは「ストレンジデイズ」で一緒なので友情出演?
意外と銃のかまえなどうまくて、かっこよかったな。
戦争映画でレイフ、やった!

G・ピアースは初めに。D・モースは多分あそこでだが、はっきりは確認できず。

3人の爆弾処理隊は、ほぼ無名。

脚本はイラクでジャーナリストの方だそうで、04年当時のほぼ真実が出ていると思う。

個の戦争映画と見たのは。

ジェイムズを筆頭とする3人の個性、性格がよく出ていること。
ジャイムスは、家族がいて離婚したが・・子供の事を想って電話をしたり
強いが秘めた内には、一人で弱さも見せる。
ラストは「LOST」のE・リリーが妻役、
家庭での普通(むなしさいっぱいの心、戦争トラウマか)のパパの姿も映る。

黒人の彼は、白人への反発もあり初めは喧嘩をし、時に彼を殺そうとするが
根は優しい。彼は「息子がほしい」とラスト、車でジェイムスに本音を語る。

撃たれた白人技術兵の彼は、気が弱くパニックになったりするが
ジェイムスが上手く治し、だんだん度胸がついていく。
撃たれてしまいヘリで運ばれる時「もう砂漠にはきたくない」という。

3人のそれぞれの願いがある。

イラク人たちの描き方も面白い。
ヒットマンもいれば、普通の庶民もいるという街が混在しているイラク。
04年でこれなら今は、もっと崩壊しているだろう。

廃墟のような街で、どう米軍と向き合うか・・

ベッカムと名のる少年にジェイムスは息子の影をみたのか、気に入り
人間爆弾の少年(あれは初めてみた)を彼と勘違いするあたりは
ちょっとミステリアス感もあり、この監督らしいドラマとなっている。

少年は普通に生きていたのに。

よいイラク人、頑張る米軍。

米軍のイェール大を出たというキャリア軍医が、
「現場をしらないのに」と部下に言われ、初めて現場へ出るが、そこで~
このシーンは、エリートでも死んでる(ほんと?)という映像にしたかったのか?

現実には、ほとんど戦場には出てないでしょう。
ここでは医師だからいるのだろう。

監督は、国、階級が違う人々をうまく取り入れていて、そのあたりは
なかなかしたたかだと感じる。

狭い味方でなく、大きくとらえている。

子供が3人出る。ベッカムと名乗るイラクの元気な子。
爆弾にされた死んだ子。
ジェイムスの小さな息子。
女性監督ならではかもしれない。

ロケ地はどこと調べたらヨルダンだった。

監督は若く綺麗で、アクション系からだから男っぽさも多いのだろう。
日本なら顔は別として和田あきこみたい(^_^)

ラストかかる音楽も、ハードロック系でがんがんで終わる。
監督の他の映画の音楽もそれっぽいのが多かった。

人間って改めてばかだなあと思う。
戦争をすることは、どういうことか何も考えていない。
歴史は繰り返している。
見た後、むなしくなる映画でもある。

ジェイムスは、またイラクへ行かされ1年とどまる。
そのくり返しで、何回も行かされ、行きたがる人もいるので
「麻薬である」、心が麻痺してしまうのだろう。

人間爆弾(死んだ少年の体に爆弾を埋め込む)はベトナムの頃から
似たのはあったと夫は言う。

人間ではなく物などにつけておき、触ると爆破する物で
ブービートラップ、と言われていたそう。

家族とイラク戦争の話しをした。

戦争派遣兵士のことはTVで見たが、ハリバートン社という会社が
それをバンバンやっていた。
チェイニー副大統領とつながりがあり?問題になった。

そこの社から、殺し屋プロ系兵士を多数イラクへ送りこみ
もと、外人部隊、犯罪者などで殺す事はお得意様!
お給料もいいが、社はかなりピンハネして稼いでいたそうだ。

NHKで放映してた気がする。

今はバグダットの街は壊滅し、もう兵士は郊外にしかいないそうで
11年に本当なら、やっとこの戦争は終わることになる。

レイフが死んだ砂漠でジェイムスたちが囲まれ、逃げられないでじっと
銃を構え、様子を見つつまつシーン。
暑さと乾燥と強い陽ざしの気候との戦いでもあるのはベトナムと同じだと思った。

夕方、日が沈み暗くなると、やっともう終わりだ、という、ことばが残った。

文化と気候の違いが大きな戦いでもあるイラク戦。
来年終わりを告げるのか?