日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

若い時から白髪になっても    

2009-02-05 | Weblog
  詩71編 
  本詩には、他の詩編に共通した部分が多く、それらを纏めて構成されているようだ。若い時から白髪になるまで神への信頼は変わらないことを証し、苦難の中で救いを求める詩。個人とイスラエルの苦難(捕囚)とが重ね合わされている。

  1~3節=31編1~3節と同じ 神への信頼を歌う
「恥に落とすことなく」(2節)、「恵みの御業によって助け…お救い下さい。…あなたは常に身を避けるための住まいとなり~」(3節)。口語訳は「あなたの義をもってわたしを助け、…わたしを救う堅固な城となってください」

  4~8節 若い時からの救いの告白
「神に逆らう者、悪事と不法を働く者から逃れさせてください」(4節)。「わたしは若い時から」(5節)、「いや、母の胎内の時からあなたにすがって来ました」(6節)。「わたしは讃美を口に絶やすことは無かったのです」(8節)、「しかし多くの人は何故苦しみに遭うのか驚いています」(7節)。この箇所を口語訳「わたしは多くの人に怪しまれるような者となりました」としています。10~11節を反映していると理解される(イザヤ52章15節see)。

  9~13節 老いてもなお、苦しみは絶えないと訴える 
「老いの日にも見放さず、力尽きても捨て去らないで下さい」(9節)。18節にも繰り返される。これは「若い時から~」(5節)に続く言葉。「敵はわたしの命を伺い…『神に見捨てられた』と言って追い詰め捕らえようとしているのです」(10~11節)。
14~17節「繰り返し、あなたを賛美します」(14節)。岩波訳「あなたの讃美のすべてに讃美を重ねます」。「若い時から…今に至るまで変わりません」(17節)。
この「力強い御業を来るべき世代にも語り伝えさせてください」(18節)。
  
  19~24節 救いの御業をたたえ、讃美する。
口語訳「神よ、あなたの大能と義(恵みの御業=新共同訳)とは高い天にまで及ぶ。あなたは大いなる事をなされました。神よ、だれかあなたに等しい者があるでしょうか」(19節)。「ひるがえって、わたしを力づけ、すぐれて大いなるものと~」(21節)、これは直訳「あなたは振り向いて慰め、わたしの大きさを増してくださいます」。大きさを増すとは、安心、安全という意味になる。
口語訳「わたしの舌もまたひねもすあなたの義(恵みの御業=新共同訳)を語るでしょう。わたしをそこなわんとした者が、恥じあわてたからです」(24節)。

  苦難の中から主を讃美することは、決して容易なことではない。