鎌倉・由比ヶ浜で夕食を摂ることとなりネットでどこか良い店がないかを長谷あたりまで範囲を広げ検索。
んー 土地柄かどこも価格帯がお高めだなー
それに飲食店は数多いけれどカフェが多い。
昼食ならそれで良いけれど夕食だからなー
ん?
ドラマ「孤独のグルメ」Seazon8第7話の舞台となったドイツ料理店?
ああ、かたせ梨乃さんの不思議なマダム役が印象的なあのお店か!
あのドラマでは五郎さんがマダムからいろいろと注意?を受けていたな。
いくつかのサイトを巡り下調べ
…………………
((( ;゚Д゚)))
なんかおかみさん怖いらしい。
入店時に挨拶をしない/声が小さいと怒られるらしい。
案内を待たずに勝手に席に着くとまた怒られる。
注文の仕方、飲み方、食べ方、とにかく怒られ続け、食べ残すと一番の説教を食らうらしい。
さすがにそんなところで食べるのはなぁー
でも"確かに怒られるものの決してイヤな気分になるものでは無くむしろ独特のツッコミとして楽しくなる"とか"おばちゃんの暖かいお小言が嬉しい"等のコメントも多い。
結局は怒られるのは変わらんやんか!と口コミサイトにツッコミつつも興味は湧いてきたよ。
妻も同様にその辺りの飲食店を調べていくうちにこのお店の情報を得ており行く気になっていたらしい。
娘は……めっちゃビビってるけど行きたくないとは言わない。
じゃあここにしようか!
でもやっぱり怖いなぁー
"クマが怖い"や"そもそも何が描かれているのかわからない"とも少なからず言われているようですがぼくはこのデザインめっちゃ好き。
2次大戦時ヨーロッパの部隊章とかになっていそうなこのクマちゃん。
SEIT1957というのはSINCEみたいものなんだろうか?
もう60年以上この地でドイツ料理店として営業しているそうです。
窓から覗くと先客は1組だけで入れそう。
もう一度家族で顔を見合わせて決心を固める。
でもやっぱりなるべくなら怒られたくないなー
ドアを開けると……
いた、ドイツ人のおばちゃんが。
ジブリのアニメに出てきそうな雰囲気を持っている。
物怖じせずにハッキリと「こんばんは」と挨拶。
「今から食事できますか?」
と尋ねると「どうぞ」と返ってきた。
いやー、ぼくも人見知りでこうしていきなり大きな声で挨拶するのは苦手なんだよー
でも娘の手前もごもごするわけにはいかないしな。
まずは最初の試験にパスした気分。
「今からは無理ですか?」と聞いた人はどうしてあなたは最初から無理だと思っているの?」と怒られたらしい。
前もって調べた通りおばちゃんもといマダムに案内されるまで店内奥に入らず待つ。
長いテーブルに案内される。
壁際に妻と娘が座りぼくは手前の真ん中に着く。
ああ、ここドラマで五郎さんが座った席だ!
まずはドイツビールを注文。
そしてマダムが持ってきたメニューを開き、やっぱりソーセージは外さないよね。
それとお肉料理と……ジャーマンフライドポテトを頼むと「それはソーセージ盛り合わせに付いているから頼まないでも良い」と一言が入る。
これこれ!
ドラマでもそんな事を言ってた!
あれはザワークラウトだったっけか。
それはソーセージに付いていることはわかってたから別には頼まなかったんだけどポテトでひっかかっちゃった。
一通り注文を終え妻が「これでどんな感じでしょうか?」と質問する。
あー妻よ、そんな曖昧な質問したら……
とビクビクしているとマダムからは「よろしいんじゃないですか」との一言。
はぁー
第2次試験もパスできたよー。
娘よ、これから夕食とは思えないくらいカチンコチンな表情になってるぞ。
マナーにうるさいとは言っていてもそこはドイツビールを飲みながら楽しく食べる店で、私語厳禁!のラーメン屋ではないのですから会話も弾み……んー……なんかやっぱり声のボリュームを絞っちゃうなぁー
ガラガラガラガラ
奥から近づいてくる聞こえて来る音。
あっ! あの料理を乗せてくるワゴンだ!
ドラマでもめっちゃ印象に残ったあのワゴンは本当に使われていたんだ!
どうも写真を勝手に撮ると怒られるらしいのでちゃんと許可を頂く。
店内やメニューはダメらしいとのウワサなので料理だけを撮る。
いつもは料理に穂乃果ちゃんや1000ちゃんのミニぬいぐるみをモデルさんとして一緒にして撮るんだけど……今日はマダムに怒られちゃうかもしれないから普通に撮影。
料理はというとやっぱりソーセージはマストでしょうと家族3人ともこれをセットで注文。
そしてローストポークを取り分ける。
ドラマ版で登場したお店だけど写真を弄って原作コミック風にもしてみる。
1枚写真に納め家族にシェアして(何枚もバッシャバッシャいつまでも撮っていると怒られそうだから)まずスープの口をつける。
ホッとする優しい味。
セロリの苦さと甘さが心地良い。
ソーセージにフォークを突き立てプツンと皮を破ると肉汁が染み出してきた。
あー美味しいよぉー美味しいよぉー
ローストポークにふわふわーお!なマッシュポテトと紫キャベツの酢漬けを乗せて食べるともう絶妙な合わせ技。
程よく冷えた(ドイツではぬるいビールを飲むと聞いていたけど、日本のようにキンキンではないもの冷えていはいた)ドイツビールで流し込むとテンションも上がり唯一知っているドイツ語の歌Panzerliedを高らかに歌いたくなる(やめとけ)
まぁ歌えるといっても映画バルジ大作戦で歌っていた1番だけだけど。
ライ麦のドイツパンはなかなか慣れない日本人には難しい味と食感かも知れない。
五郎さんがやっていた肉やポテトを挟むと美味しいらしい。
次行く機会があれば試してみよ。
やっぱりなんでもポテトなんだね。
エーベルバッハ少佐もガキの頃、悪さした罰としてシスターにジャガイモの皮むきを延々とさせられていたしな。
それぞれソーセージに肉は3人でシェアだと足りないかなと思ったけどなかなかの満腹具合。
妻が最後に残ったスープをすすっているとマダムが「冷めちゃったじゃない。 温かいうちに飲みなさいよ」と指導がはいる。
あーやっぱり怒られたー(妻がなのでぼくはにやにや見てた)
食べている間もずっと奥のテーブルからマダムに見られていた。
ドラマでもかたせ梨乃さんが同じような演技をしていました。
セリフでは"海はいいわね"と言っていたけど外は暗くまったく風景が見えないこの時間帯。
きっとマダムは美味しそうに食べている姿をああやって見ているのが好きなのかもしれないな。
食事も終わりコーヒータイム。
デザートにはアップルパイを注文。
リンゴが赤ワインか何かで煮込まれながらもちゃんとシャクシャクした食感も残っていてまさに「隠し財宝」
あー美味しい料理の数々でした。
あくまで”家庭料理”っぽさがうり?なので銀座のドイツ料理店(行ったことないけど)のように凝りに凝った味付けではなくあくまでシンプルなので、味皇氏のように急に立ち上がって目から光を放ちながら「美味いぞーぉぉぉぉぉ!!」と叫ぶわけではなく「あっ、これ美味しい」という感じではあるのだれどそこがイイ!
まぁちょっとお高いけど由比ヶ浜はどこもそんなもんなのかなと思えばまぁ……
身構えていたほど怒られなかったし。
と、安心していたら(ご飯を食べに来ただけなのにねw)
マダムがお皿を下げながら娘に「お家でお手伝いはしているの?」と質問。
親が心配になる程内気なウチの娘。
ここにきてその内気モードが発動してしまい蚊のような細々とした小声で返事。
あー やってしまいましたな娘よ。
マダムに"幾つなの?(子どもにコーヒーは出さないので紅茶をと言われていたのでもっと小さく見られていたっぽい)""18歳なの? ならもっと大きな声で返事しなさい""もう大きいんだからお手伝いもしなさいよ"などなど背中をポンポンされながら小言を頂戴する。
娘はもう涙目w
お会計でのマダムはツヴァイやドライといった数字をボソボソと呟いていて、これだけ日本語が達者でも金計算のような大事な時はドイツ語なんだと妙に感動。
「またいらっしゃってね」との言葉を頂きながら店を後にする。
"怖かったー""もうやだー"と半泣きの娘ですが、最近の子は慣れてないからねー
ぼくらが子どもころは近所のオバハンやオッサンに怒られたものだよ。
頑固オヤジのラーメン屋とかは腹が立つけどマダムのお小言は面白くもありマナー等言われて当然のことでもあるんだもの。
そう、「怒られる」ではなく「叱られる」なんだな。
付き合いがそこそこ長くなり"本当にこの人で大丈夫なのかなぁ"って感じている女性はデートでこの店に来て彼氏の度量を見てみるのもいいかもね。
まぁ、料理の好き嫌いは好みの差だからそこが合わないのは仕方ないけどね。
料理の美味しさもさることながらマダムの人柄も気に入ったのでまた食べに行きますね。
娘は行くかどうかは微妙だけど……w