「風」というキーワードで、
「緑のカーテン」をきっかけに知り合った
リブラン鈴木雄二社長のことを思い出しました。
●環境Gooに記事があります。
http://eco.goo.ne.jp/business/keiei/keyperson/44-1.html
今でこそ「環境」を謳うマンションは多いですが、
リブランは以前から、環境共生型住宅を世に送り出していました。
都会のマンションでひしめきあって暮らしている我が家でも
「住むこと」は生活の中心。
生きることの真ん中に「住まい」はあります。
今思うと「快適に暮らしたい」という想いに、
知識や理論を肉付けしてくださったのが、
鈴木社長だったように思います。
(鈴木社長)
「1億2700万人が自分自身の、他と異なる人生を歩もうとするとき
“住宅は最も大切な手段”と成り得る。
一方そこに気付く住宅提供者は少ない。
自己実現上の住宅観、住宅と家族、コミュニティという
必然性の深いコトバを関連性薄く散りばめ、味付ける企画ではなく、
それらを「混成的に収斂し一軸化」する思想高き住宅企画の少なさ、
住宅産業界の不甲斐なさに、私は悔しさを感じました。」
そして、リブランは2002年に「
欅ハウス」という
環境共生型コーポラティブハウスの企画を行いました。
基本デザインは
Ecomix Design。
ここにリブランの原点があるように、私自身は勝手に思っています。
光・風・水・緑を巧みに組み合わせ、共同住宅を杜で包み、
「エアコンに頼らずとも快適に暮らす」
ことを住宅の基礎設計に組み込んだ「欅ハウス」は
私たち外部からみるとシンボリックな特別な場所。
欅ハウスの名前の由来は、敷地のほぼ中央に立つ
2本の大きなケヤキの木とのこと。
親子代々にわたって見上げてきたこの大樹など庭木として
あった樹木を残してほしいとの地主さんの要望に応え、
マンション建設にあたって今の場所に移植したそうです。
マンションのシンボル・ツリーです。
このケヤキの木の足元には、マンションの中庭が広がっているそうです。
ビオトープのあるこの小さな空間はガーデンデザイナーである居住者が
基本設計のアドバイスをし、
さらにマンションに住む小学生が居住者みんなの意見を聞いて
植栽などをつくりこんでいるそうです。
さらに屋上には菜園があり、ナスやトウガラシ、ピーマン、
ニガウリなど、居住者が思い思いの作物を育て、
基本的に雨水を利用しているそうです。
「緑のカーテン」が有効利用されているのは言うまでもありません。
住戸内にはエアコンを極力使わずに快適に暮らすための
工夫がいろいろと取り入れられています。
窓サッシにはペアガラスを使用して熱の出入りを少なくし、
断熱カーテンを設置した省エネ仕様です。
といっても、窓を閉め切るのではなく、
北西からの風を室内に取り込み、蓄熱作用のあるコンクリートを
冷やして部屋全体を涼しくする仕組みになっています。
そのため、雨戸は格子状でカギがかかる防犯仕様となっており、
夜でも窓を開けて寝ることができるのです。
(いいな)
さらに床には調湿機能のあるツガの無垢材が使われており、
部屋の空気が乾燥するのを防いでいます。
どの住戸も開放的で風通しがよい点は共通しているといいます。
そして、ここに住む鈴木社長は、
●エアコン使用985時間/年
↓
●エアコン使用 5時間/年
という大変化を経験したそうです。
「共同のエントランスでビールを片手に夕涼みし、
皆が屋上の畑で取れた芋を蒸かし、
涼の源泉となるビオトープでは子が遊び、
共に緑のカーテンを作りながら、果実を分け合う暮らしは、
薄縁の人々を、仲間へと姿を変えていったようです。」
(鈴木社長)
そして鈴木社長はNPO法人「
緑のカーテン応援団」
の理事長という、もうひとつの肩書きでも、
快進撃を始めました。
「緑に包まれ、涼しく快適な夏を、家族と共に学びながら暮らす過程で、
居住しながらに「住宅とは何であったか」を振返るとき、
幸福を実感して頂けると確信します。
そして家族の絆やコミュニティを感じ、暮らして欲しいと願います。」
企業のトップとしてのこの言葉を聴いて、
「自然と共生する暮らし」「家族や地域コミュニティとの絆」
へのこだわりとその想いを、
社会起業家としての顔に重ね合わせて感じるのは私だけでしょうか?
少し前「マンション、環境で売る」
というテーマを追いかけた経験があります。
そのとき、
「ハイテクばかりを追う大手デベロッパーは
なんか違うのではないでしょうか?」
と社長に問いかけたことがあります。
そのときは、パッシブとアクティブ、
ハードとソフトのバランスについて
教えて下さいました。
「ハイテクはハイテクで大切なんですよ」
と言いながら、
それを支える「人」「コミュニティ」の
大切さを、そのとき、話しました。
ところで、真夏の学校の校庭の暑さ、
校内の暑さはみなさんご存知だと思います。
ヒートアイランドが進む中、
都内の学校ではエアコンの導入が進みました。
「それで良いのだろうか?」
と菊本先生たちは「緑のカーテン」を学校につくり、
緑のカーテン応援団さんはそれを応援しました。
緑のカーテン応援団さん、そしてリブランさんは
「地域のコミュニティ」というものを
本当に大切にします。
緑に囲まれ、生き物を育てながら学校で過ごす子どもたちと
その環境のない子どもたち。
私ならば、引っ越してでも前者の環境で
子どもたちを育てたいです。
●緑のカーテンコミュニティサイト│緑のカーテンを町中に広げよう!
http://www.midorinoka-ten.com/
●緑のカーテンを取り入れたマンション「リブラン」
http://www.livlan.com/csr/midorinokaten.html
●緑のカーテンのある暮らし
http://blog.goo.ne.jp/green15-1958/