以前にも書いた通り、この本は、
チェンジ・エージェント
http://change-agent.jp/
のセミナーで、紹介されて、即購入しました。
どんなに複雑で解決が困難だと思われる問題でも、
「心を開いた対話」によって、解決への道筋を
見つけることができることを、実体験を織り交ぜて
わかりやすく伝えています。
対話のノウハウ本だと思って即使える!というよりは、
対話というものについての洞察を深める本だと思います。
アダム・カヘン氏は南アフリカのアパルトヘイト問題や、
コロンビアの内戦、アルゼンチンやグアテマラの再建など、
数々の世界的な社会問題や国際紛争を解決へと導いた、
「対話の神様」です。
(お恥ずかしながら私はチェンジのセミナーに行くまで
全く知りませんでした)
ジェネロン・コンサルティング社及びグローバル・リーダー
シップ・イニシアチブの共同設立者。
マギル大学物理学において、(最優秀名誉)理学士号を取得、
カリフォルニア大学エネルギー・資源経営学において修士号
を取得。 卒業後、PG&E社(※1)経済協力開発機構(パリ)、
応用システム分析国際研究所(ウィーン)(※2)
日本エネルギー経済研究所、トロント大学、
ブリティッシュ・コロンビア大学、カリフォルニア大学、
ウェスタン・ケープ大学で戦略策定や調査研究に携わる。
1990年代初め、ロンドンのロイヤル・ダッチ/シェル社の
社会、政治、経済、技術に関するシナリオチームの代表を務め、
南アのモン・フルー・シナリオ・プロジェクトに携わる。
それをきっかけに、1993年、ジェネロン・コンサルティング社
を設立。世界中で、複数のステークホルダーによる対話や
アクションを生み出すプロセスを多数導いている。
これが、アダム・カヘン氏という人のプロフィールです。
知らない言葉(※2応用システム分析国際研究所とか)
も出てきますが、とにかく「凄い」ということだけは、
わかりますねー。
(余談ですが、※1のPG&E社は、映画エリン・ブロコビッチ
のモデルになった企業。私は嫌いですが、カヘン氏もあまり
好きではなかったようで、妙に親近感をおぼえました)
カヘン氏は凄いエリートのようですが、
エリート街道まっしぐらの中、本質を見極めるために、
問題の本質を解決するために、仕事を変え、学び、
仲間にめぐり合い、自ら発見をして、超ハイレベルに、
「成長」していく、過程もわかります。
さて、私に「国際紛争の解決」やグローバルは活躍
をもとめる人は絶対にいないと確認していますが(^^;
読み進めるうちに虜になりました。
あまりにも虜になったので、
本棚のピーター・センゲ氏の本の横におきました。
同書は「学習する組織」の第一人者である
ピーター・センゲ氏により超推薦されている同書。
ふたりは仲良し。
国際紛争解決には無縁の窓際会社員の
私の本棚にあっても、
センゲ氏のお隣ならばカヘン氏も許してくれるでしょう。
さて「対話」です。
私は「対話ができていない」
と自信をもって言えます。
逆に「私は対話ができている」
と自信をもって言える人は、
うさんくさいと思っています。
それくらい「対話」って難しいと思います。
家庭のいざこざも、職場の雰囲気の悪さも、
対話が難しいから解決しないのだと思います。
逆に、心を開いて対話すること、
対話の本質を理解することが、
問題解決のツボだということだと思います。
「勉強はできたのに仕事ができない」
「人がついてこない」
「仕事も家庭も上手くいかない」
「仲間がいない、友達少ない」
みたいな人は、
この本一冊買って、じっくり読んでみることを
お薦めしています。
頑張っている内容がてんで間違っていることに
きっと気づくと思います。
(私も気づきました)
この本を読んでいると、
対話が奥深く、
自分がやっていることが
「対話」というしろものではない、
ということが
よーく、わかります。
聴くことですら、この本を読むと
てんでできていないことがわかります。
「オープンになること」が聴くことの
第一歩だと同書にはありますが、
誰かの話を聞きながら、
頭の中でブツブツ反論していたり
実際に口に出したり、
その人が頑固だとか、頭が悪いとか、
間違っていると決めつけたり、
そもそも、
「私は決めつけていない、よく聴けている」
と自信満々で、
人に「もっと聴きなさい」なんて
いってたり。
そんなことばっかりです。
そんな未熟もの私ですから、同書を
「対話の奥深さを知った上で一歩を踏すための本」
と私はとらえています。
長いつきあいになりそうです。
そんな長い道のりの過程にある私は、
対話関連でつまづくたびに
ちょこちょこ読み返しては、
自分の行動を修正したりしています。
しかし、対話っていうのは、
どんな勉強より難しいです。
なかなか上達しませんね。
同書では、その対話の神様カヘンさんが
「対話の本質」を見出していった過程を、
豊富な成功例や失敗例を通じて紹介しています。
元南アフリカ大統領ネルソン・マンデラ氏からも
絶賛されているそうです。
マンデラさんが絶賛するということは
「対話ができるようになったらノーベル賞が貰える」
くらいなんだと私は勝手に理解しています。
そして、カヘン氏が見出した対話の本質は、
国際紛争のみならず、組織の抱える問題、
さらには、家庭内の問題にも通ずる普遍的なものです。
5時の鐘がなったので、続きはのちほど・・・。