ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

T.クルレンツィス+ムジカエテルナ=マーラー「交響曲第6番」

2018-11-15 | 音楽 - マーラー
 先日買ったCDを聴いた.T.クルレンツィス指揮+ムジカエテルナによる,マーラー・交響曲第6番「悲劇的」.

 全曲を通してやや遅めのテンポを採り,譜面を細部まで丁寧に再現した演奏.ムジカエテルナは,ヴィブラートを抑えた弦セクション始め清新かつ安定したアンサンブル.ただし,この交響曲で重要な役目を受け持つスネアドラムの音色が貧弱なのは残念.クルレンツィスの曲作りは,ところどころで埋もれがちな内声を強調してみたり,楽想の変わり目でいちいちルバートをかけるなど,あいかわらずの「したがり」なのだが,幸いいずれもこの楽団の率直なサウンドのなかで音楽の流れを大きく損なうものではない.また,アンダンテ楽章では,むやみに悲しみの世界に浸るのではなく,強弱の起伏を大きく取って伸びやかに旋律を歌わせており出色.録音は優秀であるが,ダイナミックレンジにいささか欠ける観あり.

 いっぽう,指揮者によるブックレットの曲解説は,無内容かつ自己陶酔的な代物で,読んでいて気分が悪くなるほどだった.


マーラー: 交響曲第6番「悲劇的」 (Blu-specCD2)
ムジカエテルナ,
テオドール・クルレンツィス (指揮),
ソニー・ミュージックエンタテインメント,SICC 30490
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小泉和裕+名フィル=マーラー「交響曲第8番」

2018-10-12 | 音楽 - マーラー
 夜,旧市民会館にて行なわれた,名フィルの定期演奏会を聴いた.単一プログラムのマーラーは,終始やや速めのテンポを採り,息の長いフレージングで音楽の造形をごく自然に描き出した颯爽の演奏.オーケストラは,大編成の迫力はもちろん,個々の技術も高い水準に安定しており,聴き応えじゅうぶん.何より,花道のほうまではみ出さんばかりに楽員でひしめき合うステージは,毎度のことながら壮観である.いっぽう,歌唱陣は正確に歌ってはいるが,巨大なオーケストラの向こう側からではやはり声が通らず残念.合唱も,トゥッティ時のユニゾンなどでは一体感のある圧倒的な音響を聴かせるものの,ピアノの表現での繊細さにいま一つ欠ける印象.指揮の小泉は,構成・内容ともに大曲にも係わらず暗譜で振っており,全曲に亘ってきめ細やかな指示を出して演奏家たちをドライブしているので,未だ根強い暗譜至上主義がクラシック界の悪習の一つであるにしても,さすがにこれは只々スゴイの一言.


名古屋フィルハーモニー交響楽団 第461回定期演奏会〈ゲーテ『ファウスト』〉
【演奏者】並河寿美・大隅智佳子・三宅理恵 (ソプラノ),加納悦子・福原寿美枝 (アルト),望月哲也 (テノール),宮本益光 (バリトン),久保和範 (バス),小泉和裕 (指揮),名古屋フィルハーモニー交響楽団&中部フィルハーモニー交響楽団,グリーン・エコー&名古屋少年少女合唱団 ほか
【日時】2018.10.12 18:45-
【場所】日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
【曲目】
■マーラー: 交響曲第8番変ホ長調『千人の交響曲』
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D.ジンマン+チューリヒ・トーンハレ管=マーラー「交響曲全集」

2018-09-11 | 音楽 - マーラー
 先日買ったCDを聴き終えた.D.ジンマン指揮+チューリヒ・トーンハレ管弦楽団ほかによる,マーラー・交響曲全集.

 どのナンバーも,やや遅めのテンポでスコアを隅々まで丁寧に再現した演奏.チューリヒ・トーンハレ管は高い技術に安定しており,ヴィブラートを抑えた弦セクション始め,強奏時にも厚ぼったくならない透明感あるアンサンブルが魅力.とりわけ,トライアングルの輝かな音色は美しく印象に残る.ジンマンの曲作りは,マーラーが譜面に細かく指示した強弱やテンポ,アーティキュレーションを徹底的に守りながら,それでいて全体的な音楽の流れへの気配りをも欠かさない至極快適なもの.また,ハープのアルペッジョ,弦楽器のポルタメントやコル・レーニョといった,多くの堅物指揮者たちがとかく無視してきた,遊びとしての多彩な奏法もめいっぱいに行なっているのは耳に楽しく美点.さらに,「第10番」に珍しいカーペンター版が採られている点は興味を引く.録音は各パートを鮮明に捉えつつも,ホールの残響を豊かに含む優秀なもので,広いダイナミックレンジも大編成のオーケストラを聴くのにもってこいだ.
 なお,マーラーのCDのジャケットに,弱音のジェスチャーを取るジンマンの写真をあえて採用しているのは独特のセンスで面白い.ただし,ボックス内の個装ケース15枚もすべて同じデザインなのは工夫がもう一つ足りず残念.というよりもまず,ぱっと見て区別が付かないので不便である.


David Zinman conducts Mahler (15CD)
Tonhalle-Orchester Zürich,
David Zinman (conductor) et al,
Sony Music Entertainment,19075816402
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A.フィッシャー+デュッセルドルフ響=マーラー「交響曲第7番」

2018-07-01 | 音楽 - マーラー
 先日買ったCDを聴いた.A.フィッシャー指揮+デュッセルドルフ交響楽団による,マーラー・交響曲第7番.

 終始やや遅めのテンポを採り,譜面を丁寧に再現した演奏.デュッセルドルフ響は特色には乏しいながら,安定したブラスセクションを中心に良好なアンサンブルを出しており,ライヴレコーディングに起因するミスもほとんどない.また,カウベルやトライアングルなどの打楽器群の音色は美しく,印象に残る.フィッシャーの曲作りは,フレージングやアーティキュレーションの正確さにきめ細かく気を配るいっぽうで,控えめなルバートを交えるなど即興的な遊びをも忘れない.さらに,弦のポルタメントやコル・レーニョといった特殊奏法をめいっぱいに行なうのも耳に楽しく,表情豊かなこの交響曲の魅力を率直に伝える.録音は各パートを鮮明に捉え,なおかつオーケストラやホール全体の雰囲気にも事欠かない優秀なもの.


MAHLER: Symphony No.7
Düsseldorfer Symphoniker,
Adam Fischer (conductor),
Avi-Service for music,8553349
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O.ヴァンスカ+ミネソタ管=マーラー「交響曲第6番」

2018-04-04 | 音楽 - マーラー
 先日買ったCDを聴いた.O.ヴァンスカ指揮+ミネソタ管弦楽団による,マーラー・交響曲第6番「悲劇的」.

 終始やや遅めのテンポで,譜面を細部までていねいに再現した演奏.ミネソタ管弦楽団は,特色には乏しいながらも,よく安定した管楽器群始め技術良好.ヴァンスカの曲作りは,内声をじっくり聴かせる分析的なアプローチであるが,これが裏目に出て,アレグロ部分などでとかく音楽の横の流れが失われがち.録音は各パートを鮮明に捉えて優秀.なお,ところどころで初期稿への参照があるが,ハンマーの打撃追加はなし.第2・3楽章はいまどき流行りのアンダンテからスケルツォの曲順で,これには未だに馴染めない.
 それにしても,CD一枚に90分近く入っているのにびっくり.


MAHLER: SYMPHONY NO. 6 (SACD Hybrid)
Minnesota Orchestra,
Osmo Vänskä (conductor),
BIS Records,BIS-2266
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