腎臓がん物語 桜が舞い散る頃までは…

2015年5月末日、左腎細胞癌発覚
8月手術、同年11月多発肺転移。
バツイチ独り暮らし46歳

2015最新・腎臓摘出手術方法(後編)

2015-07-31 18:09:58 | 医師から手術説明
【輸血の可能性と分子標的薬の予防的投与について】

まぁ、どの手術でも可能性はあると思うが、予想されるなら人様の血を入れられるより、

自分の血を予め採血しておいて輸血される方が良い。


俺「先生、自己血輸血の為に血を採らないんですか?」

主治医「やりません。もしもの場合は病院にストックしてあるのを使います」

弟「手術中に輸血が必要になったら俺のを!」

主治医「あ、大丈夫です。病院のを使用しますんで」


要するに、医師達は輸血をする様な出血はしないと踏んでる訳だ。

計画手術なんだから輸血の必要性が想定されるなら自己血を採取するはずだわな。

弟よ…ありがとうな♪

でも輸血同意書は書かされた。この辺は儀式的なモノだ。





俺「ところで先生、骨シンチはしないの?」

主治医「CT画像を見るかぎりでは、必要ないと思います。makotoさんがどうしても不安だとおっしゃって、その不安をスッキリさせたいならやりますが」

俺「あ、じゃあ結構です、やらなくていいです」



他の方のブログで拝見したが、

「原発腎臓がん骨転移の診断に、骨シンチは、あまり有効ではない」

と、医師から説明をお受けになったという事でした。 そうなんだ…




さて、ここからは術後の一番心配な部分になる。

主治医「再発・転移の可能性は10%です」


うおっ!なんも聞いてないのに、いきなり言いやがった!

俺「高っ!」

思わず 自分も言ってしまったが、こんな数字が全くあてにならないのは知っている。

だいたい、術後の病理検査もまだなのに、わかる訳がないじゃないか。

まぁ、安心させようとして言ってくれたのかも知れないが、

腎がんの場合での10%は安心出来る数値ではない。

そういう時は「98%は再発・転移の心配はないです」とでも言ったらいいのに。



そして・・・


主治医「術後の病理の結果、悪性度が高い場合、予防的に分子標的薬を使います」


「!!!!!!!!!」


まじか!? 腎ガンでっ!?

インターフェロンやインターロイキンを予防的に投与するのはたまに見る。

でも分子標的薬の予防的投与の実施は聞いた事がないぞ!?

勿論、他のガンでは予防的抗がん剤を投与しているのは知っている。

でも、もう1回言うが、腎ガンでは見聞きした事がない。自分が知らないだけか?


帰ってきてから、更に調べまくった。

やはり腎ガンでの予防的投与の例が見つからない。

で、やっと出てきたのがこれ。


2015、今年の初旬に出た記事だ。(リンクなしの文字だけ転用)


分子標的薬「スニチニブ」「ソラフェニブ」、腎臓がんの再発を防ぐ効果なし
米国で実施された3相臨床試験の結果

腎臓がんの切除手術の後、補助化学療法として分子標的薬「スニチニブ」または「ソラフェニブ」を1年間飲み続けても、がんの再発を防ぐ効果は認められないと分かった。

米ペンシルベニア大学、アブラムソンがんセンターのナオミ・B・ハース氏率いる「ECOG-ACRINがん研究グループ」が、2015年2月26日から28日に米国オーランドで開催された、泌尿生殖器がんシンポジウムで発表した内容を、同校のホームページで2015年2月23日に公開したものだ。

 腎臓がんの場合、通常切除手術が選択されるが、より長く生きるためには手術後に、転移や再発を防ぐ目的で行われる抗がん剤治療「補助化学療法(アジュバント療法)」が必要になる。手術後に何も治療をせずにいると、多くの人で再発が起きてくる。

 腎臓がんの進行ステージの補助化学療法には「ソラフェニブ」または「スニチニブ」という薬が使われている。どちらの薬も、がん細胞の増殖を助ける酵素「チロシンキナーゼ」を狙い撃ちにする分子標的薬。体内の他の部分に腎臓がんが「転移」するのを防ぐ効果があるとして米国食品医薬局(FDA)に認可されたものだ。

再発は防げず。
 研究グループは今回、これらの薬には腎臓がんの「再発」も防ぐ効果があるのかどうかを検証した。

 対象者は、腎臓がんの米国人とカナダ人約2000人。ランダムに3つのグループに振り分けられ、腎臓がんの切除手術を受けた後、それぞれ(1)ソラフェニブ(2)スニチニブ(3)ニセ薬(プラセボ)を1年間飲んでもらった。

 その結果、がんの再発なしに生きていた平均年数は、どのグループもほとんど変わらず、ソラフェニブで5.6年、スニチニブで5.6年、ニセ薬で5.7年だった。
再発ゼロを目指し研究は続く
 研究グループは現在、薬を飲む期間を延ばしたり、薬の種類を変えてみたりして、腎臓がんの再発を真に防げる補助化学療法の探究を続けているとのことだ。

 さらに、今回の検証に参加した人たちは、血液と尿を研究材料として提供することに同意し、薬を飲み始める前に全員提供した。また、がんが再発した人は、その時点で再度提供している。

 研究グループは、「がんの転移や再発を起こす人がいる一方で、どちらも起こさない人がいる、その違いが何なのか」を知る手がかりなどを得るために、これらの提供された血液と尿を分析し、研究を続けている。

 検証終了後、研究を続けて4年が経った。がんの克服を目指し、研究はこれからも続く。


スニチニブ(商品名:スーテント)

ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)

先生、いったい俺に何を投与する気・・・?




これは2012年6月に開かれた、第48回米国臨床腫瘍学会での報告だ。

スニチニブ(商品名:スーテント)は、

「転移性腎細胞癌に対する投与の奏効率は38%で、

その6割は12週までに得られるー1059例の統合解析より」


何が言いたいかというと、再発・転移すれば、比較的奏効率が高いスーテントからだろうな。

しかし予防的投与に関する事ならば、すでに米国臨床腫瘍学会では、

「効果ナシ」という報告が出ているという事なのに、本気で予防的投与する気か??



みなさんの中に、腎がんの予防的分子標的薬の投与を受けた方はいますか?





追記:2016 6 現在

腎細胞がんのアジュバンドはない。

2015最新・腎臓摘出手術方法(中編)

2015-07-27 04:32:08 | 医師から手術説明
【主治医の資格や手術の説明】

2015.7.24 家族を交えての手術説明と同意書の作成の為の来院だ。

所謂、インフォームドコンセントってやつ。

専用の部屋でやると思ってたのに診察室かい! まぁ、いいや…


自分の主治医は、当たり前だが「腹腔鏡認定医」である。

泌尿器科のDrは14人在籍しており、

自分の主治医は上から10番目くらいのクラスで中堅Drって感じかな。

資格:、

泌尿器科専門医
泌尿器科指導医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本泌尿器科内視鏡学会腹腔鏡認定医
内視鏡外科認定医
ロボットコンソールジャン

専門領域:腫瘍学

と紹介させているので、手術から最後まで、転勤さえしなければ面倒を見てくれるだろう。

手術チームのメインは自分の主治医と、上から2番目の「臨床教授}と「手術室責任者:教授」

まぁ、万全な体制なのは間違いないだろう。


ところでこの主治医と会うのは今日で4回目。

一回目は糖尿病の入院中に、外来でガンだと診断告知された時。

まぁ、事務的で愛想もクソもない…

「うわぁ~このタイプかぁ~嫌やなぁ・・・」と思った事は間違いない。

そもそも、術式の予定が会う度に、前回に言った説明を忘れてるのか?

と思うくらい事務的な口調で変わるんだから、たまったもんじゃない。


一回目:術式は腹腔鏡の全摘出です。入院期間は2週間の予定です。
二回目:腫瘍がかなり動脈の近くにあるので正中開腹です。
三回目:腹腔橋です。入院は1週間です。

どないやねん!!

今思うと、上の教授達と何度となくカンファレンスをして、途中経過を言ってたんだな?
と、思うが、せめて「先日はああ言ってましたが…」を付けてくれ!

同じ医師なのか?と疑ってしまうわ!


さて、手術の説明だが、前編に主治医から渡された書類やイラストを載せてある。

前編の書類やイラストを用いて一通り、ある意味儀式的な説明が続く。


主治医「ここまでで、何か質問はないですか?」

俺「前に動脈の近くに腫瘍があるから腹腔鏡は難しいと言ってましたよね?」

主治医「そう、難しい場所にあるんですが、makotoさんのお身体を考えて、
負担の少ない腹腔鏡でトライさせてもらいます」

俺「全摘に変わりはないですよね?」

主治医「部分切除は考えられない症例です」

俺「動脈を傷つけたら出血多量で即死と病院関係のネットで見ましたが?」

主治医「確かに1分間で3000ccくらいの出血はしますが処置出来るので死にません。笑」

俺「弟よ、死なんねんて!あかんポックリ逝かれへんわ!笑」

弟「手術時間はどれくらいの予定ですか?」

主治医「3時間程の予定です。ただし癒着がひどかったりする場合は5時間くらいになります」

俺「弟よ、まれに8時間くらいかかる事もあるぞ。ネットで見た」」←かなりウザイ奴。

弟「入院期間はどのくらいですか?」

主治医「特に合併症等がなければ1週間です」

俺「ええ~! 1週間! はっやっ!」

 「大学病院なので、早々に退院を進められる事は初めから承知していますが、
僕、独り暮らしなので痛いまま帰らされたら、買い物も行けないし、僕のマンションはエレベーターがないので階段を上り下りするのキツイと思うんです!」

主治医「あ~1日2日なら延長できますよ♪」

ツライのは1日2日で変わらんだろう・・・泣


まぁ仕方ないか。術後に泣き脅しをしてみるか。


主治医「腸閉塞予防の為に、しばらく鼻から胃までチューブを入れておきます」


ええ~!それは初耳だ!散々ネット検索してたのに、それは知らない!

確か胃に空気を送り込んで腸の癒着を予防すると言ってたと思う。(たぶん)



自分の腫瘍は腎臓の中程から下の方にあるんだが、

腹部大動脈から腎臓に伸びている腎動脈(先端部で数本に枝分かれしている)

の極近くに接近しているそうで、腹腔鏡では難しいらしい。


友達のベテランの看護師(元T女子医大勤務)にその事を聞いたら、

「それはDrの腕次第でしょ~?」と言っていたが。笑


なので気になっていたのが、「癌腫瘍が動脈のすぐ近くにある」という事。

俺「もし動脈に癌が浸潤していたら?」

主治医「ステージ3となりますね」

そうか…そうなるのか… 自分はかなりのヘタレである事を報告する。



後半は、輸血の話と、術後に病理結果が出てからの仮定的な話等を。


追記:最近は手術で邪魔になるからという理由の、
「肋骨の一部を取る」という行為はしないそうだ。

2015最新・腎臓摘出手術方法(前編)

2015-07-24 21:34:11 | 医師から手術説明

2015・7.24(金)

今日やっと主治医と腰を据えて話が出来た。

手術説明を家族と御一緒に。というやつだ。

両親は既に他界しているし、バツイチだし、居るのは実弟と彼女。


まずはこれ。
クリック

嚢胞の大きさの最大径は5.5cm

癌自体の最大径は6.78cm(アバウト値)

なのでT1bかT2aと言われた。自分もそう思う。
正確な値は摘出後に計測・分析される。(ただ、摘出したら縮む)


術式 腹腔鏡下(左腎臓全摘出)


3の(用手補助)ってなんだ!?
切開した場所から手を深く入れて腎臓を持つ?
腎臓を持ち上げて手術しやすい様に入れとくんだって。


ポートの穴は合計3つ。
切開の幅は、14cmの予定。かるく斜め切りみたい。


これは写真。たいしてグロくないから掲載。

左上が切開開腹。 右下が恐らく腎臓を引っ張り出してる時。


腹腔鏡が困難になった場合は、Cの線に近い傷で切る。

ここの病院では最初から開腹術の予定の場合、基本Aの正中切開だそうだ。



本題は次の中編からに。