ピレネーの山の犬 Zion♪シオン

シオンとともに歩く道、ともに見る風景、暮らしと庭の花たち。

犬にとって幸せとは

2013-03-08 | 生態・行動
「ホントに、おとなしいですね」
よく言われる言葉なのだが、いつも、返事に困っている。

Zionは、我慢強く、優しい性格だが、
遊ぶ時は大暴れするし、警備をすれば厳しく、
怒った時の唸り声や吠え声には、震撼させられる。
決しておとなしいとは言えないからだ。

散歩で出会う多くの人には、
どこまでもおとなしく見えるかもしれないが、
外を歩く時、人と出会う時、
人の社会で生きていくための行いとして、
Zionなりに、わきまえているだけなのである。

しかし、人の社会から好まれる行いを
教えられるばかりでは、おそらく身が持たない。
犬は、犬として生きる幸せを感じてこそ、
そうする余裕を持つことが出来るのだと思う。



生きていくすべての環境を飼い主から与えられる
犬の幸せとは何か。

家族の愛情に包まれて暮らすことはもちろんだろうが、
生まれ持った犬としての望みは、
どのくらい満たされたら、幸せなのだろう。

先代ピレが天国に旅立った時、
悲しみの底で、何度も問いかけた。
家族は君からどれだけの幸福をもらったか言い尽くせないが、
君は本当に幸せだったのか?

今を生きるZionもまた、何も答えてはくれない。



Zionの気持ちを探りながら、その時、ぐっとリードを引き締めた。
ワン!ワン!ワン!ぴ~ぴ~ぴ~!
前方にいるのは、たぬきではないか!
海の中道の公園には、野生のたぬきもいたのか。

リードを引きちぎらんばかりに、走り寄ろうとするZion。
追いかけて、確かめてみたいだろう。
それも、犬として生まれ持つ欲求か。
そうさせてあげたいが・・・それは、だめだ。

この一瞬、飼い主に必要な能力とは・・・
瞬発力と剛腕。

その後、執念。
リードだけは放さないぞ。
どんなに引きずられても。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!