日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

私の心に湧き立つ美しい言葉

2020-06-20 | Weblog
詩45篇 

 2節「私の心に湧き立つ美しい言葉 私の詩を王のために歌おう。私の舌は巧みに物書く人の筆」聖書協会共同訳

 1~2節「指揮者によって「百合」に合わせて、コラの子の詩。マスキール。愛の歌。私の心に湧き立つ美しい言葉 私の詩を王のために歌おう。私の舌は巧みに物書く人の筆」10節まで王に対する語りかけである。「愛の歌」とは宮廷の詩人が王の結婚に対して捧げた歌である。「イエデイドット」はヘセドではない。これを比喩的に解釈して王をメシア、花嫁をイスラエルと見なした。同じ比喩的解釈は雅歌にも見られる。「心に湧き出る美しい言葉」とは動きが止まらないことで、自分の舌が書記の筆のように流暢に動くのである。
 3節「あなたは人の子の誰よりも美しく その唇は優雅に語り出す。それ故神はあなたをとこしえに祝福された」。第一に王が人として優雅で魅力的である。第二に勇士としての能力を賞賛する(4~6節)。腰の剣は栄えと輝き、矢は鋭く敵陣で諸国の民を倒す。「栄えと輝き」、口語訳は「威光と尊厳」である。第三は王の安定した支配の保証を示す(7~8節)。王を神と呼ぶところからメシア予言としてヘブライ人の手紙1章7~8節に引用されている。「あなたの王権の笏は公平の笏」(7節)は口語訳「王の杖は公平の杖」。王は笏を右手に持って審判を下すのである(エステル記4章11節see)。
 8節「あなたは義を愛し、悪を憎む。それゆえ、神、あなたの神はあなたに喜びの油を注がれた あなたの仲間から選び出して」。新共同訳は「神に従うことを愛し、逆らうことを憎む」となっている。ヘブライ語対訳では「愛する(アハヴタ)義を(ツエデク)」「そして憎む(ヴアテイスナー)悪を(レシャア)」。王なる神の本質を表している。
 9節「あなたの衣はどれもみな、没薬、沈香、シナモンの香りを放つ。象牙の宮殿から響く弦の調べはあなたを喜ばせる。没薬は「ミラル」でアラビヤ産の樹脂。沈香は「アロエ」で、インド産であり芳香を放つ。王の着衣と宮殿に響く弦の調べを詠う。
 10節「諸国の王女らはあなたの高貴な飾りを、あなたの右に立つ王妃はオフイルの金をその身につける」。「オフイルの金」とは列王記上9章27~28節、ヨブ記22章24節、28章16節see
11節「娘よ、心して聞け。よく見て、耳を傾けよ。あなたの民と父の家を忘れよ。」新しい女王に対する勧めである。外国の出身であろうと思われる。その民と父を忘れて夫に対して全き献身を勧める。この失敗例がある。ソロモン、アハブ etc
13節「テイルスの娘よ、民の富める者は贈り物を携えあなたの好意を願い求めている」。「テイルスの娘よ」は口語訳「ツロの娘よ」フェネキヤの都市国家で、富み栄えていたイスラエルの隣国。これは花嫁が王宮に輿入れする有様を描いている。最も美しい高価な衣装で王妃が侍女を連れて、歓喜のうちに、王の宮殿に行進するのである)14~15節)侍女らは喜び喜んで導かれ、宮殿に入る(16節)。
 17~18節「あなたの子らは先祖に代って立つ。あなたは彼らを全地の長とする。私はあなたの名を代々に覚えさせる。それゆえ、もろもろの民は、あなたに感謝を献げる、代々とこしえに」。詩人は今や未来の祝福、父の栄誉をもたらす名声の高い息子たちを予期し、その名が諸国の中で、代々限りなく語り伝えられるであろうと賛美する(18節)
 この詩篇は、王と王妃との婚宴の祝いの歌であるが、王妃は王を褒め称える側に置かれる。その威光はと賛美を捧げるという点で。キリストの教会も「花婿」としてその使命を与えられている(第二コリントへの手紙11章2~3節see).

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