記憶の彼方へ

カラーとモノクロの写真と一緒に 日頃のなにげないエピソードやホッとするコトバを♪

タクシーの因縁男

2009年07月11日 10時23分37秒 | Weblog
先日名古屋で起きた事件。
タクシーに乗る時、男は閉まるドアに足が挟まったと因縁をつけ、お金を騙しとった。金額的には比較的小さい額であり、湿布代で勘弁してやると1000円でも構わない様子だ。
私にも似たような経験がある。初めての独り暮らしを始めた時、不動産屋に教わった細い路地裏の近道を運転していると、向かいからふらふらと歩いてくるおじさんがいた。危ないなあと思い徐行して通り過ぎたら、いきなりしゃがみこんだ。すると足を轢かれたと騒ぎだした。運転している人ならわかると思うが、自分の車が何かを踏んだかどうかはわかる。薄いものは判断しかねるが人の足ならわかるはず。でも轢いた感覚はゼロだった。半信半疑だったが、すぐに車から飛び出しうずくまるおじさんのそばに駆け寄った。
痛む足をさすり続けている。「病院にいってレントゲンを撮りましょう」と私が言うと、「病院は自分で行くから金をくれ」と言った。当時は歯科医師としての立場もあり、私一人の問題ではなくなる。きちんと診断がついた上で治療の必要性を見極めたい。 ところがお金さえ払ってくれればいいと言う。確定出来ない治療費は、今後ずるずるとつづく事だって考えられる。
私は病院に連れて行こうという意志をガンとして譲らなかった。
すると道に面した駐車場で洗車をしていたおじさんが一喝した。「お前、さっきも同じように騙してたじゃないか。足なんかピンピンしてるくせに。お姉さん気にしないで行きな。」と。
騙されたのだ。なんてふざけた奴だ。人が心配しておじさんの隣でしゃがみこみ、病院へ行こうと言っているのに。正直呆れた。なんて無駄な時間だったんだろう。バカらしくなり車に乗りこんだ。バックミラーに映ったおじさんがばつの悪そうに去っていく姿を一瞥した。
それ以来、その路地裏は使っていない。
後日知り合いに話をしたらそういう人を「当たり屋」と言うのだと知った。昔は結構いたそうだ。
善良(?)な市民をだます卑怯な人種だただし、冒頭の事件と同じく、犯人は大げさにはしたくないのだ。
嘘がバレるから。でも当事者だけで解決出来ない事のほうが多いと私は思う。目で見て明白でないものは、後々厄介な事になるのが常である。オレオレ詐欺も同様、自分が腑に落ちない事、判断出来ない事はその場しのぎではなく、適切な対応と第三者の存在が必要なのだ。
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