ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

イオリオ+名フィル=ショスタコーヴィチ「マクベス夫人組曲」

2024-07-19 | 音楽 - ショスタコーヴィチ
 夜,芸文コンサートホールで行なわれた,D.イオリオ指揮+名古屋フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会を聴いた.めあてのショスタコーヴィチは,大編成のオーケストラを生かした迫力の演奏で,イオリオ率いる名フィルは,珍しいレパートリーにも怯まず好調.
 プログラム前半のコンチェルトでは,優しく歌う序奏部がいきなり意表を突き,その後も,弱奏を主体とするチャクムルのソロと相まって,ロマンチックな持ち味のチャイコフスキー像だった.ただし,そのチャクムルだが,ところどころで端折るような速いスピードで駆け抜けてしまうのは残念.


名古屋フィルハーモニー交響楽団 第525回定期演奏会
【演奏者】ジャン・チャクムル (ピアノ),ダミアン・イオリオ (指揮),名古屋フィルハーモニー交響楽団
【日時】2024.7.19 18:45-
【場所】愛知県芸術劇場 コンサートーホール
【曲目】
■グリンカ: 歌劇『ルスランとリュドミラ』序曲
■チャイコフスキー: ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23
■ショパン: 幻想即興曲 (ソロアンコール)
■ショスタコーヴィチ [コンロン編]: 歌劇『ムツェンスク郡のマクベス夫人』組曲

セレーナ ワン「人形の踊り」

2024-06-24 | 音楽 - ショスタコーヴィチ
 先日買ったCDを聴いた.セレーナ・ワンによるアルバム『人形の踊り』.

 どのナンバーも,正確な技術とタッチに一貫し,子ども向けから本格的なレパートリーまでの,幅広いプログラミングを,丁寧に弾き進めていく.もちろん,若いピアニストならではの生まじめさも,残してはいるが.録音は鮮明で,長めの残響のなかに,楽器の音を美しく捉えたもの.中国のピアノ曲が多く選曲されているのも嬉しい.


人形の踊り ~ 子どものためのピアノ作品集
セレーナ・ワン (ピアノ),
東京エムプラス,CCS 81014

ヘルビッヒ+ザールブリュッケン放送響=ショスタコーヴィチ「交響曲集」

2024-05-18 | 音楽 - ショスタコーヴィチ
 先日買ったCDを聴き終えた.G.ヘルビッヒ指揮+ザールブリュッケン放送交響楽団による,ショスタコーヴィチ・交響曲集.

 既聴の第10番(「G.ヘルビッヒ+ザールブリュッケン放送響=ショスタコーヴィチ「交響曲第10番」/2016-01-16」)を含む.どのナンバーも,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.ヘルビッヒ率いるザールブリュッケン放送響は,不馴れなレパートリーへの多少のラフさはあるものの,充実の技術とアンサンブルに一貫している.また,フレーズへの柔らかなニュアンスや,リズムの自由な伸縮が至るところで聴かれ,激しさや迫力だけで押し切ることのない,落ち着いたショスタコーヴィチ像だ.録音は鮮明で,各セクションの振舞いよりは,オーケストラ全体を,適度な残響と,ライヴならではの会場の活気とともに,美しく捉えたもの.

 ただし,第7番は曲中やたらに加速して気がなく,縦のラインも揃わないなど,散漫な内容.


ショスタコーヴィチ: 交響曲第4、5、7、8&10番 (5CD)
ザールブリュッケン放送交響楽団,
ギュンター・ヘルビヒ (指揮),
Berlin Classics,0303304BC

坂入+東京ユヴェントス フィル=ショスタコーヴィチ「交響曲第7番」他

2024-04-13 | 音楽 - ショスタコーヴィチ
 先日買ったCDを聴いた.坂入健司郎指揮+東京ユヴェントス・フィルハーモニー&オーケストラ・リベルタによる,ショスタコーヴィチ・交響曲第7番「レニングラード」ほか.

 どのナンバーとも,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.坂入率いる合同オケは,十分に安定したアンサンブルと技術で,大編成による迫力を聴かせる一方で,弱音部のデリケートさや旋律美,セクション間の対比などの,いずれにも事欠かない.ライヴならではの,生き生きとしたリズムと,その伸縮もある.珍しい小曲群を含む盛りだくさんのプログラムの,シンフォニックな魅力にとことん親しむ100分超だった.録音は鮮明で,やや遠い音像ながらも,ステージと会場全体の雰囲気を,よく伝えるもの.


ショスタコーヴィチ・交響曲第7番『レニングラード』/パヌフニク/ハンガル/ズルファガロフ/モソロフ (2CD)
坂入健司郎 (指揮),
東京ユヴェントス・フィルハーモニー,
オーケストラ・リベルタ,
Altus Music,ALTL018/9

アフカム+マーラー ユーゲント管=ショスタコーヴィチ「交響曲第10番」他

2024-04-02 | 音楽 - ショスタコーヴィチ
 先日買ったCDを聴いた.D.アフカム指揮+グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団による,ショスタコーヴィチ・交響曲第10番ほか.

 両ナンバーとも,譜面を正確かつ細部まで念入りに再現した演奏.アフカム率いるユーゲント管は,充実の技術とアンサンブルに一貫し,ライヴならではの活気や,自由なリズムの伸縮が楽しい.それでいて,強奏時にもむやみにうるさくならず,あくまで整理して聴かせており,激しさと知性とがせめぎ合うショスタコーヴィチの作風に,とりわけマッチしている.録音は鮮明だが,ダイナミックレンジに乏しく,やや平面的な感じ.


LIGETI・SCHOSTAKOWITSCH
Gustav Mahler Jungendorchester,
David Afkham (conductor),
ORFEO International,C 797 111 B