ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

クイケンSQ=ベートーヴェン「ラズモフスキー第3番」他

2018-09-21 | 音楽 - ベートーヴェン
 先日買ったCDを聴いた.クイケン四重奏団による,ベートーヴェン・弦楽四重奏曲第9番「ラズモフスキー第3番」&五重奏曲.

 両ナンバーとも,譜面を正確かつ力強く再現した演奏.クイケンファミリーによるアンサンブルも,互いによく聴き合いながら,音楽の横の流れにも気を配った風通しのよいもの.ただし,スケルツォ乃至メヌエットから,トリオ部に移行する際に小休止を置くアイディアにはいささか疑問.楽式上の変わり目は,特段の理由がない限りそれまでの延長上に続けられるからこそ,奏者と聴き手がその驚きを共有しうるのである.録音優秀.


KUIJKEN TWO GENERATIONS (SACD-Hybrid)
Veronica Kuijken (violin I),
Sigiswald Kuijken (violin II),
Sara Kuijken (viola I),
Marleen Thiers (viola II),
Wieland Kuijken (violoncello),
Challenge Classics,CC72181
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J.サラステ+ケルン放送響=ベートーヴェン「交響曲第4&5番」

2018-07-27 | 音楽 - ベートーヴェン
 先日買ったCDを聴いた.J.サラステ指揮+ケルン放送交響楽団による,ベートーヴェン・交響曲第4&5番.

 両ナンバーとも,やや遅めのテンポを採り,譜面を細部まで丁寧に再現した演奏.ケルン放送響はライヴレコーディングゆえの僅かな乱れはあるものの,各セクションともヴィブラートを抑えるなど清新なピリオドスタイルに徹したアンサンブル.指揮のサラステも,ほどよいアクセントと,旋律線を大切にした豊かな抑揚とを同居させた,活力ある曲作り.また,氏らしい即興的かつ控えめなルバートは健在で,とりわけ,曲中アレグロでの強奏部は,刻一刻と変化する楽想につられて伸び縮みする,「テンポの生き物」である.録音は各楽器を鮮明に捉えながらも,オーケストラ全体の響きにも事欠かない優秀なもの.なお,「第5番」第3楽章のトリオに編集ミスと思しい1小節ぶんの欠落があり,心底悔やまれる.
 それにしても,「第4番」は前作エロイカの奇抜な作風で聴衆の度肝を抜いた作曲者が,いったん一歩下がった古典的な発想のもとに書いたように言われるが,僕はまったくそう思わない.この吹っ切れたような「効率化」と「オスティナート」への傾倒があったからこそ,ベートーヴェンは後続の「第5・6番」で,シンプルであることそのものを音楽の新しい値打ちにまで高めることになるのである.


BEETHOVEN: SYMPHONY No.4&5
WDR Sinfonieorchester,
Jukka-Pekka Saraste (conductor),
Profil,PH17084
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正木実季&安藤弘子 リサイタル

2018-05-27 | 音楽 - ベートーヴェン
 昼過ぎ,メニコンHITOMIホールにて行なわれた,正木実季&安藤弘子によるジョイントリサイタルを聴いた.イタリアをテーマに,バッハからドビュッシーまでのスタンダードナンバーを取り揃えた盛りだくさんのプログラム.

 近くの客席での面白いやりとり.演奏にやや退屈したのかそわそわしていた女の子が,母親が耳打ちする「帰る?」という「脅し」に屈して大人しくなった.小学生低学年ごろと思しい彼女にとって,退屈することと,その場を去ることとは対立の関係にある行為なのだ.


正木実季&安藤弘子 ソプラノとピアノによるジョイントリサイタル
【日時】2018.5.27 14:00-
【会場】メニコンANNEX HITOMIホール
【曲目】
■J.S.バッハ: イタリア協奏曲
■ヘンデル: 私を泣かせてください
■T.ジョルダーニ: いとしい人よ
■ベートーヴェン: 「うつろな心」の主題による6つの変奏曲
■ロッシーニ: オッフェンバック風小カプリス
■  〃  : 約束・アルプスの羊飼い・ゾラの歌
■  〃  : 歌劇『ブルスキーノ氏』より
■ドビュッシー: 感傷的な風景
■  〃  : ベルガマスク組曲
■  〃  : 4つの青春時代の歌
■グノー: アヴェ・マリア (アンコール)
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K.ブニアティシヴィリ リサイタル

2017-11-05 | 音楽 - ベートーヴェン
 昼すぎ,しらかわホールにて行なわれた,K.ブニアティシヴィリのピアノリサイタルを聴いた.どのナンバーも,前のめりのテンポと幅広い強弱のとにかくドラマチックな演奏.立続けの難曲ともあって,細かなミスタッチも聴かれるのであるが,迫力の曲作りのなかでは,それすら芸風であるかのようだ.

 もともとアゴスティ編の「火の鳥」が聴けるのを楽しみに出かけたコンサートで,曲目変更はただただ残念だったが,それでも十分に満足の行く内容であった.


カティア・ブニアティシヴィリ ピアノ・リサイタル
【日時】2017.11.5 14:00-
【会場】三井住友海上 しらかわホール
【曲目】
■ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第23番 ヘ短調 op.57「熱情」
■リスト: ドン・ジョヴァンニの回想
■チャイコフスキー=プレトニョフ編: 組曲《くるみ割り人形》
■ショパン: バラード第4番 ヘ短調 op.52
■リスト: スペイン狂詩曲 S.254 R.90
■リスト=ホロヴィッツ編: ハンガリー狂詩曲第2番 嬰ハ短調 S.244
■ドビュッシー: 月の光 (アンコール)
■リスト: メフィストワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」 (アンコール)
■ヘンデル=ケンプ編: 鍵盤楽器のための組曲第1番より メヌエット (アンコール)
■ショパン: 24の前奏曲より ホ短調 (アンコール)
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R.ワイケルト+名フィル=ベートーヴェン「交響曲第2番」他

2017-10-19 | 音楽 - ベートーヴェン
 夜,旧名古屋市民会館にて行なわれた,名フィルの演奏会をGと聴いた.まずオープニングの「コリオラン」序曲はものすごいテンポの遅さで,オールベートーヴェンのプログラムをこの調子で進められたらたまらないと思っていたところ,二曲め以降は常識的なテンポ設定(作曲者指定のメトロノームよりいくらか遅い程度)に戻り,ほっとした.ワイケルトの曲作りは,適度なアクセントを付けるなどして,注意深く強弱を描き分けた清新なもの.名フィルも,ホルンと高弦に多少の乱れはあるものの,集中度の高い快適なアンサンブルだった.何より,ピアノ協奏曲然り,交響曲然り,ふだん触れる機会の少ないナンバーを改めてじっくり聴いてみて,意外によい曲だと感じたのはささやかな収穫だ.


第58回市民会館名曲シリーズ 〈ベートーヴェン・ツィクルスIII〉
【演奏者】ラルフ・ワイケルト (指揮),北村朋幹 (ピアノ),名古屋フィルハーモニー交響楽団
【日時】2017.10.19 18:45-
【場所】日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
【曲目】
■ベートーヴェン: 序曲『コリオラン』作品62
■  〃  : ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 作品19
■  〃  : 6つのバガテル 作品126より (ソロ・アンコール)
■  〃  : 交響曲第2番ニ長調 作品36
■シューベルト: 劇音楽『ロザムンデ』間奏曲 (アンコール)
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