えみつん:新田恵海さん(ラブライブ!穂乃果ちゃん役)の1stアルバム「EMUSIC」を購入すると、トーク&サイン会のCDリリースイベント抽選券が入っていました。
開催場所はメジャーアイドルのようにホールとかでは無くゲーマーズ、アニメイト等店舗のイベントフロア。
キャパはそれぞれ100人程度だろうし、いまや紅白出場ユニットのリーダーですから(いや…その時はまだ未発表だったけれど)競争率も5倍や10倍を下回るとは思えなく、どうせ当たる訳無いとしながらもせっかくなので応募していたんです。
すると、当たっちゃったんですよ。
こういったイベントに参加するどころか応募すら初めてのことなのでびっくり。
そして勝手がわからない。
知人に重度のオタ20代女性がいるので相談してみると……
「ちゃんと何を話すかを何度も反芻して覚えこんでいないと頭真っ白になりますよ」
「えっ? 話? 順番がきたらサイン貰うだけじゃないの?」
「そんなの勿体無いじゃないですか。 じかに1対1で話ができるチャンスなんですよ!」
「でも何話せばいいのか……」
「とりあえずは”あ~、いい匂いだー!”とでも言っておけば良いんじゃないですか?」
「嘘だ! そんな手にはひっかからないぞ! んなこと言ったらまるで変態じゃないか!」
「いや、いい匂いって言われて悪い気がする人はいないんですが…… まぁそれはいいです」
あ、置いとくんだ…… これは却下だな。
「プレゼントと手紙も用意したほうがいいですよ」
ああ、それはなんか聞いたことがあるなぁ。
「みんな用意するもん?」
「みんなってわけじゃないですけれど、大抵入り口にプレゼントや手紙を入れる箱があるんですよ。 それなのに何も入らないままじゃかわいそうじゃないですか」
「はぁ、なるほど」
「でも、気合入れすぎて高価なものとか入れちゃだめですよ。 最悪コイツちょっと怪しいぞって本人に渡さないで事務所が捨ててしまうことだって考えられなくは無いんですから」
ああ、いくら好きでも真っ赤なジャガーXFRやベントレーなんかを贈っちゃいけないのね。
「手紙やプレゼントにはちゃんと名前や住所を書くんですよ」
「えっ? 返事を待っているみたいで浅ましくない?」
「だって無記名で正体もわからない人からの手紙や贈り物なんて怖くて開封できないじゃないですか」
まぁ、炭疽菌テロとまではいかなくても卑猥なグッズを送って開封した時のリアクションを想像して……なんてありそうだもんね。
”いい匂いだ”はともかくとして参考になったよ。
あとは当日ちゃんとした身なりで行くために、妻のアドバイスも聞いた。
手紙も書いたし、プレゼントも些細な物……LUPICIAクリスマスフレーバーの茶葉を用意してみた。
ナマモノは厳禁だけれども、これなら期限は長いし入れ物が厳重で毒物混入させればすぐに分かりそうな容器のものを選んだ。
そのためもあって教えのとおり身元をはっきりさせた。
かさばらないので廃棄処分もやりやすいだろう。
あとは……朝からゆっくりお風呂に浸かって身なりを綺麗にし、歯磨きもいつの10倍は時間をかけた。
あっ……ぼくは爪を噛むクセがあるのでガタガタだ。
でも、自分のネイルケアセットなんて持っていないし、妻も娘も出かけているので勝手に使うわけにはいかない。
そうだ! とタミヤのヤスリでショリショリ……
さまざまな目の粗さが揃うヤスリにフィニッシングペーパー、なんなら色も塗れるしツヤ出しにコンパウンドやクリアコートスプレーもある。
タミヤもなかなかの女子力じゃないか。
IV号戦車のパーツを削ったばかりなのでジャーマングレーのプラ粉が詰まったヤスリだけどまぁそれでもとりあえずは整った。
よし! 準備は整ったアキバに出かけよう。
早く着いたのでゴーゴーカレーでも……と食べに行ってしまえば10分以上の歯磨きが台無しだ。
当選券には004番と番号が振られていたけれど、それは関係なく並んだ順にくじ引き。
2列目を引いちゃったよー
なかなかクジ運良し。
当選ハガキに書いてもらう名前を予め書き込んで渡しておくシステム。
名前なんていらないんだけれどオクに出品されないようにしているのかもね。
自分の名前は漢字1文字。
初めて親を恨む。
薔薇左衛門とか字数が多く画数も多ければそれだけ長い時間えみつんとお話できるのに。
ニックネームでも良いってスタッフさんが言っている。
ではまりきち改めKarl Lichter von RandollとかHeinz-Harald Frentzenにしてしまえば……
まあ、そんな自分では無い名前でサインして貰って嬉しいのかって問題はありますが。
やはり圧倒的に若者が多い。
列間も狭くいきなり立って後ろを見回す勇気は無いのだけれど、恐らくは最年長の可能性が高い。
う~ん…… やっぱり気恥ずかしい。
今更ながらアウェー感ハンパない。
でも、最年長と言えば3年生。
誕生月でこそ希ちゃんに1カ月譲るものの、最上級生のひとりであるはずの矢澤先輩は1年生よりも幼く見えもする。
そうだ! 実年齢じゃないんだ。
それに幼く見えても、それはよりアイドルであろうする気高きキャラ作りであって、実は誰よりも先輩として後輩たちを導くカッコ良さがあるじゃないか。
そうだ、「俺がにこにーだ!」と刹那・F・セイエイ以上に勘違いした思いを拠り所に居直ります。
狭い部屋に100席も押し込まれるというイナバの物置CMのような状態も限界に近づいた頃合いにずっと流れていたEMUSICの曲も消え新田恵海さんが登壇。
はわわわっっっ!!!
ホンモノのえみつんだーっ!
だって、ついさっき、13時間ほど前にニコ生のスクフェス番組で見た人が目の前にいるんだよ。
しかも紅白歌手だよ! コ・ウ・ハ・ク!
なんか現実感無いわー
それに何!?
すっごい綺麗な女性なんだけど。
そりゃ、10代の国民的美少女アイドルってわけにはいかないかもしれないけれども、この人が職場にいれば間違いなく多くの男たちの血が流れることは間違いない。
むちゃくちゃ美人で可愛いじゃん。
もうすでにピッピにメロメロをかけられた状態に陥ってしまったよ。
トークは15分弱程度。
1stアルバムの企画が出た時のことを思い出しながらのおしゃべり。
アルバム曲順は自分で何度も入れ替え考えに考えたこだわりポイントなのでシャッフルでなく順番通りに聴いて欲しい。
タイトルはすごくざっくりとしたなんでも使えるようなものになった。
自分で作詞作曲した「きらめきを夢見て」は……
などといった話題でした。
ユーモアたっぷりのトークに観客からも笑いがでるのだけれどもぼくは全然笑いが出てこない……
だってあと数分後には……
もう緊張が限界で……
紅白歌合戦出場決定の話題は出ないけれど、これはラブライブ!イベントで無くえみつん個人活動でのイベントだから権利関係的にあまり触れることができないのかな?
トークも終了し1列目から順番にえみつんの前に出ていよいよサインタイム。
心臓が……苦しい……
前の人とのコミュニケーション時間に合わせて自分が話したいことを何度もリピートさせシミュレーションをする。
そして、自分の番。
とりあえずは「紅白おめでとうございます」とのつかみで、もうこれ以上は無いってくらいの太陽のような笑顔で「ありがとうございます」って返してくれた。
♪愛は太陽 大きな太陽 ひまわり顔上げて追いかける♪
何?
なんでそんなに目キラッキラなの?
まるでアニメキャラなんじゃないかってくらいに目にハイライト入りまくりで輝いているの。
CG?
CGなのか!?
バーチャルアイドルなのか!?
じつは今、同時刻に全国でこのイベントが……ってそんなわけあるかーっ
ずっと俯いてサインを書いているわけでなくこっちの顔も見て返事をしてくれている。
相槌だけじゃなく会話のキャッチボールができてるよー
もう舞い上がって何を言っているんだかしっちゃかめっちゃか。
ああ、噛んじゃった……
かみつんの前で噛んだぼくは免許皆伝でいいですか?
サインはもうシメのリンゴを描いている。
この楽しい時間もあと僅か。
なんでリンゴそんなに簡単なカタチなんだよー
えみつんが山梨出身だったらもっと描くのに時間がかかる葡萄になったんだろうか?
でもサインを書き終えてもぼくの話が終わるまでじっと見つめて聞いてくれている。
ま、眩しい!!
はぁ……
これは好きになるわ……ってか、なった!
惚れた!!
サインを頂いた順に退室。
2列目で間近だったのは嬉しいけれど最後尾だとえみつんとの同じ空間をそれだけ長く堪能できたのか。
フラフラと不確かな足取りでイベントフロアの8階から階段を降りる。
ここゲーマーズ本店の階段は非常に狭く、各階売り場に行く人が上がってくれば譲り合わなければいけない時間のかかる場所。
なのにまったくその記憶が無くて、気付くと1階店舗前のラブライブ!一番くじ売り場で620円を払っていたところでした。
もちろんさっきまでのトークもサインの時間もはっきりと覚えているよ。
でも、退室してからこの1階までの記憶がまったく無いんです。
未だにフワフワとした感じ。
そして一番くじで当たったものはきゅんキャラフィギュアでした。
どのキャラなのかは開く前から分かっている。
えみつんにあったばかりですもの。
ほら、当然穂乃果ちゃんが出ましたよ。
帰路の電車内でiPodから流れる曲はももちろん「EMUSIC」
この歌声の人と、ついさっきマイクすら通さない生の声で、しかも面と向かって会話しちゃったんだー
今でも信じられない出来事でした。
来年2月に4thシングル発売?
買っちゃう買っちゃう。
……こうしてまんまと落とされてしまった気分……
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