日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

日々の重荷を担われる神

2009-02-02 | Weblog
  詩68編
  語りかけ、祈り、歴史を述べ、終末的な希望をしめす壮大な讃美の歌である。勝利の行進は過去から現在、未来へと続く神の国の拡張、進展である。
1~5節 行進の初めの祈り
  「神よ立ち上がって、その敵を散らし、…逃げ去らせてください」(2節口語訳)、「彼らを追いやり…滅ぼしてください」(3節)。「しかし神に従う人(義人)は御前に喜び、喜び楽しませてください」(4節)。「雲に乗られるお方の名をほめ歌え」(5節・主語が代わる)。
  神の箱の行進に際し、神の顕現を賛美し祈る情景が伺える(民数記10章35節)。敵の破滅と神の民の勝利を求める祈りである。
  6~14節 恵み深い神が歴史の中で表された行為
  6~7節「みなしごとやもめの父とならえた神は、身を寄せる家を与えられた」。8~11節「神よ、荒れ果てた地を行進されたときに、あなたは先立って進み(口語訳)、豊かな雨を賜り、嗣業の地を回復し、そこに住まいを備えられた」。12~14節「大勢の女たちが良い知らせを告げ「王たちは軍勢と共に逃げた、逃げた」と言い、家にいる女たちは戦利品を分ける」(13節)。14節は意味不明。ここは主語が代わる。戦利品を分けるのは、士師記5章「デボラの歌」に出てくる(30節)。
15~19節 シオンにいます神
  「ツァルモン山」でも「バシャンの山」でもなく、「ご自分の座と定められた山」が神と民とが契約を結ばれた「シナイ山」である。そこで民を支配し、背く者を退けられる。
  20~24節 その民の救い主である神
  「ほめたたえよ、わが主は日々わたしを担って下さる救いの神」(20節)、「死から解き放つ神」(21節)。「この方は敵の髪に覆われた脳天を打ち砕かれる」(22節)。23~24節は主語が代わる。
  25~28節 神のおごそかな行進
  「神よ、あなたの行進が見える」(25節)。5節の行進に続いているようだ。ベニヤミンは南王国を代表し、ゼブルンとナフタリは北王国を代表する。
  29~36節 神の普遍的な支配を願う
  「王たちは献げ物を携えてエルサレム神殿に来る」(30節)。敵国エジプトとクシュ(エチオピヤ)も献げ物で携えてきて服従の意思を表わす(32節)。33節から主語が代わり「主をほめたたえよ」という。それはシオンにいます神は諸外国をも支配される「力の神」(34節)だからである。
  本詩に示される神は、
 ①シナイの聖所にいます「力の神」であるが(18、34節)、
 ②寡婦と孤児の保護者(6節)、 
 ③荒れ野の旅路を導かれる神( 8~11節)、 
 ④そして日々の重荷を担われる救いの神(20節)である。