ケニチのブログ

ケニチが日々のことを綴っています

M.プレトニョフ+ロシア・ナショナル管=ショスタコーヴィチ「交響曲第4&10番」

2018-09-14 | 音楽 - ショスタコーヴィチ
 先日買ったCDを聴き終えた.M.プレトニョフ指揮+ロシア・ナショナル管弦楽団による,ショスタコーヴィチ・交響曲第4&10番.

 両ナンバーとも,終始極めて遅いテンポを採り,譜面を隅々までていねいに再現した演奏.ロシア・ナショナル管は持ち味の硬質なブラスセクションを活かして,大編成の迫力をじゅうぶんに聴かせるいっぽうで,ところどころで譜読みのミスが目立つ.また,プレトニョフの曲作りは,各フレーズに入念なニュアンスを付け,内声パートを明瞭に鳴らすなど,細部の造形に気を配ったものであるが,これが裏目に出て,先へ行きたがるオーケストラを無理に押しとどめているような,歯がゆい齟齬となって音楽の流れを悪くしているのは残念.録音は各パートを鮮明に捉えながらも,ホールの響きにも事欠かない優秀なもの.


SHOSTAKOVICH: SYMPHONIES NOS. 4 & 10 (2SACD-Hybrid)
Russian National Orchestra,
Mikhail Pletnev (conductor),
PENTATONE MUSIC,PTC 5186 647
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A.ネルソンス+ボストン響=ショスタコーヴィチ「交響曲第4&11番」

2018-09-03 | 音楽 - ショスタコーヴィチ
 先日買ったCDを聴き終えた.A.ネルソンス指揮+ボストン交響楽団による,ショスタコーヴィチ・交響曲第4番&第11番「1905年」.

 両ナンバーとも,終始譜面を丁寧に再現した演奏であるものの,楽想の変わり目でいちいちテンポを溜めるのが煩わしく,またワンパターンである.オーケストラは細部まで十分に鳴らしているし,とりわけボストン響持ち前のブラスセクションは充実した音響なのだが,そのことが却って棒読みの感じをあたえており退屈.スコアに書かれた音符をなぞっているだけで,全体の脈絡や勢いに乏しいのだ.ショスタコーヴィチの音楽への共感に欠く,と言い換えてもよいかもしれない.そのため,4番は曲ほんらいの支離滅裂さがいっそう強調され,11番では指揮者がむやみに誇張する表面的なドラマ性が,むなしく聴かれるのみである.録音は極めて優秀.


ショスタコーヴィチ: 交響曲第4番&第11番《1905年》 (2SHM-CD)
ボストン交響楽団,
アンドリス・ネルソンス (指揮),
ユニバーサル ミュージック,UCCG-1802/3
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E.ヘムシン+ウィーン響=ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」他

2018-03-31 | 音楽 - ショスタコーヴィチ
 先日買ったCDを聴いた.E.ヘムシンのヴァイオリンと,O.エルツ指揮+ウィーン交響楽団による,ショスタコーヴィチ・ヴァイオリン協奏曲第1番ほか.

 終始やや遅めのテンポを採り,スコアを細部まで丁寧に描き出した演奏.ヘムシンの独奏は,正確な譜読みとひんやりした音色が印象的で,ショスタコーヴィチの硬質な音楽にぴったり.エルツ率いるウィーン響も,充実のホルンセクションを始め安定しており,強奏時にもうるさくならない,見通しの効いたアンサンブルが魅力である.録音は,ソロイスト・オケともに鮮明に捉えながらも,全体的な雰囲気の再現にも事欠かない優秀なもの.
 併録のボルグストレムは初めて聴くが,伸びやかな歌に満ちた美しい作風.


BORGSTRÖM & SHOSTAKOVICH: VIOLIN CONCERTOS (SACD)
Eldbjørg Hemsing (violin),
Wiener Symphoniker,
Olari Elts (conductor),
BIS,BIS-2366
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井上道義+大阪フィル=ショスタコーヴィチ「交響曲第2&3番」他

2018-03-09 | 音楽 - ショスタコーヴィチ
 夜,フェスティバルホールにて行われた,井上道義指揮+大阪フィルの定期演奏会を聴いた.めあてのショスタコーヴィチ両題は,若い作曲家の前衛的な作風を強調した刺々しい演奏.大阪フィルは,金管セクションに平凡なミスが出るが,譜面がそもそもえらく難しいのであり,全体としては集中度の高いアンサンブルだった.

 休憩中の指揮者のトークでは,作曲当時のショスタコーヴィチが二十歳を過ぎたばかりであったこと,その年ごろの青年が反社会的でないはずがないこと,そこへロシア革命とアヴァンギャルドの怒濤が押し寄せたことが,道義氏らしい軽やかな口調で語られ,難解なこれらの交響曲がぐっと身近なものに感じられたのはよかった.


大阪フィルハーモニー交響楽団 第516回定期演奏会
【演奏者】アレクサンデル・ガジェヴ (ピアノ),井上道義 (指揮),大阪フィルハーモニー合唱団&交響楽団
【日時】2018.3.9 19:00-
【場所】フェスティバルホール
【曲目】
■バーバー: ピアノ協奏曲 作品38
■ラフマニノフ: 音の絵より (ソロイスト・アンコール)
■ショスタコーヴィチ: 交響曲第2番 ロ長調 作品14「十月革命に捧げる」
■  〃  : 交響曲第3番 変ホ長調 作品20「メーデー」
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A.ネルソンス+ボストン響=ショスタコーヴィチ「交響曲第11番」他

2017-11-04 | 音楽 - ショスタコーヴィチ
 夕方,フェスティバルホールにて行なわれた,A.ネルソンス指揮+ボストン交響楽団の演奏会を聴いた.めあてのショスタコーヴィチは,遅めのテンポで細部まで丁寧に描き出した演奏.ボストン響は,持ち前の力強いブラスセクションを中心に,高水準の技術に安定した充実のアンサンブル.ライヴゆえの単純なミスもごく少ないのであるが,曲目に対する不慣れのためか,休符の数え間違いによる飛出し事故が散発したのは残念.もっとも,これは分かりやすいキューを出さないネルソンスの棒にも原因があるだろう.そのネルソンスの曲作りはというと,各楽器間のバランスやテンポ配分を注意深く制御し,また,この交響曲の大きな魅力であるソロパートに対しても,細かなニュアンスを要求するなど,終始変化に富んだもの.ただし,フィナーレ冒頭での独特のテンポチェンジは,師匠ヤンソンスのそれに倣ったものと思われるが,これは笑ってしまうほどおマヌケな演出.

 なおこの曲,静かなシーンが多いが,それにも係わらず(もしくはそのせいで?),客席のノイズがやたら大きいのが気になった.止むに止まれぬものとは思えないような遠慮のない咳とくしゃみが響き渡り,最終音のあとも,鐘の残響は奏者がすぐに止めたとはいえ,早すぎる拍手が出るなど,お客の一人として気まずいことしきりだった.

 前プログラムのチャイコフスキーは,シャハムの清新ながらも自由な息遣いの独奏が目にも耳にも楽しい演奏だった.曲自体は,長ったらしくてやはり好きになれないけれど.


アンドリス・ネルソンス 指揮 & ボストン交響楽団
【演奏者】ギル・シャハム (ヴァイオリン),アンドリス・ネルソンス (指揮),ボストン交響楽団
【日時】2017.11.4 16:00-
【場所】フェスティバルホール
【曲目】
■チャイコフスキー: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
■J.S.バッハ: 無伴奏ヴァイオリンパルティータ第5番より (ソロアンコール)
■ショスタコーヴィチ: 交響曲第11番 ト短調 作品103「1905年」
■  〃  : 「モスクワ・チェリョームシキ」より (アンコール)
■バーンスタイン: オーケストラのためのディヴェルティメントより (アンコール)
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