日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

 主の慈しみと真実

2009-02-23 | Weblog
  詩89編

  これはダビデ王朝を継承したひとりの王エホヤキン(列王記下24章8~17節)がその敗北の中から真の天の王座を仰いでいる信仰だと言われる。

  2~3節 神の約束(序論) 
 「主の恵みをわたしたちは永遠に歌おう。あなた真実(エムナー)をわたしの口で代々に知らせよう」(2節)。「まことに『慈しみ(ヘセド)は永遠に建てられ、あなたの真実(エムナー)は天に堅く立つ』とわたしは言います」(3節直訳)。この真実と慈しみが本詩の主題である。

  4~19節 『創造主への讃美』(第1部 捕囚前)
 「わたしが選んだ者(ダビデ)と契約を結ぶ」(4節) これはサムエル記下7章8~16節を参照したい。「…あなたの王座を代々に据えた」(5節)。「王座」は15、30、37、45節に繰返し出てくる。「主よ、天はあなたの奇跡を感謝し、聖徒たちもまたあなたの真実(エムナー)を、会衆の中で感謝します」(6節直訳)。「告白する」は「ほめたたえる、感謝する」とも訳せ、口語訳、新改訳などは「ほめたたえる」としている。「聖徒たち」は7~8節にもでている。「万軍の神、主」(9節)は10~15節で絶対的支配を示される。「あなたは誇り高い海(混沌)を支配し…、ラハブ(原初の海に生息する怪獣)を刺し殺される。…天も地もあなたのもの…南と北を創造し~力強い業を成し遂げ…義(ツェデク)と裁き(ミシュパット)は御座の基、“慈しみと真実”はあなたを出迎える」(10~15節)。

  20~38節 『ダビデの契約』(第2部 王国興隆)
 「いつくしみに生きる人々へ神の託宣」(20節)として、21節から38節がその示された言葉である。それは「ダビデの王座」(30節)である。もし彼らが「掟を破り、戒めを守らなかった」(31~33節)としても、それでもなお“慈しみと真実”を変えず、契約を破棄されることはない(34~38節)。

  39~46節 『捕囚の嘆き』(第3部 王国滅亡)
 「しかしあなた(主なる神)は、油注がれた者(ダビデ王朝=エホヤキン)に対して激怒し突き放し、見捨てられ、契約を破棄し、王冠を地に投げて汚された」(39~40節)。周辺の国々の民はそこで略奪し、敵意を喪失させ、喜び祝うことを許された(41~46節)。

  47~52節 『王と民を執成す祈り』
 「主よ、何故あなたはいつまでも隠れ、憤りの火を永遠に燃え続けられるのですか」(47節)。苦難の中の呻きである。「命ある人間」(50節)とは働き盛りの男を指す。
  結語は神の“慈しみと真実”を信じ、只管にこれを求め祈るのである(50節)。