日毎の糧

聖書全巻を朝ごとに1章づつ通読し、学び、黙想しそこから与えられた霊想録である。

神々を裁く

2009-02-16 | Weblog
   詩82編

  これは神の使いら(神々)の法廷で、唯一なる神が公正な審判を行なうという設定の詩。29編1節、 58編1節、103編20節、ヨブ記1章6節、2章1節参照。

  「神は神聖な会議の中に立ち、神々の間で裁きを行なう」(1節)。 直訳「神(エル)は神々(エロヒーム)の集いの中に立ち、神々(エロヒーム)の間で裁きを行なう」。エルは「いと高き方」(6節)と結びつく唯一の神である。初期イスラエル時代は「拝一神」で「唯一神」でなく異教の神々と対峙していたことが伺える。

  2~4節 不正な裁きをただす
「あなた達はいつまで不正な裁きをし、悪人たちの味方をするのか、弱者や孤児、貧しく乏しい人を正しく裁け」(2~3節)。「味方をする」は岩波訳「顔をあげる」で好意を示すこと、つまり偏り見ることである。「弱者や極貧の者らを悪人たちの手から救い出せ」(4節)。真実なる神は正義と公平なる方である。

  5~7節 神々も裁かれる
「彼ら(神々)は闇の中を行き来する」(5節) 公正な道を踏み外し、明確な判断の出来ない状態に陥る。「地の基は…揺らぐ」 公正な審判がなされないと社会的基盤が揺れる。「あなたたちは神々(エロヒーム)なのか、皆、いと高き方(エル)の子らなのか」(6節)。強烈な皮肉であり批判である。「だがあなた達は人のように死ぬのであり、君候らが人のように死ぬのと同じだ」(7節)。地上の権力者に見舞う急激な没落と同じに神々(エロヒーム)も消滅するという。

 「神よ立ちあがり、地を裁いてください。まことにあなたはすべての国民を嗣業とする方です」(8節)。 神は天地の唯一の究極的な審判者であり、すべての国民を統治される方である。ここでの神はエロヒームであり、7節のエロヒームとは異なる。

 新約聖書に生きるわたし達にとっては、かつて自分自身を神とする高慢に生きていたのであり(フィリピ3章19節)、また「神を知らずに、もともと神ではない神々の奴隷として仕えていた」(ガラテヤ4章8節)が、真の神に選び出され、イエス・キリストを主と信じ仰ぐ者とされた。そこで初めて真の審判者としての神の支配を認めることが出来る。