mapio's STREETS OF MOVIE

観た映画の感想とそれから連想したアレコレ(ネタバレ有)。

ブレス・ザ・チャイルド BLESS THE CHILD

2006年11月12日 | Weblog
監督: チャック・ラッセル
製作: メイス・ニューフェルド
原作: キャシー・キャッシュ・スペルマン 
脚本: トーマス・リックマン 
クリフォード・グリーン 
エレン・グリーン
撮影: ピーター・メンジース・Jr
キャスト:
キム・ベイシンガー 
クリスティーナ・リッチ 
ルーファス・シーウェル 
ジミー・スミッツ 
ホーリストン・コールマン 
アンジェラ・ベティス
イアン・ホルム
マイケル・ガストン
2000/米/1h47m  ☆☆☆

 復活祭直前のNY。6歳の幼児ばかりを狙った連続誘拐殺人事件。ひとつの共通点、子供たちは何故か全員12月16日生まれだった…。その裏に潜む邪悪な悪魔崇拝……。たったひとりの姪を守るため、恐怖と戦う女性の姿を描いたオカルト・スリラー。主演は「L.A.コンフィデンシャル」でアカデミー助演女優賞受賞のキム・ベイシンガー。共演に「バッファロー66」「スリーピー・ホロウ」のクリスティーナ・リッチ。監督は「マスク」「イレイザー」のチャック・ラッセル。製作者のメイス・ニューフェルドは、『オーメン』(76)以来、この作品に見劣りし ない超自然スリラーの新作を見出す日を、待ち望んでいたと言います。彼の願いは、1993年、後に小説「ブレス・ザ・チャイルド」として出版される準備原稿に彼が出会った時,実現しました。
 1993年のニューヨーク、キリストの誕生を告げるヤコブの星が二千年ぶりに輝いたクリスマスの夜、精神科の看護婦マギー・オコナー(キム・ベイシンガー)の家に、音信不通になっていた妹ジェンナ(アンジェラ・ベティス)が現われる。ジェンナはドラッグ中毒になっていて、連れていた女の赤ん坊を「誕生日は12月16日」とだけ伝え、マギーのもとに置いて消える。六年後、復活祭直前のニューヨークで、1993年12月16日生まれの少年少女ばかりを狙った連続誘拐殺人事件が起こる。被害者の遺体には悪魔崇拝の生贄のマークが刻印されていた。神学校出身でFBIのカルト犯罪専門捜査官ジョン・トラヴィス(ジミー・スミッツ)が捜査に加わ る。一方、ジェンナの娘コーディ(ホーリストン・コールマン)も六歳になっていた。自閉症と診断されていたコーディは、情緒障害児の施設に通っているが、不思議な能力を発揮し始めていた。マギーとコーディは実の親子のように暮らしていたがそんな時、ジェンナが新しい夫で薬物中毒患者の救済などを掲げて急成長した自己啓発セミナーの主宰者エリック・スターク(ルーファス・シーウェル)を伴って突然現われ、親権を主張してコーディを連れ去ってしまう。
 悪魔を崇拝する人間が、キリストの生まれ変わりを探し出して自らの支配下に置き、世界を意のままにしようと企むという話だが、随所に聖書を再現するエピソードが散りばめられている。また身体を丸める癖、反復運動、注意力散漫等が特徴の情緒障害児として現世に現われているという神の子の造型がユニークで、弱者に心を寄せるだけで決して全能ではないところなど、よく考えられていると思います。特撮を駆使し空中に悪魔を舞わせたり寝室に夥しい鼠の群を描いてみたり、と如何にもオカルティックな描写を交えながら、実は事態の解決そのものにオカルトの要素は殆ど用 いられておらず(ただコーディの能力だけが明らかなのだ)、ベースはあくまでわが子を救うために奔走する母の物語であり、単純明快なサスペンスです。時間があれば見てもいいかも。