おいみず亭 Family & Friends

美味しい食べ物と知的好奇心、そして楽しい仲間!!

Sigur Rosへの道(その2)

2007-08-24 02:04:22 | 最近聞いた音楽
夏草や 強者どもの 夢の後

もとい

閑けさや 岩にしみいる 蝉の声

夏の、暑い時期に、立石寺に行った記憶があります。
でも、その前後にどこを通っていったのか、記憶にありません。

学生時代、夏の旅は、中学の時からの友人H君と一緒でした。
二人で始めていったのが、毛越寺。そして中尊寺。
別の機会に、青森から酒田を抜けて新潟まで車で走った事もありました。
でも、立石寺に行った時は一人でした。
東北の一人旅というと、遠野に行った時のがあります。
遠野から釜石まで行って、帰りには花巻で宮沢賢治記念館を見た。
このときに、立石寺までいったとしか思えないのですが、どう考えてもかなりメチャクチャな行程です。

立石寺、夏の暑い時期だったので当然セミは鳴いていたはずです。
ただ、あまり記憶にありません。
そして、なんだかとても涼しい場所だったようにも記憶しています。
山の上なので、風が通っていたのでしょうか。

芭蕉の俳句、ニイニイ蝉だということですが、私のイメージでは断然アブラゼミ。
アブラゼミが団体で、やかましいほど鳴いている。
そんなイメージがあります。
とてもやかましいのに、その中心に、蝉の声も寄せ付けないような静寂に守られた場所があります。
降るようなアブラゼミの鳴き声を聴いていると、ときどき、そんな静寂の場所に立ち入ったかのような気分になる事があります。

さて、長い前振りになりましたが、シガー・ロスへの道の第二段はモグワイ。
ギズモ・・・というと10ccを連想してしまうのですが、この訳のわからないバンド、名前を見かけたときから気になっていました。
気にはなっていましたが、何者かわからなかったので、いままで聞いていませんでした。

ところが、最近、シガー・ロスと抱き合わせみたいにポストロックというキーワードで再びモグワイの名前を見つけたので、聞いてみる事にしました。
今回聞いたのは「Mr. Beast」。
最新作にして、これまでのモグワイの集大成だとか。

そもそも「ポスト・ロック」とは何ぞや?
イメージとしては、商業化されたロックを横目に、独自のロックを追求するエレクトリック系にしてアコースティックな、ちょっとスローテンポな曲が得意なバンド。かな?
この説明だと、原子心母の頃のピンクフロイド?
でもシガー・ロスなんかはまさにそんな感じではないでしょうか。(あ、ここで書いちゃったよ・・・)
モグワイも、そんな感じかと思いきや、ネットで調べると「ギターの轟音が云々」と書かれています。
こりゃちょっと違うかな。

さて、いよいよモグワイ初体験。
とても奇麗で、ゆったりしたピアノの音。この音が不思議と強力で、魅力的です。
この感じは、まさにイメージしていた「ポスト・ロック」とピッタリ一致します。
そして、そこに覆いかぶさるギター。
その音はまさしく蝉の大群。
その影にある、ピアノで作られた静寂な世界を覆い隠します。
否。ギターの轟音でいくらかき消そうとしても消える事のない静寂。
それがモグワイの作り出す世界なのかもしれません。

殆どの曲にボーカルがありません。
それでも、というか、それ故にモグワイノ伝えようとする世界観がダイレクトに伝わってきます。
うーん、こういう例えをしていいものか、なのですが、聞いたときの感じは「祈り」の部分をよりプリミティブにしたTool・・・かな。
Toolよりアコースティックな感じがします。

ネットで更に調べて試聴してみるし、前作に当たる「Happy Songs for Happy People 」が静かさの極地だとか。こちらのアルバムも聞いてみたいですね。
久々に、過去のアルバムも聞いてみたくなるような若手バンドに出会った感じです。
「Happy Songs for Happy People 」聞いたら、もう一度モグワイをちゃんとレビューしてみたいと思います。




[Mr. Beast]
1. Auto Rock
2. Glasgow Mega Snake
3. Acid Food
4. Travel Is Dangerous
5. Team Handed
6. Friend of the Night
7. Emergency Trap
8. Folk Death 95
9. I Chose Horses
10. We're No Here



----
にほんブログ村へ登録しました。
ブログランキング・にほんブログ村へ ←この記事が気に入ったらクリックしてください