WIND BENEATH MY WINGS

震災後、私たちの暮らしの「あるべき姿」を考え中。持続可能で幸せな暮らしを一緒に考えていきませんか?

『ゴールデンスランバー』 本格的なミステリーなのに、読者をクスっと笑わせるユーモア

2011-02-02 21:22:18 | 嬉しい!楽しい!面白い!ワクワク!
風邪をひいて早退する途中「長引いたら本が必要だ」と購入。
病欠は読書の唯一のチャンス!

以前から注目していた伊坂氏の作品をはじめて読みました。
未読ですが『重力ピエロ』は、ミステリファン以外の読者からも
支持され1970年代生れとしては、初の直木賞の候補となったのが
記憶に新しいです。
2008年本書で第5回本屋大賞と山本周五郎賞を受賞。

本格的なミステリながら、上から目線じゃない洒脱なユーモア、
ビートルズはじめ音楽好き、そして権力嫌い?が漂う作風。

例をあげるのは、無粋なのでやめますが、
本書も随所に、クスリとさせる仕掛け(?)がたくさん。

また、おそらく、本質的に権力とかが嫌いであろう性質が
行間ににじみ出ていて、実に味のある文章です。

また、この人「偉い作家さん」になんかなりたくないんだろうな、
となんとなく思い、小さくまとまってしまわないであろうと
確信しました。

なんだか後輩を応援するように、「伊坂くん頑張ってね」
なんて心の中でつぶやきました。

良い作品、良い作家との出会いがあった今回の風邪。
たまには風邪をひくのも悪くありません。

仕事をフォローしてくださった方々に感謝をこめて。
早めに休んだので治りが早かったです。


ゴールデンスランバー (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
新潮社