この怪しげな物体は、3個で500円税込み(画像は2個分)
生で売られていたものを茹でたものが写真である。
これは、水ダコの頭(裏返し状態)。
タコの商品価値と言うのは、基本的に足にある。
スーパーで刺身用のゆでダコを買うと、見えない下の方に頭が入っていたりして
上げ底状態に気を悪くした覚えがある方も少なくないはずだ。
私も基本的に足の方がおいしいと思うので、どちらに価値があるかという点については
特に反論しない。
要は、安価で入手できる、この「アタマ」をおいしく食べられるように知恵を使えば良いのだ。
これだけの大きさになると厚みもそこそこあるので、なかなか面白い食べ方はできる。
市場の魚料理の店で教えてもらったのは、刺身の切り方。
茹でて身が締まったアタマのいいところをそぎ切りにする。
この、「そぎ切り」が非常に重要なのだ。
イメージとしては、アワビの刺身のような感じに切る。
ごくごくわずかにクリーム色が入った白1色の身は、見た目には何かわからない。
皮も吸盤もないので、絶対にタコには見えない。
そこそこの歯ごたえがありつつも、むっちりとした食感は、加熱した貝類を思わせる。
だが、どんな貝だ? と聞かれても答えることができない。
旨いながらも素材がわからず不思議な表情をしていると、マスターがぼそっとひとこと。
「雅さん・・・それ、ミズダコのアタマっすよ」
この時、直接目を見ずに、他の刺身などを忙しく作りながら「ぼそっと」言うのが好ましい。
・・・・ってか、マスター、タイミングはかってたやろ
って感じでした。
5秒後、めちゃ勝ち誇ったような笑顔見せよったから・・・子どもかいっ
まあそれはおいといて
残った部分は適当に切り分けて煮物に入れても良いし、ぶつ切りにしてパスタの具に使ったり
セロリなどと一緒にオリーブオイルとガーリックでさっと炒めてもまたよい。
吸盤のコリコリ感だけは味わえないけど、工夫次第でなんぼでも旨く食えます。
料理は「創造力」です