騒がしい事この上ない、
木村さん(仮名)との入院生活は始まった。
ちょっと木村さんの話しを聴く事にしてみよう。
まず、80歳くらいと思っていたが、まだ65歳だった。
ガリガリのシワシワなのだ。
生まれながら腎臓が1つしかない。
(意外とこういう方は多い)
残った腎臓に癌が見つかった。
他の病院で腎臓全摘を言われたので、
透析になるのが嫌だと拒否した。
この病院に来て、部分摘出でよい事になり、手術した。
創立者と知り合いというのは謎(笑)
手術は、正中切開、プラス横切りの大開腹。
まだこの病院でも、アナログ部分切除は大開腹になるらしい。
傷口を見せて頂いたが、目を背けたくなるくらい痛々しい。
手術から4日目。
!! 4日目ーーーーっ!!
なんでっ!!痛くないの?木村さん!
「痛いよ?」
さりげなく言う…
なんでスタスタ歩けるん!!
手術前かと思ったわ!!
「はよ歩かんと退院させてくれへんやんけ」
そ、それにしても、その傷で…
なんやったら手術前の俺より歩くの早いやん…
担当看護師のTちゃんに聞いてみた。
俺「木村さん、術後、何日目から歩き始めたん?」
T「2日目から」
俺「ええっ!あの開腹傷で2日目でーー!?」
T「凄いやろ…?」
俺「それって、普通にある事?」
T「いや…ちょっと…あんな凄い人は見た事ない…」
改めて言うまでもないが、普通、アナログ部分切除手術は、丸1日絶対安静のはずだ。
まだドス黒い尿が出てるし、腹部ドレーンの袋にもドス黒い廃液が出ている。
硬膜外麻酔のドレーンは見当たらないが、首に針が刺さっている。
俺「木村さん、首の針は何?」
木村「知らんっ!」
そうですか…そんな感じなんですね…
痛くないの?と聞くと、「めっちゃ痛いよ」と笑顔で答える。
この木村さん、ただの話好きのじじぃではなかった。
同室の患者さんの不安を聞いてやり、
応援する存在なのだ。
すっかり仲良くなり、
「歳食ってるから痛み感じんようになってるんでしょ?」
と、軽口を叩いてやったが、
「アホ!めちゃめちゃ痛いわ!ムカつくから痛みと我慢比べや!」
世の中には凄い人がいるもんだ。
俺が地獄の48時間を味わってる時も、
「俺でも辛抱したんや!兄ちゃんも辛抱せいよ!」
と、励ましてくれた。
この怪物的強さを見せつけられてたので、俺は耐えたのかも知れない。
「痛いの取られへんねんやったら、もう殺してくれ!」
と叫んだ事は皆さんご存じだと思う。
全然耐えてないよね(笑)
木村さん、手術から6日目の昼で退院していった。
退院当日に全ての抜鈎を済ましたばかり。
前日まで腹部ドレーンと尿道カテーテルの袋は、まだドス黒かったが、ほとんど強引に退院していった。
その足取りは、とても軽かった。
わずか6日で退院なんて 木村さん!すごい!
何だか、じゃりんこチエに出てくる
テッちゃんを思い出すのは、私だけ?(笑)
makotoさんも最初は、びっくりしただろうけど
元気をもらって良かったね
「凄い!」
この一言に尽きるわ
そうそう、あんな感じ!
自分が痛い痛いと叫んでたのが恥ずかしいくらいですが、残念ながら僕の精神は繊細に出来ているみたいです(笑)
本当はもう少し書きたい内容とかもあったんだけど、ブログを書くのが疲れてしもた。
回復力というより、
「恐るべし精神力」なんですよねー
あんなものを目の当たりにしたら、
自分も負けてられへん!と思いました。
でも結局痛さに負けまくってしまったんですが(笑)