こんな自分に落ち込む……

今なおも災害に直面されている方々には申し訳ないのですが、やはり報道特番をどこかワクワクした気持ちで見てしまいます。

困窮している方や、もしかすると身内や知人を亡くされた方が映っているかもしれないのに画面端の自衛隊車両や野外炊具2号(改)を嬉しそうに見てしまう。

あまつさえ「カレーかなぁ？　肉じゃがかなぁ？　自衛隊が作ってくれるご飯食べたいな」とすら思ってしまう。

ものすごい自己嫌悪。

でもなにか気の利いた事を言ってもそれらすべてがおためごかしのヒトコトになってしまうようで……

落ち込みながらも……

自分があさましく感じながらも……

それでもニュース画面から目が離せない。



こうして遠い地でネットを見ているだけというなにひとつ出来ない身ではあるのですが、無知な報道で理不尽にも貶められてしまった方々の名誉回復を……

「熊本市内のマンションに亀裂が入っている」とやたら空撮映像を含み各局とも報道しています。

しかし、あれは意図しない亀裂などではないように見えるのです。

うちのマンションも同じような構造でいくつかの高層棟が渡り廊下で接続されています。

東日本大震災時大きな余震のときにその廊下にいたことがあるのですが、隣の棟と自分が立っている棟はまったく違う動きをしていました。

まるでそれは列車の連結部を車内から見ているようでした。

各棟を強固に接続していながら違う動きをさせてしまえばどこが壊れてしまうかわかりません。

そのために基本構造的には接続させていない部分を作って各棟の異なる動きを許容しているのです。

だからあの映像で見る限りは「壊れた」のではなく「設計通りに耐震構造が”正しく”働いた」ということになるのだと思います。

そんなことも知らない報道は一様に壊れた壊れたと言い続けていた。

あれだけ見事にまっすぐ垂直に外れているというのになぜそれを違和感に思わないのだろうか？

その理不尽な報道によりどれだけあのマンションの資産価値が落ちていってしまったか。

設計者や施工者の仕事をどれだけ貶めているか。



報道はまた次のキャッチーな映像を求めている。

そしてそれを承知で映像から目が離せない自分もいる。

だから胸が痛い……




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