経済(学)あれこれ

経済現象および政策に関する意見・断想・批判。

政府は日産を救済せよ

2019-01-18 19:53:49 | Weblog
           政府は日産を救済せよ
日産・ルノ-の最高責任者カルロス・ゴ-ン氏が逮捕されて二・三か月になる。容疑は氏の高額収入のごまかし・文書偽造ということだ。真偽は司法の判断に委ねよう。私はゴ-ン氏は黒だと思うがそれにしても想像を絶する高額収入だ。問題はこの事ではない。利益売り上げ額ともにルノ-のそれをはるかに上回る日産自動車の株式総数がルノ-による日産株に比べはるかに少ないと言う事だ。これは20年前日産が経営危機に陥ったとき、従って日産の株価が最低になったときルノ-がそれを買って日産の経営を維持しえた事に由来する。以後日産は持ち前の技術力は発揮し経営は安定した。そしてルノ-をはるかにしのぐまでになった。だのに株主では日産はルノ-に劣る。日産はルノ-とその背後にあるフランス政府に体よく食い物にされ搾取されているということだ。これが株主資本主義というもののやり口だ。
そもそも日産の経営が危機に陥った時、政府が資金を投じて日産の株を買い、一時期日産を政府保持(まあ国有か)し経営が安定したら日産に政府保持の株を買い取らせれば良かったのだ。
ゴ-ン氏を日産の救済者と言うが彼がしたことは何なのか。従業員リストラと下請企業の切り捨てだ。こんな事はだれだってできる。大した知恵ではない。ただ当時の日本人経営者にはそのための冷酷さが無かっただけだ。ゴ-ン氏を救済者のように当時のマスコミはほめそやしたが、従業員下請け企業の整理切り捨ては日産の発展を阻害しただけでなく、雇用を奪われた人たちの不幸を招来している。外資によるこの種の企業解体は日産に限られたことではない。平成不況と小泉内閣(その走狗である竹中平蔵氏)による改革という名の企業整理により日本の企業はつぶされるか外資の手に渡った。代表例が長期信用銀行だ。総資産20兆円といわれるこの銀行が外資にたった2000億円で売られ新生銀行になっている。平成不況でこのように外資に買いたたかれて日本が失った資産は膨大な額にのぼる。日産は一つの例にしかすぎない。
日産の問題は過去のそれではない。政府は日産を援助し日本の企業として取り返すべきだ。具体的には日産が新たに株式を発行しそれを政府が買い、問題が片付いたところで株式を日産に買い取らすことだ。その為には国債を発行してもいい。ルノ-の背後にはフランス政府がついている。なら日本政府も日産の背後につくべきだ。日本のためになるよう利害計算をしその計算に率直に従って行動すべきだ。経済行為少なくとも国家間のそれは戦争と心得るべきだ。すべての外国は潜在的仮想敵国なのだ。
シャ-プが台湾企業鴻海に買われた時も政府はもっと大胆に介入すればよかったのだ。なにゆえ日本政府が躊躇したのか知らないが、いわゆる経済学などという偏頗な学問なるものを信頼すべきではない。経済学にはそれを作った人間の国籍が染みついている。そんな事にとらわれずに大胆に政策を実行すればいい。政府は日産を救済すべく介入すべきだ。
(付1)現在の経済学は新自由主義とか言って経済行為への国家介入を悪とする学説を主張する。この学説に従えば市場は市場に任せたら理想的に展開し最適状態で均衡するとう。なるほど最適かも知れない。ただそれを放置すると市場は縮小し、株式売買の結果利益は株主に集中し貧富の格差は限りなく広がる。株主の意向に従う経営者は高額の収入を手に入れる。ゴ-ン氏の収入はその一例だ。平成不況で改革なるものが実行されて以来日本人経営者の収入は飛躍的に伸びた。それは外人を経営陣に加えたためだ。大体20億から30億の年収を何に使うのか。私ははるかに低い収入でやってきたが安穏な生活を送っている。
(付2)日産とルノ-は似た体質を持っている。日産はその創業当初から国家に頼り外国技術を輸入してきた。ルノ-は前大戦でナチスドイツに協力し戦後懲罰として国有化された歴史を持つ。(経済人列伝鮎川義介および豊田喜一郎参照のこと)
(付3)小泉純一郎氏は盛んに原発反対を呼号しているがやめてほしい。原発がなければ日本の経済力は衰微する。小泉氏の特徴はあまり深く考えず、一つの政策命題を狂信的に呼号することだ。昔思慮もなく自由化民営化改革と言って日本の企業を外資に売り渡した。あの何かに憑かれているような表情を見ると気持ち悪い。
(付4)経済学を信用すべきではない。この学問が実際の役に立ったという事は極めて少ない。経済学者が専門家ぶる一つの手段が数学だ。数学化できないものを無理に数式化してややこしく難解にして素人を欺く。これが専門経済学者のやり口だ。
(付5)ゴ-ン氏は三重国籍とかいう。フランス・ブラジル・レバノンとかやらこんな無国籍人種に日本企業の経営を任せていいのか。

コメントを投稿