ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

柴田花音&鈴木慎崇=シュニトケ「チェロソナタ」他

2023-09-14 | 音楽 - シュニトケ
 先日買ったCDを聴いた.柴田花音・チェロ,鈴木慎崇・ピアノによる,シュニトケ・チェロソナタほか.

 どのナンバーも,譜面を正確かつ細部まで丁寧に再現した演奏.柴田のチェロは,安定の技術と率直な音色に一貫するが,楽想の変わり目で間合いを大きく採るなど,のびやかな表情もある.そこへ,わりあい優しいタッチの鈴木のピアノが合流する.録音鮮明.ロマンと現代のレパートリーを往き来し,小曲からシリアスなソナタまで,たえず変化を持たせたプログラミングは,この楽器の幅広い性能をよく引き出しており魅力.


柴田花音 IN CONCERT (SACD-Hybrid)
柴田花音 (チェロ),鈴木慎崇 (ピアノ),
オクタヴィア・レコード,OVCL-00812
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ソロヴィヨフ+新音楽スタジオ=シュニトケ「ファウスト カンタータ」他

2022-06-02 | 音楽 - シュニトケ
 先日買ったCDを聴いた.A.ソロヴィヨフ指揮+モスクワ室内合唱団,新音楽スタジオ・アンサンブルによる,シュニトケ「ファウスト・カンタータ」ほか.

 両ナンバーとも,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.ソロヴィヨフ率いる歌唱陣とアンサンブルは,ライヴに起因する僅かなキズはあるものの,技術的に十分安定し,生き生きとした音楽の流れを聴かせる.また,小編成による企画とはいうものの,エレクトロニクスや打楽器群は強烈で,いかにもシュニトケらしい迫力のサウンドである.録音は鮮明で,ホール全体の活気をもよく伝えるもの.


ALFRED SCHNITTKE | FAUST CANTATA・REQUIEM
The Chamber Choir of the Moscow Conservatory,
The "Studio for New Music" Chamber Ensemble,
Alexander Solovyev (conductor),
The Moscow Tchaikovsky Conservatory,SMC CD 0166
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アルブレヒト+ハンブルク州立フィル=シュニトケ「ファウスト物語」

2022-05-19 | 音楽 - シュニトケ
 先日買ったCDを聴き終えた.G.アルブレヒト指揮+ハンブルク州立フィルハーモニー管弦楽団&合唱団による,シュニトケ『ヨハン・ファウスト博士の物語』.

 初めて聴く曲だが,ファウスト博士の壮絶な人生を,モダンオペラのスタイルで綴った長編で,「ファウスト・カンタータ」の面影をも随所に残している(最終シーンはもちろん,それのほぼ完全な再利用だ).アルブレヒト率いるハンブルク州立フィル&歌唱陣は,ややラフな趣きながら,充実の技術とアンサンブルに一貫し,ライヴらしい息の長い横の流れもある.また,シュニトケならではの,エレトロニクス含む特殊かつ大編成のオーケストラは耳を圧倒するが,全体としてはよく似た楽想が続くので,退屈する瞬間がないではない.録音は鮮明であるが,音像がいくぶん遠く,ごくありふれた放送用音源の水準.


SCHNITTKE・HISTORIA VON D. JOHANN FAUSTEN (2CD)
Chor de Hamburgischen Staatsoper,
Philharmonisches Staatsorchester Hamburg,
BMG Music,09026 68413 2
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

デプリースト+マルメ響=シュニトケ「ファウスト カンタータ」他

2022-04-30 | 音楽 - シュニトケ
 先日買ったCDを聴いた.J.デプリースト指揮,マルメ交響楽団&合唱団による,シュニトケ「ファウスト・カンタータ」ほか.

 やや遅めのテンポを採り,譜面を正確かつ,細部まで念入りに再現した演奏.デプリースト率いるマルメ響,コーラスは,いくぶん抑制的な音響ながらも,充実した技術とアンサンブルで,ファウスト博士の激しい物語を,あくまで深入りしない整然さのなかに追っていく.録音は鮮明で,各プレイヤーと全体の振舞いとの両者を,ともによく捉えたもの.

 併録のセーゲルスタムとのナンバーは初めて聴くが,いかにもシュニトケらしい,擬古典とモダン・ロマンチシズムを行ったり来たりする,分裂的な作風が楽しませる.


SCHNITTKE・FAUST CANTATA・(K)EIN SOMMERNACHTSTRAUM
Malmö Symphony Orchestra & Chorus,
James DePreist (conductor),
BIS Records,BIS-CD-437
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロジェストヴェンスキー+ソ連文化省響=シュニトケ「交響曲第1番」

2022-04-11 | 音楽 - シュニトケ
 先日買ったCDを聴いた.G.ロジェストヴェンスキー指揮+ソヴィエト連邦文化省交響楽団による,シュニトケ・交響曲第1番.

 譜面を正確かつ,横の流れを大きく見通した進行のなかに再現した演奏.ロジェストヴェンスキー率いる文化省響は,アンサンブルにややラフなところもあるが,難曲に対してむやみに慎重になったりしない,明るく安定したサウンド.また,すべてのプレイヤーがソロイスティックに振舞うこの曲にあって,彼らの伸びやかな持ち味がよく映えている.そのいっぽうで,オーケストラ全体としての強弱の起伏にはいくぶん乏しく,単調な印象も.録音は鮮明だが,何やら各セクション間に距離があって,それらが混ざりあわないアンバランスさは気になる.


ALFRED SCHNITTKE SYMPHONY No. 1
The USSR Ministry of Culture State Symphony Orchestra,
Gennady Rozhdestvensky (conductor),
Melodiya,MEL CD 10 02321
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする