日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

御名が崇められ 

2009-02-13 | Weblog
  詩79編
 本詩は、荒廃したエルサレムの回復と、敵への報復の祈りである。

 1~4節 エルサレムの荒廃
「神よ、神殿は異国の民に襲撃されて汚され、エルサレムは瓦礫の山です」(1節)バビロン軍によって徹底的に蹂躙された状況が痛々しく述べられる。「遺体が放置され、はげ鷹に食われる有様です」(2節)。「葬られないで血が流れ…わたしたちは近隣の民に辱められています」(3~4節)。エドム、モアブ、アンモン人らの隣国を指す。
 「あなたの激情は火と燃え続けるのでしょうか」(5節)。口語訳「あなたのねたみは火のように燃えるのですか。」この悲惨な状況から、神の怒りと審判とがいつまで続くのかと問う。

 6~11節 助けを求める祈り
 「御怒りを注いでください…あなたを知らない異国の民の上に」(6節)。神の激しい怒りは、イスラエルの民より異教の民こそ受けるべきではないか。エレミヤ10章25節に同じ句がある。そこでは「諸民族の上に」である。然し詩人は報復の前に自民族のことを考えねばならなかった。
 「わたしたちの昔の悪に御心を留めず、御憐れみを与えてください。…御名の栄光を輝かせ…わたしたちの罪をお赦しください」(8~9節)。因果応報で神の審判を考えることなく、神の憐れみによる赦しを祈る。岩波訳「われらを救い出し、われらの罪を覆ってください、あなたの名のゆえに」。
 そして「異国の民らに『神はどこにいる』と言わせないで、“血の報復”を見せてください」(10節)と、御名を尊ばれる神に祈る。“血の報復” 創世記9章5~6節see。「捕らわれた人の嘆きが御前に届きますように…死に定められた人々を生き長らえさせてください」(11節)。「生き長らえさせて」は直訳「残してください」アラム語は「自由にする」ハッテールと読む。

 12節 敵への報復の祈り
「七倍にして返してください」(12節)岩波訳「~胸に七倍にして返してください」は武装して手で胸たたき自慢して見せること。
 13節 感謝と讃美の祈り
「あなたに養われる羊の群れが、感謝をささげ、代々あなたの栄誉を語り伝えます」(13節)。最終の祈りは復讐ではなく、神をたたえること。ここに至るには、御名の栄光と御憐れみを求める祈りが無ければならない(8~9節)。