モアイのためいき

日々のこと・ハンドメイド・若い頃の旅など

わたらせ渓谷鉄道

2015-06-07 15:17:06 | 旅行

先日、わたらせ渓谷鉄道に乗ってきました。

テレビ番組でも風光明媚な車窓のローカル鉄道としておなじみの路線です。

実は、以前から乗ってみたい路線でした。

というのも、鉄道ファンなら誰でもご存じの宮脇俊三さんの名著、

「時刻表2万キロ」の中で、宮脇さんが最後まで乗り残して、

そして、乗り終えた区間だったからであります。

中学生の時にこの本を読んで以来、

「乗り鉄」とまではいかないにしても、車窓を見たり、ガタゴト揺られるのも楽しんだり、

学生時代は、似たような友達がいたお蔭で青春18きっぷや周遊券であちこち鉄道に乗ったものでした。

近年はさっぱりご無沙汰でしたが、

たまたま職場の仲間から「平日ならすいてますよ~」と聞いて、

気候のよいこの季節、乗りに行く事を決めたのでした。

同じ関東地方とはいえ、わたらせ渓谷鉄道は本数が少ない。

念のため、家を6:00a.m.頃出て、横浜から湘南上野東京ライン(だっけ?)で小山へ。

両毛線に乗り換えて、桐生へ。

そこからいよいよ「わたらせ渓谷鉄道」に乗ります。

今どきの人は、鉄道に乗るときにはネットで時刻検索するのでしょうけれど、

自分は、やっぱり紙の時刻表のほうが見やすいので、JRのコンビニで買うつもりでいたのですが、

たまたまなのか、ポケット時刻表は売っていなかったようでした。

(大きいのはさすがに恥ずかしいし重いので買いません。)

桐生駅11:07発、大間々行の列車に乗りました。乗客5名。

観光目当ての人はこのあとの11:28発に乗る人が多いのでしょうけれど、

桐生駅で自分は時間を持て余してしまい、とりあえず大間々に行ってみることにしたわけです。

時間に余裕があれば、途中下車しようかと思いましたが、

どうやら、散策するほどの余裕はなさそうなので、終点の間藤まで行って、折り返すことになりそうでした。

久しぶりのディーゼルの感じ

とはいえ、大間々まではローカル線の風情はあまり感じられません。

序章という感じで、大間々11:20到着。

できれば駅弁などを調達したいところですが、見たところなさそうな・・・。

今どきの人なら事前に情報収集するのでしょうけれど、自分はあまりそういうことをしないので。

幸いなことに、駅近くにコンビニがあり、おにぎりを買っておきました。

一応、群馬県にちなんだ味のものを・・・(正確な銘柄は忘れました)。

そして、大間々駅では、わたらせ渓谷鉄道のグッズが販売されていました

少しでも鉄道維持のお役にたてれば・・・という殊勝な気持ちというわけではないけれど、いくつか買ってみました。

ハンカチとか(冒頭の写真)。よくわからないけれど、インスタントカレーも買ってみました

結果的に、大間々駅まで来たのは自分的にはこうしたお買い物ができて良かったです。

ちなみに、大間々の周辺は散策してもいいところがあるらしい。

たまたま我が家でその時使っていた頂き物の「にほんいち醤油」の醸造元もあってちょっとびっくり。

さて、大間々から、終点間藤に向かう列車に乗り込みました。11:44。1輌編成。

心配していた座席の確保も、ロングシートは空いていたので座れました。

さすがにボックスの方は年配のご夫婦や、女性の数人のグループなどでいっぱいでした。

土日ならトロッコ列車が運行していますが、平日は車内も落ち着いた雰囲気。

さすがに、中年女性ひとり(自分のことです)というのはいませんでしたが。

座席に斜めに腰かけて、ずっと車窓を見ていても飽きることはなく、

おにぎりをほおばっても恥ずかしさを感じることなく、

渡良瀬川と新緑の美しさを眺めていました。

渡良瀬川と言えば、我々の世代には公害(足尾銅山)のことで授業で習ったものですが。

途中駅「神戸(ごうど)」で、かなりの乗客が降りました。

ここには「レストラン清流」が駅にあって興味がありましたが、時間の都合で断念。

周辺にも見所がありますが、本日の目的はあくまでも終点まで乗ること。

乗って帰ってこなくては、夜が遅くなって、翌日の仕事が辛いのであります

神戸を過ぎると長いトンネル区間があって、さらに渡良瀬川に沿って進み、

終点、間藤(まとう)には13:05に着きました。

ここで降りた乗客は多分4人くらい。どうやら、みんな折り返す雰囲気でした。

間藤・・・何もありません ・・・というか、工場っぽいのはあるけれど、よくわかりません。

駅舎は多分古くなくて、地元のカルチャーセンター的に使われていたりするのかな?

トイレは別棟なのかな~と思っていたところへ・・・ドヤドヤドヤ・・・

観光バスから30人くらいの年配女性集団が

そして、添乗員さんみたいな女性がなかば切羽詰って「トイレはどこですか」と尋ねてきました。

「多分、あの建物・・・ かな?」と答えてから、

しまった・・・まだ自分もトイレを済ませていないと思って、集団が行く前にささーっとトイレに駆け込みました。セーフ

よく考えると、自分も観光客で、トイレの場所を聞かれても困るわけだが。

トイレから出て、駅舎の中を見てみると、

「宮脇俊三さんの時刻表2万キロ終着駅」の展示物があり、書き込みのノートも置かれていました。

それらを読んでいたところで、ふと気づいた・・・あの観光バスの集団、鉄道に乗るのではないかと。

果たしてそのとおりで、

1輌ほとんどが観光バスの集団に座られていた~

所在無く、列車の外で発車まで時間をつぶしていると、

ヘルメットをかぶったオジサンが…「神戸まで行くのかい?」と聞いてきて、

「いえ、桐生から乗ってきて、折り返して戻るのです」と答えると、ちょっと笑われました。

おばさん一人で、珍しいと思われたのかな?

オジサンの話 「目の前のあの山、今は木が生えているけれど、前は全く生えてなくて、

ヘリコプターで、種を混ぜた土に接着剤を混ぜたものを打ち付けて、そしたら木が生えてきた」。

その話、なんだか感動してしまった

家に帰ってから「時刻表2万キロ」を見てみると、確かに、「禿山」との記述がありました。

オジサンとは、廃線(間藤から先の貨物線)の話もして、有意義な時間を過ごせました。オジサンありがとう

13:28に間藤駅を出発。

折り返しで同じ列車に乗っていたご夫婦は、観光バス集団に混じって、ロングシートに座れたようでした。

自分は、多分この集団は「神戸」で降りるから、30分くらいは立って車窓を見ていようと、

最後尾からレールと景色を見ていました。これは結構楽しいです。

バラスト(レールの敷石)が少ないな~、錆色だな~とか。

おそらく、もうここに来ることはないのかなぁという感慨深い思いも芽ばえます。

さて、神戸に着いて、思った通り集団は降りていきました。ここから観光バスに戻るのでしょうね。

車内はすっかり静かになり、自分もボックス席に移って、ここからはのんびり過ごしました。

運転席には多分見習いか研修中かの運転士さんがいて、ベテランにチェックされていました。

車内販売(わたらせ渓谷鉄道グッズ)のお姉さんもやってきて、つい、また買ってしまった

こうして、14:53桐生に戻ってきました。わたらせ渓谷鉄道の旅は終了です。

帰りは両毛線で高崎に出て、湘南新宿ラインで帰りました。

この日、列車に乗っていたのは、約10時間か。運賃は7500円くらい。

青春18きっぷが使える時期ならもっと安く済んだと思うけれど・・・気候の良い時期に行ってよかったと思います。

自分の携帯電話にはカメラがついていないのでここでは風景などの写真をアップできませんが、

写ルンですで撮影したので、現像したらアップできるかな(どこまでアナログ人間なのかと自分でも笑えますが)。

宮脇俊三さんは当時の足尾線のことを「月並みな」とか、「公害の・・・」と記述されていますが、

観光の名所路線になるとは当時は思いもよらなかったことでしょう。

終点、間藤の終着駅感もまた、自分にとっては乙なものでした。 おしまい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする