腎臓がん物語 桜が舞い散る頃までは…

2015年5月末日、左腎細胞癌発覚
8月手術、同年11月多発肺転移。
バツイチ独り暮らし46歳

怪物並みの癌患者さん 後編

2015-09-13 01:43:06 | 手術~退院まで

騒がしい事この上ない、
木村さん(仮名)との入院生活は始まった。

ちょっと木村さんの話しを聴く事にしてみよう。


まず、80歳くらいと思っていたが、まだ65歳だった。

ガリガリのシワシワなのだ。

生まれながら腎臓が1つしかない。
(意外とこういう方は多い)

残った腎臓に癌が見つかった。

他の病院で腎臓全摘を言われたので、
透析になるのが嫌だと拒否した。

この病院に来て、部分摘出でよい事になり、手術した。

創立者と知り合いというのは謎(笑)



手術は、正中切開、プラス横切りの大開腹。

まだこの病院でも、アナログ部分切除は大開腹になるらしい。

傷口を見せて頂いたが、目を背けたくなるくらい痛々しい。

手術から4日目。



!! 4日目ーーーーっ!!


なんでっ!!痛くないの?木村さん!


「痛いよ?」

さりげなく言う…

なんでスタスタ歩けるん!!

手術前かと思ったわ!!


「はよ歩かんと退院させてくれへんやんけ」

そ、それにしても、その傷で…

なんやったら手術前の俺より歩くの早いやん…


担当看護師のTちゃんに聞いてみた。

俺「木村さん、術後、何日目から歩き始めたん?」

T「2日目から」

俺「ええっ!あの開腹傷で2日目でーー!?」

T「凄いやろ…?」

俺「それって、普通にある事?」

T「いや…ちょっと…あんな凄い人は見た事ない…」


改めて言うまでもないが、普通、アナログ部分切除手術は、丸1日絶対安静のはずだ。

まだドス黒い尿が出てるし、腹部ドレーンの袋にもドス黒い廃液が出ている。

硬膜外麻酔のドレーンは見当たらないが、首に針が刺さっている。


俺「木村さん、首の針は何?」

木村「知らんっ!」



そうですか…そんな感じなんですね…



痛くないの?と聞くと、「めっちゃ痛いよ」と笑顔で答える。



この木村さん、ただの話好きのじじぃではなかった。

同室の患者さんの不安を聞いてやり、
応援する存在なのだ。

すっかり仲良くなり、

「歳食ってるから痛み感じんようになってるんでしょ?」

と、軽口を叩いてやったが、

「アホ!めちゃめちゃ痛いわ!ムカつくから痛みと我慢比べや!」


世の中には凄い人がいるもんだ。

 



俺が地獄の48時間を味わってる時も、

「俺でも辛抱したんや!兄ちゃんも辛抱せいよ!」

と、励ましてくれた。

この怪物的強さを見せつけられてたので、俺は耐えたのかも知れない。


「痛いの取られへんねんやったら、もう殺してくれ!」

と叫んだ事は皆さんご存じだと思う。

全然耐えてないよね(笑)

 



木村さん、手術から6日目の昼で退院していった。

退院当日に全ての抜鈎を済ましたばかり。

前日まで腹部ドレーンと尿道カテーテルの袋は、まだドス黒かったが、ほとんど強引に退院していった。

 





その足取りは、とても軽かった。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
会ってみたい! (moka)
2015-09-13 15:49:39
そんな大きな手術だったのに
わずか6日で退院なんて 木村さん!すごい!

何だか、じゃりんこチエに出てくる
テッちゃんを思い出すのは、私だけ?(笑)

makotoさんも最初は、びっくりしただろうけど
元気をもらって良かったね
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スーパーマン!? (SORA)
2015-09-13 17:45:58
恐るべし回復力の木村さん!!!

  「凄い!」

この一言に尽きるわ
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Re:mokaさん (makoto)
2015-09-14 00:11:59
じゃりんこチエのテツ!
そうそう、あんな感じ!

自分が痛い痛いと叫んでたのが恥ずかしいくらいですが、残念ながら僕の精神は繊細に出来ているみたいです(笑)

本当はもう少し書きたい内容とかもあったんだけど、ブログを書くのが疲れてしもた。
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Re:SORAさん (makoto)
2015-09-14 00:24:16
恐るべしでしょ?

回復力というより、
「恐るべし精神力」なんですよねー

あんなものを目の当たりにしたら、
自分も負けてられへん!と思いました。

でも結局痛さに負けまくってしまったんですが(笑)
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