ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

ラローチャ&ロイヤル フィル=ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」他

2024-07-12 | 音楽 - ラフマニノフ
 買ったCDを聴いた.A.ラローチャのピアノ,C.デュトワ指揮+ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団による,ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番ほか.

 やや遅めのテンポを採り,譜面を正確かつ隅々まで念入りに再現した演奏.デ・ラローチャのソロは,安定の技術と,曖昧さのない率直なタッチで,ラフマニノフの力強い作風をよく引き出している.ただし,アルペッジョなどでの細かい動きがやや器械的で,硬い印象をあたえる.また,緩徐部でのアクセントが大きく,音楽の流れを阻害しがちなのも残念.デュトワ率いるロイヤル・フィルは,オーソドックスな進行ながらも,ピアニストに対抗せんばかりの溌溂のアンサンブルと,管楽器の各ソロパートの存在感.録音は鮮明だが,音像がいくぶん遠く精彩に欠く.この曲の魅力であるはずの低音域も弱い.


ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番/シューマン:ピアノ協奏曲
アリシア・デ・ラローチャ (ピアノ),
シャルル・デュトワ (指揮),
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団,
TOWER RECORDS,PROC-1254
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松田華音&セントラル愛知響=ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2・4番」他

2024-05-12 | 音楽 - ラフマニノフ
 昼すぎ,芸文コンサートホールで行なわれた,松田華音のピアノ,斉藤一郎指揮+セントラル愛知交響楽団の『Wコンチェルト2024 Vol.2』を聴いた.オール・ラフマニノフ・プログラムは,正確かつ細部まで念入りなニュアンスの演奏で,ラフマニノフらしい旋律美や,シンフォニックな力強さもある.長丁場のステージながら,ピアニスト,オーケストラともに好調.


W コンチェルト 2024 Vol.2 松田華音
【出演者】松田華音 (ピアノ),斉藤一郎 (指揮),セントラル愛知交響楽団
【日時】2024.5.12 14:30-
【場所】愛知県芸術劇場 コンサートホール
【曲目】
■ラフマニノフ: 「12の歌」より 第5曲「リラの花」変イ長調
■  〃  : 練習曲「音の絵」Op.39より 第6曲「赤ずきんちゃんと狼」イ短調
■  〃  : 楽興の時 Op.16より 第6曲ハ長調
■  〃  : ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
■  〃  : ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
■メンデルスゾーン: 無言歌集より (ソロアンコール)
■スクリャービン: 2つの詩曲 (  〃  )
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グリモー&ロイヤルフィル=ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」他

2024-03-12 | 音楽 - ラフマニノフ
 先日買ったCDを聴いた.E.グリモーのピアノ,J.ロペス=コボス指揮+ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団による,ラフマニノフ&ラヴェル・ピアノ協奏曲集.

 両ナンバーとも,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.グリモーは,安定の技術とタッチのピアノで,リズムの伸縮を交えたロマンチックな曲作りだが,あくまで曖昧な感じはなく,ここぞというときの力強さもある.また,むやみにオーケストラに合わせようと気兼ねせず,生き生きと進行するところも良い.ロペス=コボス率いるロイヤルフィルは,じっくりと落ち着いた音色のアンサンブルで,彼女に対峙し,寄り添う.とりわけ,惚れ惚れするような木管ソロの上手さは大きな魅力.録音は鮮明で,各プレイヤーとオーケストラ全体の振舞いとを,ともによく捉えたもの.


ラフマニノフ: ピアノ協奏曲第2番/ラヴェル: ピアノ協奏曲ト長調 (SACD-Hybrid)
エレーヌ・グリモー (ピアノ),
ヘスス・ロペス=コボス (指揮),
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団,
日本コロムビア,TWSA-1161
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松井慶太+名フィル=ドヴォジャーク「新世界」他

2024-02-04 | 音楽 - ラフマニノフ
 昼すぎ,旧市民会館にて行なわれた,松井慶太指揮+名古屋フィルハーモニー交響楽団の『こども名曲コンサート』を聴いた.どのナンバーも,正確かつ持って回ったところのない率直な演奏.松井率いる名フィルは,安定したアンサンブルと技術で,旋律美やディテールへの丁寧さにも事欠かず,これらのエスニックな作風の魅力を,終始よく引き出していた.

 今日は客席観察も楽しい.なかでも僕の隣にいた親子が傑作だった.コンサート後半部,小学校低学年と思しい男の子は,退屈したのか独り言が絶えず,座席の背もたれによじ登ったり,何かとごそごそしている.そのわりには,見かねた父親が会場から連れ出そうとすると,途端に泣いて抵抗するのだ.あれはあれで,彼なりの過ごし方なのね.


第5回 こども名曲コンサート
【出演者】松井慶太 (指揮),名古屋フィルハーモニー交響楽団
【日時】2024.2.4 14:00-
【場所】日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
【曲目】
■グリンカ: 歌劇『ルスランとリュドミラ』序曲
■ラフマニノフ=レスピーギ編: 練習曲集『音の絵』より 第1曲「海とかもめ」
■ボロディン: 歌劇『イーゴリ公』より「だったん人の踊り」
■ドヴォルザーク: 交響曲第9番ホ短調 作品95『新世界より』
■ボロディン: 歌劇『イーゴリ公』より「乙女たちの踊り」 (アンコール)
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ポウケ&フォス=ラフマニノフ「チェロ ソナタ」他

2023-12-12 | 音楽 - ラフマニノフ
 先日買ったCDを聴いた.E.ポウケのチェロ,C.フォスのピアノによる,ラフマニノフ「チェロ・ソナタ」ほか.

 どのナンバーも,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.ポウケは,やや線の細い音色ながら,生き生きとした弾きようで,また,ラフマニノフならではのロマンチックな楽想に,むやみにのめり込まない率直さが良い.そこへ,フォスのピアノが明るく力強いタッチで合流し,息の合ったアンサンブルのなかに進行する.録音鮮明.


SERGEI RACHMANINOV | Sonata for Cello and Piano Op. 19
Ella van Poucke (cello),Caspar Vos (piano),
Challenge Classics,CC72930
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