ケニチのブログ

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むすび座「チト」

2017-08-25 | 日本語・言葉
 昼すぎ,緑文化小劇場にて上演された,むすび座『チト』を観た.石油利権をめぐって戦争は起ることや,軍事産業が現代社会を潤していること,法治主義の建前と現実,それらが生み出す貧富の差など,目をそむけたくなるような世の中の病理を,ごまかすことなく露骨に描いた脚本に対して,チトがあまりに幼稚で,いかにも「日本人受けする子ども」として演じられたことに大きな違和感.せっかくのバンド伴奏による歌のシーンも意外に少なく,打込みの音楽やSEに圧倒されていたのは残念だったし,その少なかった歌も,フォークソング崩れの粗末な代物ばかりでさらにがっかり.それでも,死んだヒゲさんを追いかけて主人公が天上へ行くラストシーンは美しく,ちびっ子のお客も多い会場を独特の静寂と共感が流れた(ように思った).また,ステージだけでなく客席にまで花がいっぱいに咲くしかけが施されていたのは壮観だった.

 帰りの電車内で,思いがけずHとKにそれぞれ会った.


人形劇団むすび座: チト みどりのゆびをもつ少年
【出演者】人形劇団むすび座
【日時】2017.8.25 14:00-
【場所】名古屋市緑文化小劇場

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