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窪薗晴夫「通じない日本語」

2019-05-21 | 日本語・言葉
 先日買った本を読み終えた.窪薗晴夫・著『通じない日本語』.

 歴史的にも複数の源流を持ち,たえず混血と分裂を続けてきた日本語という言語の多様さを,世代や地域の差によってどれほど「通じない」ものであるかという視点で語る.このごろ新出した若者ことばや発音・イントネーションの話題,外国語との比較など,その内容はキャッチーかつ豊富であるが,著者の関心はもっぱら単語一つ一つの分析へ向いており,文法あるいは言い回しといった,日本語の運用面への言及が少ないのは残念.とくに,この十年か二十年ほどで急速に起こっている日本語表現の「曖昧化」は,ことば自体の誤用というよりは,それを操る精神性の問題であり,このことはそろそろ一つの研究テーマとして,体系立てて点検・批評されるべき時機を迎えていると僕は感じるのだ.


窪薗晴夫: 通じない日本語 世代差・地域差からみる言葉の不思議
平凡社,2017,
ISBN978-4-582-85861-7

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2 コメント

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同感! (Mrs.modest)
2019-05-22 14:02:57
日本語が危ない!
この本は読んでいないんで、違うかもしれませんが…。例えば、日本語で表現するプロであるアナウンサーでさえ、間違った日本語を話し、以前は統一されていたはずの標準語のアクセントでない単語を平然と話す、未熟な表現しかできない。嘆かわしことです。それから、私世代には理解不可能なJK用語なるもの。本当に嘆かわしいことです。もし、可能であれば「通じない日本語」をお貸しいただけないでしょうか?
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Unknown (ケニチ)
2019-05-25 22:15:15
 コメントありがとうございます.おっしゃるとおりと思います.次々に生み出される新表現は,それはそれで社会的需要があって存在しているようで,私たち日本人の精神状態を計るバロメータになっている点は面白いと感じています.そして,そのまま長く定着するものと,立ち消えになるものとが混在しており,それを追跡する意味でも,日々神経を尖らせているところです.
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