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ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

ギーレン+ウィーン放送響=バルトーク「中国の不思議な役人」他

2025-03-24 | 音楽 - バルトーク
 先日買ったCDを聴いた.M.ギーレン指揮+ウィーン放送交響楽団による,バルトーク『中国の不思議な役人』ほか.

 両ナンバーとも,遅めのテンポを採り,譜面をとにかく追った演奏.ギーレン率いるウィーン放送響は,管打楽器群の力強いサウンドが中心になって,バルトークの烈しい音楽の持ち味を,率直に引き出しているが,随所でアンサンブルが甘く,平凡なミスも多発.ライヴレコーディングであることを差し引いても,ちょっとこれは商品化がためらわれて然るべき出来だ.協奏曲でのコヴァチッチも,技術的には悪くない(ただし,第1楽章カデンツァ直前に派手なポカが出る)ものの,何かともたつくオーケストラに足を引っ張られて,本調子でない印象.録音は鮮明だが,いくぶん音像が遠く,精彩に欠ける.また,ステージ上や客席からのノイズを,大きく拾っているのも難点.


Béla Bartók - The Miraculous Mandarin・Violin Concerto No. 2
ORF Vienna Radio Symphony Orchestra,ORF Choir,
Michael Gielen (conductor),
Ernst Kovacic (violin),
Naxos Deutschland,C230141

中村暢宏+名古屋市吹=スパーク「オリエント急行」他

2025-01-05 | 音楽 - バルトーク
 昼すぎ,刈谷市総合文化センターで行なわれた,中村暢宏指揮+名古屋市民吹奏楽団の定期演奏会を聴いた.吹奏楽のためのオリジナル曲から,ハリー・ポッター,オペラ抜粋,バルトークの問題作にいたるまで,盛りだくさんのプログラム.全編を通じて,中村率いる名古屋市吹は,ソロパートなどに多少の瑕はあるものの,安定の技術とアンサンブルで,賑やかなナンバーの多い今日の選曲にあって,強奏時にもむやみにうるさくならない,整然のサウンドに徹していたのが,とりわけ印象的.


第28回定期演奏会
【出演者】中村暢宏 (指揮),名古屋市民吹奏楽団
【日時】2025.1.5 13:30-
【場所】刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
【曲目】
■スパーク: オリエント急行
■アッペルモント: アイヴァンホー
■グレイアム: ゲールフォース
■ジョン・ウィリアムズ: 「ハリー・ポッター」完全版 ~全8作のテーマより
■レハール: 喜歌劇「微笑みの国」セレクション
■プッチーニ: 歌劇「トゥーランドット」より
■バルトーク: 「中国の不思議な役人」組曲
■兼田敏: マーチ「ブルー・マリーン」 (アンコール)

ブロック+リール国立管=バルトーク「管弦楽のための協奏曲」他

2023-10-16 | 音楽 - バルトーク
 先日買ったCDを聴いた.A.ブロック指揮+リール国立管弦楽団による,バルトーク「管弦楽のための協奏曲」ほか.

 両ナンバーとも,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.ブロック率いるリール国立管は,充実の技術とアンサンブルで,トゥッティでの迫力はもちろん,フレージングや強弱へのニュアンスにも事欠かない.各木管のソロパートも生き生きとしており,バルトークの精彩なオーケストレーションを引き立てている.また,「ヴィオラ協奏曲」でのグロスは,ところどころで見得を切るような溜めが聴かれるものの,この楽器ならではの,激しくも翳を帯びた音色が魅力.録音は鮮明だが,高弦がやや大きいか.


BARTÓK: CONCERTO POUR ORCHESTRE & CONCERTO POUR ALTO
Amihai Grosz (viola),
Orchestre National de Lille,
Alexandre Bloch (conductor),
ALPHA CLASSICS,ALPHA 1013

シュタインバッハー&スイス ロマンド管=バルトーク「ヴァイオリン協奏曲集」

2023-06-25 | 音楽 - バルトーク
 先日買ったCDを聴いた.A.シュタインバッハーのヴァイオリン,M.ヤノフスキ指揮+スイス・ロマンド管弦楽団による,バルトーク・ヴァイオリン協奏曲第1&2番.

 両ナンバーとも,やや遅めのテンポを採り,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.シュタインバッハーは,力強くものびやかな響きに安定したヴァイオリンで,バルトークの難曲を,決してヒステリックにならない,美しい造形のなかに聴かせる.そこへ,ヤノフスキ率いるスイス・ロマンド管が,いくらかラフさはあるものの,充実の技術とアンサンブルで合流する.このオーケストラならではの,管楽器ソロパートの生き生きとした表情もある.録音は鮮明.


Bartók - Violin Concertos (SACD-Hybrid)
Arabella Steinbacher (violin),
Orchestre de la Suisse Romande,
Marek Janowski (conductor),
PentaTone Music,PTC 5186 350

服部百音&名フィル=バルトーク「ヴァイオリン協奏曲第2番」他

2023-05-13 | 音楽 - バルトーク
 夕方,芸文コンサートホールにて行なわれた,井上道義指揮+名古屋フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会を聴いた.めあてのヴァイオリン協奏曲は,珍しいレパートリーへの不慣れを感じさせるラフさはあるものの,それでも十分に正確かつ力強い演奏.目まぐるしく楽想が移り変わるバルトークの作風にあって,その変わり目でオーケストラをぐいと先導するかのような,気迫に満ちた服部のソロはよかった.

 後半のクセナキスでは,プレイヤーらを円形に配置した舞台が壮観であるが,音楽そのものは単なる騒音の連続で,特段の面白さはない.本来は聴衆も彼らに混ざって間近で鑑賞するコンセプトであるらしいが,せいぜい音響の塊がサラウンドに押し寄せるだけだろうと,たやすく想像が付くのである.いっぽう,ラストの「ボレロ」はその隊形のまま演奏され,各パートが代わる代わるに活躍するこの曲こそ,ぜひともクセナキスが言う方法で聴きたいと思わせる.


名フィル 第512回 定期演奏会
【出演者】服部百音 (ヴァイオリン),井上道義 (指揮),名古屋フィルハーモニー交響楽団
【日時】2023.5.13 16:00-
【場所】愛知県芸術劇場 コンサートホール
【曲目】
■バルトーク: ルーマニア舞曲 Sz.47a, BB 61
■  〃  : ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112, BB 117
■ブーレーズ: アンセム I より (ソロアンコール)
■クセナキス: ノモス・ガンマ
■ラヴェル: ボレロ