先日買った本を読み終えた.鶴田静・著『宮沢賢治の菜食思想』.
生涯の多くの時期を菜食者として過ごした賢治が,食と生活,人間社会の関係性をどのように捉えていたかを,その小説や詩,手紙,親交のあった人々へのインタビューなどから紐解く.そこには,自身の病弱さや,農業を通して得ただろう,他の生命への親しい眼差しが流れており,それとともに,自然界のサイクルにいつでも同化していこうという,自己犠牲の覚悟,もしくは喜びが見え隠れするのが,この作家ならでは.残念なのは,同じくベジタリアンである鶴田氏の,肉食への憎悪が,随所で理性的でない文脈となって現れており,読み手は少なからず不快なところだ.
鶴田静: 宮沢賢治の菜食思想
晶文社,2013,
ISBN978-4-7949-6792-3
生涯の多くの時期を菜食者として過ごした賢治が,食と生活,人間社会の関係性をどのように捉えていたかを,その小説や詩,手紙,親交のあった人々へのインタビューなどから紐解く.そこには,自身の病弱さや,農業を通して得ただろう,他の生命への親しい眼差しが流れており,それとともに,自然界のサイクルにいつでも同化していこうという,自己犠牲の覚悟,もしくは喜びが見え隠れするのが,この作家ならでは.残念なのは,同じくベジタリアンである鶴田氏の,肉食への憎悪が,随所で理性的でない文脈となって現れており,読み手は少なからず不快なところだ.
鶴田静: 宮沢賢治の菜食思想
晶文社,2013,
ISBN978-4-7949-6792-3
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます