ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

バレンボイム+シカゴ響=ストラヴィンスキー「春の祭典」他

2024-06-16 | 音楽 - ストラヴィンスキー
 先日買ったCDを聴いた.D.バレンボイム指揮+シカゴ交響楽団による,ストラヴィンスキー『春の祭典』ほか.

 終始遅めのテンポを採り,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.バレンボイム率いるシカゴ響は,持ち前の技術の高さと,明るい音色のアンサンブルで,ストラヴィンスキーならではの力強いサウンドを,率直に引き出している.なかでも,ティンパニのあたたかな音色は,独特で魅力.いっぽう,音楽の入り組んだ箇所や,緩徐部などで,慎重になり進行がもたつく感じがあるのは残念.録音は鮮明で,各セクションを間近に捉えたリアルなものだが,残響は少なくドライな印象.また,ダイナミック・レンジがいくぶん狭いのも気になる.使用スコアは,1967年現行版をベースに,「春のロンド」民謡主題への装飾音追加,終曲での弦楽器のピツィカート採用など,ところどころで旧出版譜への参照あり.「祖先の儀式」にも不思議なタンバリンの追加がある.


ストラヴィンスキー 春の祭典/ドビュッシー 海/ブーレーズ ノタシオン第7番
シカゴ交響楽団,
ダニエル・バレンボイム (指揮),
ワーナーミュージック・ジャパン,WPCS-22150

鈴木優人+関西フィル=ストラヴィンスキー「春の祭典」他

2024-06-12 | 音楽 - ストラヴィンスキー
 夜,フェスティバルホールで行なわれた,鈴木優人指揮+関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏会を聴いた.めあてのストラヴィンスキーは,終始遅めのテンポを採りながら,大編成のオーケストラを惜しみなく鳴らした充実の演奏.関西フィルも,あまり親切でない優人のタクトのもと,僅かにラフな瞬間は出るものの,全体としては好調で,かつ音楽を主体的に進めていく,活気あるアンサンブル.いっぽう,緩徐部はいくぶんあっけらかんとしており,いま一つ緊張やじっくりとしたところがあると,なお良かった.

 プログラム前半は,ヴィヴァルディとピアソラをごちゃ混ぜにする,意欲的なアレンジもしくは即興のステージで,こちらもなかなか楽しめた.


二つの「四季」と「春の祭典」
【出演者】三浦一馬 (バンドネオン),成田達輝 (ヴァイオリン),鈴木優人 (指揮),関西フィルハーモニー管弦楽団
【日時】2024.6.12 19:00-
【場所】フェスティバルホール
【曲目】
■ヴィヴァルディ: 「四季」+ ピアソラ: 「ブエノスアイレスの四季」(萩森英明編)
■ピアソラ=萩森英明編: リベルタンゴ (アンコール)
■ストラヴィンスキー: 春の祭典

ヴァシレク+プラハフィル合唱団「ヴィレッジ ストーリーズ」

2024-05-22 | 音楽 - ストラヴィンスキー
 先日買ったCDを聴いた.L.ヴァシレク指揮+プラハ・フィルハーモニー合唱団ほかによる,アルバム『ヴィレッジ・ストーリーズ』.

 どのナンバーも,遅めのテンポを採り,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.ヴァシレク率いるプラハ・フィル合唱団および器楽隊は,安定の技術とアンサンブルで,これらの難曲を,むやみに力んだりしない落ち着きのなかに,進めていく.その点,エスニックとモダンが交錯する演目にしては,やや刺激に不足する観も.録音は鮮明で,各プレイヤーの振舞いと,全体の様子とをともによく捉えたもの.


VILLAGE STORIES STRAVINSKY―JANÁČEK―BARTÓK
Prague Philharmonic Choir,
Lukáš Vasilek (conductor),
SUPRAPHON,SU 4333-2

ラトル+ベルリンフィル=ストラヴィンスキー「春の祭典」他

2024-05-16 | 音楽 - ストラヴィンスキー
 先日買ったブルーレイを観た.S.ラトル指揮+ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の,2014年バーデンバーデン公演.

 どのナンバーも,ライヴに起因する僅かなラフさはあるものの,力強く正確な技術とアンサンブルで,難曲続きのプログラムを一息に聴かせてしまう.もちろん,パート間のバランスや,フレーズののびやかさといった,ディテールの趣にも事欠かない.また,ストラヴィンスキーやリゲティでは,大編成のオーケストラのなかでかけ合う,各セクションを映像で追えるのが楽しい.録音は鮮明だが,ダイナミック・レンジがやや狭いなど,あくまで放送用音源の水準を超えないもの.


ELGAR・LIGETI STRAVINSKY・WAGNER
Berliner Philharmoniker,
Sir Simon Rattle,
Sol Gabetta (cello),
EuroArts Music International,2059964

エラス カサド+マーラー室内管=ストラヴィンスキー「プルチネルラ組曲」他

2024-05-11 | 音楽 - ストラヴィンスキー
 先日買ったCDを聴いた.P.エラス=カサド指揮+マーラー室内管弦楽団による,ストラヴィンスキー「プルチネルラ組曲」ほか.

 やや速めのテンポを採り,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.エラス=カサド率いるマーラー室内管は,ライヴに起因する僅かな瑕はあるものの,明るい音色のアンサンブルで,技術的にも充実.フレーズの一つ一つに独特のニュアンスを付けるが,これが祟って音楽の進行がもたつくのは残念.木管ソロものびやかで美しいが,やはり歌いすぎでくどい感じ.録音は鮮明.ただし,高音域が硬く耳を突くほか,弦セクションに近接し,そのアンバランスは気になる.


STRAVINSKY Pulcinella Suite
Mahler Chamber Orchestra,
Pablo Heras-Casado (conductor),
harmonia mundi musique,HMM 902653